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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第四章 不老族
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王都の面倒事1

「王都に到着!」


 王都に着いたのはお昼を少し過ぎた時間帯に森から王都の門まで着いた。正確な時計がないから感覚的な時間だけど。森から早く離れる為に馬車を少し飛ばした当初の予定より大幅に早く帰ってきた。

 まだ朝の時点で森に向かったわけだし、最低限の目的(ミリ達の狩り練習)を済ませて帰ってきた時間として早くもない時間だ。森で何もなければ森の中を色々探索して売れそうな薬草や食べられる木の実なんかを採ってくる予定だったが面倒なことを避けるためなら仕方ない。

 こんな短時間で森の収穫は結構な稼ぎになった。角ウサギに似ている魔物が複数体にあれの魔石。角ウサギの死骸を全部持ち帰ったが剣で切り刻んだ物や丸焦げの物がある。一応ミリ達が倒した角ウサギに似た魔物は全部馬車に積んだが、高い値段で売れることはないだろう。高い値段で売れる見込みがあるのは魔物の魔石だ。

 何せ、俺の頭3個分サイズの魔石があるんだ。これは間違いないなく高く売れるぞ。さっそくギルドに行って売ってしまおう。


「おう、不老族の坊主か。お前って有名な冒険者だったんだな。王都でお前の話が持ちきりだぞ」

「えっ?」


 今なんて?俺達の話が持ちきりなんだ?


「しかも不老族ときた。とある貴族様を助け、貴族家の御令嬢の病を簡単に治したそうだな。そしてお前はルルーンの街を救った冒険者ときた。そんな噂を知ったいくつもの貴族家の使いがお前達が戻ってきたら知らせるようにと来たぞ」

「門番の人。俺はそういうのはちょっと」

「心配するな。ここの門番を任されている以上王命じゃない限り従わないぞ。来た貴族家はすべて臭いことをやっている貴族家だったしな。ワハハハッ」


 どうしてこうなってしまったのだ。数時間森に出掛けている間に俺の噂、いや貴族家の御令嬢の病を治したのだからジュンの噂も流れているから俺達か。

 派手に動き過ぎたのか。だから噂が流れたのか。

 まだ顔は知られていないはずだ。どこまで噂が流れているのかわからない以上ギルドへ今回の収穫を売って手頃な宿屋に落ち着くまで隠れるか、早く王都から出ていくか。まだ次に向かう場所さえ決めてないし、旅の準備をしてないから王都から出ていくにしても途中で問題が起きたら対応がもしかしたらできないかもしれない。保存食もそこを尽きかけているから王都で食料を買わないといけない。


「タカシさんが有名になったのですか!」

「貴族様を助けたのだから噂になるのは当たり前ね。ジュンちゃんは何人の医者が匙を投げた病を簡単に治しちゃったしね。それに不老族なんだか噂になるのは必然ね」

「おにいちゃん達スゴーい!」


 何でミリ達は喜んでるんだ。


「タカシ何かあったの?不味いこと?」

「不味いと言うか。俺達のことが噂になっているんだ。都市の権力者が俺達を囲もうと頑張っているみたいで、とにかく凄く面倒くさいことになっている」

「別にいいんじゃない?僕達あまりたいしたことなんてしてないし、噂が一人回りして熱く盛り上がってるならそのうち冷めて僕達のことなんてそのうち忘れると思うよ」

「私達が王都に戻ってきたってことはすぐに広まらいでしょ?アズサの言う通り噂が一人歩きしている段階なら目立たないように徹すればいいだけの話しだと思うわ」

「そうは言ってもな。どこまで広まっているのかわからないが噂が広まった後に目立たないように行動しても意味ないぞ」


 アズサとジュンは現状の深刻さを理解していない。

 医者が匙を投げた病を簡単に治した不老族が王都にいる。ルルーンの街を魔物の群れから救った不老族が冒険者として来ていると英雄として祭り上げられるとラノベのテンプレ展開で貴族の地位や権力者との婚約を押し付けられると考えているタカシ。

 それが凄いことかはタカシは本質的には理解していないがこれからやってくる出来事がめんどくさい物とだけ理解している。物静かに平穏に暮らすことを目指しているタカシにとってはありがた迷惑であり、避けることに徹しようとする。

 王都の権力者、王族貴族は数百年ぶりに現れた不老族になにがなんでも我が国に滞在してもらおうと躍起になる。


 ルルーンの件でそういった動きになるのだがルルーンの街のギルドは王都や他国のギルドに報告を忘れていた。ルルーンの街のギルドマスターは病を治した不老族の話を聞いて魔物の群れの話を王都のギルドに報告した。そしてルルーンの街を管理しているアシュティアの父、フローレイティ伯爵はタカシを娘の婿と考えており、タカシを自由にさせる為に魔物の群れについての一件はタカシの部分を省いて王都へ報告しようとしていた。ギルド側はそれぞれ街や国にある支部間で情報共有する為の魔法具を各支部にあるが権力者同士の揉め事がある貴族は弱みを握られる要因とあるからか必要としてない。だから何かあれば領地から使者を送り王城に報告させるのが一般的だ。


 魔物の群れを一人で簡単に一掃できるタカシがどこの馬の骨かわからないから泳がせている理由もあるからかフローレイティ伯爵は王宮には報告しないが、タカシにフローレイティ家の家紋のペンダントを渡している。


 とりあえず、ギルドに向かって今回狩った獲物を売ろう。ギルドに向かっている間に視界を飛ばして情報を得よう。


 馬車を走らせながら情報収集に徹したお陰でそれなりに情報を得た。

 一般人の間では昨日、不老族が貴族の御令嬢の病を治したことがほとんどでまだ王都に不老族がいるだとかもう旅立たれた。と言った噂が流れていた。

 そしてルルーンの街の件は誰も話してない。一般人の噂だから他人に聞いたことを別の誰かに話して、少しずつずれて噂が広まっているのかもしれない。


「どうしたのですか?門番の人が話していた内容が気に入らなかったんですか?」

「いや、違うよ。今聞こえた噂なんだけど、ジュンが病気を治したって話しばかりだから少し考えていたