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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第四章 不老族
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王都の面倒事(脱出作戦)

 状況を把握したことだし、脱出するか。

 まずはそうだな。上で酒盛りをしている奴らを片付けるとしようか。それとも俺達に手を出したことを後悔させる為に見張りを上に運んで一気に遊んでやるか。

 一始めに手足に付いた枷を派手に破壊して自由に動けるようにする。


 牢屋の部屋にガチャンガチャンと枷が壊れた音が響いた。

 見張りをしていた二人は物音に不信がりそれぞれ武器を手にした。


「今の音はなんだ?ドラゴニアかオルゴが起きたのか?」

「知らん。そもそもあの枷はドラゴニアの子供でもそう簡単には壊れんぞ。不老族の枷が外れたのかもしれない。灯りをつけろ。相手は魔法で強度を高めた鉄でできた牢だ。そう簡単に出られない」

「おう」


 見張り達がそんなことをこそこそを話していたが俺には関係ないことだ。ドラゴニアとかオルゴの単語に興味を持ったがそんなのは目の前の面倒事を片付け手からだ。


 片方の見張りがいそいそとランタンに火を灯して暗かった牢屋の部屋に小さな灯りを生んで一つ一つの牢屋の中を照していく。


「おい、一匹不老族がいないぞ!」

「くそ、いつの間に消えたんだ。わかったボスに報告する」


 念力で無理やりこじ開けた隙間が目の前にあるのに気づかないなんてどこまで節穴なんだよ。


 一人が階段に向かったところで念力で邪魔をして転ばせる。派手に転んで部屋にあったものを転んだ拍子で色々巻き込んで盛大な音を発生させた。

 上はどんちゃん騒ぎでこっちの様子を気づいた様子はない。


「おい、どうしたって言うんだ!」

「いや、壁に当たってな」

「おいおい、人に当たっといて謝りもしないのか。まっお前達にとって俺達は捕獲した商品なんだろうな」


 俺は唯一の出口を塞ぐ形で見張り達の前に姿を出した。


「お前どうやって出やがった!」

「どうやってってそんなの簡単なことだよ。こじ開けたのさ。その隙間が証拠さ」


 タカシは手の平に光を出して自分が出た隙間を照らした。

 それが衝撃的だったのか口が避けそうなほど開いて驚愕している。それほど強度のある牢だったのかはタカシは興味がなく牢を念力で静かに捻ったり潰したりしていた。


「それとあんまり騒がないでよ。うちの子達が起きちゃうからさ。騒ぐなら上に行こうか?お前達のボスもいることだしさ?」


 見張りを取っ捕まえて上に運ぶ。


 上なら多少騒がしくしても大丈夫かな?でも今結構騒いだけどミリ達は目覚める気配がなかった。薬でも盛られて寝ているのか?

 見たところ苦しそうにしてないし、寝息も安定しているが固い牢屋の中で寝せるのはちょっとと思うけど今だけ我慢してもらおうかな?


「ぐお!」

「どはっ」

「お前ら下の見張りはどうした?」


 床に投げた見張りから変な声が出たからか酒盛りをしていた仲間連中が俺に気づいて騒がしかった雰囲気が静まり返った。

 ボスらしき人物は見張り達を怒鳴り散らすが見張り達は床に投げ出させたのが痛かったのかボスに反応せずに床の上で踠いている。


「使えない奴らだ。お前は今日捕まえた商品だな?俺の気が変わらないうちに檻の中へ戻った方がいいぞ?」

「なんで戻らなくちゃいけないの?」

「そりゃここに俺の部下が数えきれないぐらいいるんだから逆らうなんてバカだろう?」


 ボスらしき人物が俺を小馬鹿にしたように言う。


「部下って天井や壁に張り付いている人達のこと?凄いね。虫みたいに這い回っている人もいるよ。どうやっているんだろうね?」

「はぁ?何を言っているんだ。俺達に恐れて頭がおかしくなったのか?」

「本当だよ。ちゃんと見てから言った方がいいよ」


 ボスと見張り達以外の人達は念力で口を塞いで黙らせて壁や天井に張り付けた。虫みたいに動かしているのは俺の遊び心。

 壁や天井は少し古くなっていて、ところどころに突起物が出ていた。張り付けられた人達は突起物に体を擦られて凄く痛そうだ。

 その光景を見たボスらしき人物は絶句していた。


「混ざりたかった?ごめんね。これはもう満員みたいだからこれ以上人はできないよ」

「これ全部お前がやったのかよ」

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないよ」


『パスもうそれぐらいにしといて、こんな奴らでも人を殺したくないから全員倉庫の外に捨てといてちょうだい』

『わかりました』


 張り付けていた人達の半分ぐらいはパスにお願いした。

 流石に天井や壁が赤く染まり始めたから止めて、パスに頼んで外に捨てるように頼んだ。


 あれぐらいの怪我じゃしなないよね?痛くて床の上で蠢いているから逃げることはないと思う。念のために逃げ出さないように倉庫の扉を倉庫の中に置いてあった荷物で塞ぐ。


「あら?お仲間さんみんな行っちゃったよ?」

「グッ、お前が何かしたんだろ?見逃してやるからどっか行ってくれって言うのはもう手遅れか。くそが何が望みだ?」

「潔いね。諦めた?下にいるみんな(ミリ達)を解放が目的と俺達に手を出したらどうなるか回りに見せしめるためのパフォーマンス。最近面倒臭い人達に付きまとわれているからね」


 ギルドで冒険者にバカにされていた商人には付きまとわれていないが不老族を探し回っているようだったので不老族を誘拐した犯罪者集団が痛い目にあった情報を知れば探し回るのを止めてくれるだろう。

 この噂も流れれば俺達にちょっかいを出す連中が減ってくれるだろう。


 ボスと思われる人物をどうしたものか。

 空の旅を楽しんでいただこうかな。


 赤い液体が滴る天井を破りボスと思われる人物や見張り達を念力で持ち上げ上空へご案内した。


 空は太陽が沈み、月が浮かんでいる。月に照された空は地上とは異なり凍えるほど寒い。

 前に空気のヤロウと戦った時に飛んだ時より高度は低いがやはり空は寒い。ご案内した3名は始めて空を飛んで高所恐怖症になって震えているのか、寒さで震えているのか聞かないとわからない。


「ようこそ、空へ」

「ひぇえ」

「飛んでる!」

「下ろしてくれ!頼む下ろしてくれ」

「そう慌てない。空に来たばかりだからこの景色を楽しんでよ」


 下を見ると王都の中に光がちらほら見えている。あの光は夜でもやっているお店だと思うけどもうちょっと光が多ければ綺麗だと思う。


「空の上なんか楽しんでいられるか!いいから下ろせ!」

「うるさいな。もうわかったよ。下ろせばいいんでしょ?」


 空にご案内した3名が「下ろせ!」とうるさいので話してあげることにしました。


「ウワァァァァ!」


 3人は声をあげながら落ちていった。殺す気は元々ないから途中で受け止める。


「どっこいしょ。流石にヤリ過ぎたかな?」


 3人は人形のようにダラリと手足を力が入ってないところを気づいて3人の顔を見たら気絶していた。

 気絶した状態で続きをしても意味がない。

 3人も他の仲間達と一緒に倉庫の中に置いておく。

 倉庫の屋根を壊したことで回りの住民が通報して倉庫に鎧を着た人達が向かっているところが見えたから誘拐犯達を放置してもこのまま自分達が牢屋に入ることになるだろう。


『そうだ。パスにお願いがあるんだけどいい?』

『はい、なんでしょうか?』

『俺達の荷物と馬車を探して欲しいんだ。見つけたら荷物は馬車に乗せといて』

『わかりました。探してみます』


 自分達の荷物と馬車の存在を思い出してパスに探すように頼んだ。荷物の中に所持金が丸々入っていたし、ミリ達の武器も含まれているから探す必要があった。


 ここから出たら手頃な宿に泊まるかな。さらに夕食も食べてないから少し高めのお店で夕食を食べたいな。


「しかし、あんなに被害者がいたのに警察機関?警備組織?被害者を捜索してないように見える。被害者は他の街から誘拐してきて王都に連れてきたのか。それで子供しかいなかった俺達を獲物したのか?」


 それだと俺達のことを不老族と言っていたが前から計画していたのか?王都に来たばかりだから俺達の情報は少ないはずだが、それがあの噂が原因か?

 ルルーンの街でやったことプラスに犯罪者の間の情報も一緒に王都に流れて来たのか?


 今回で気に犯罪者達は俺達に手を出すことはなくなるだろう。


「さてと、下に戻ってみんなを解放するか」

「待って!これは君がやったのか?」


 下に降りたタカシはミリ達を解放する為に地下への階段に向かおうとしたところ何者かに声をかけられた。

 振り向いたら肌が鱗に覆われている男なのか女のかわからない人物がいた。


 この部屋の惨状を見た声をかけてきた人物は凄惨さに顔を青くした。倉庫に倒れていた血まみれの男達や譫言を呟く男を見てここで何があったのか覚悟を決めて隠し部屋に入れば我が子より少し幼い子が血まみれで凄惨な部屋にいた。

 どんな状況なのか?我が子は無事なのか?不安で仕方がなかった。


 もしかするとこの人は下にいた被害者の保護者かもしれない。被害者の中に肌が鱗に覆われている子がいたし、その子の保護者で間違いない。


「ん?そんなとこかな。あなたも誘拐された子達を探しに来たのでしょう?階段の先に牢屋の部屋に子供達がいるよ」

「そうだが、君もそうなのか?」

「少し違うよ。俺も誘拐された子達の一人なんだけど自力で抜け出したんだ」


 被害者の保護者だと思ってタカシは倉庫に寝かされている誘拐犯や誘拐犯の血で汚れてしまったこの部屋をやったのは自分と曖昧に答えて、本当に彼が保護者なのか確認の意味を込めて釜をかけてみたらイエスと解答が返ってきた。

 タカシは自分も誘拐された側の被害者で檻から抜け出して誘拐犯達を片付けたと説明した。

 変な警戒をされているのか階段の先に行こうとしない。


 それでもいいんだけど。この人とは何にも関係ないから俺を信用しようがしまいが俺はミリ達を連れていくだけだからな。


「俺はこれで仲間達が待っているから先にいくね」


 階段を下りて牢屋の部屋でミリ達が入った牢を無理にこじ開けていく。サービスとして他の牢屋もこじ開けて入っていた被害者達の枷も壊した。同じ被害者であるからし、ここまでは俺なりの気遣い。それと鍵が見つからないと枷が外せないから誘拐犯達の仲間が来て逃げられなくなってしまう。


 牢屋が暗くてジュンがパニックになると困るから光を生成させて牢屋の部屋を照らした。


『荷物が見つかりました。馬車に乗せているのでいつでもここから出ていくことが可能です』

『わかった。ミリ達が起き次第ここから出るぞ』

『それと階段にいる人物はいかがいたしましょうか?』

『気にするな。被害者の保護者だから俺達には関係ないことだ』


 パスも階段にいる人が気になるようだ。ほぼ無関係であちらから敵意や害がなければこちらから反応しなくてもいいだろう。


「ミリ起きてここから出るからミリは他の子達を起こして」

「はにゃ、タカシさんどうかしましたか?出るって?」


 ミリはまだ盛られた薬の効き目が残っているようでなかなか起きてくれない。スフィアやアルム、ユンも体を揺らしても眠りミリのように反応すらしてくれない。

 ミリ達を起こすのを諦めてジュンとアズサが入っている牢屋に向かう。

 先にジュンが入っている牢屋のこじ開けた隙間から入りジュンを起こしにかかる。


「ジュン起きて」

「何よ。タカシ?どうしたの?」

「ここから出るぞ」

「出るってなんでなの?」


 少し体を揺さぶったがジュンは少し寝ぼけているけれど少しだけ話しはできるようだ。ただ寝ぼけいるからか今の状況を理解していない。時間をかければ完全に目覚めれば今の状況を見て自分が置かれている現状を理解するだろう。

 次にアズサだ。


「ほら、起きて。ここから出るぞ」

「うーん。タカシおはようって。ここどこなのさ?そうだ僕達は知らない人達に捕まったんだ。タカシが離れたあとすぐに知らない人達が近づいて来てそして僕達は」


 アズサは体を揺らしたらすぐに起きてくれた。目覚めてすぐに自分がいる場所に疑問を抱き、気を失う前の出来事を思い出してくれた。


 今の状況を理解しているなら話が早い。アズサには簡単な説明で問題ないだろう。


「そうだ。俺達は人身売買をしている連中に捕まったんだ。わかっているかもしれないがここから早く脱出するぞ」

「脱出って僕達を捕まえた人達はどうするのさ?タカシが念力を使えるからって僕達全員を浮かせるのは難しいと思うよ?僕達が逃げるなら捕まえた人達の追撃があるだろうし無理だよね?」

「そんなこととあろうかと連中は片付けたさ。当然殺してはいないが俺達にちょっかいを出したんだ相応の仕返しをしたけど」


 アズサに簡単な説明するとアズサは自分達が逃げる際の心配をしていたがタカシは誘拐犯達を片付けたと追加で説明した。


「だからミリ達を起こすのを手伝だって欲しいんだ。ミリ達はまだ誘拐犯達に盛られた薬が聞いているらしく寝ているから早く起こしてくれない?ジュンはもう少しで起きそうだからミリ達の後回しでいい」

「いいけど何で焦っているのさ?」

「それは誘拐犯を捕まえる為に警察機関?衛兵?を呼んだんだ。俺達は被害者で事情聴取を受けることになるでしょ?それがめんどくさくて嫌なんだ?だから早くここから立ち去りたいんだ」

「何なのそれ。意味わかんないよ。でもわかったよ。急いでミリちゃん達を起こせばいいんでしょ?」


 アズサにぶつぶつと文句を言われた。俺の説明を聞いて納得してくれなかったけどミリ達を起こしてくれるようでタカシは安心した。


 上には先ほどの人達もいる。自ら呼んだ警察機関(?)がこちらに向かっている(自業自得の意味不明)。面倒事になりそうなことが徐々に増えているなと頭の片隅に思ったタカシはうんざりした。

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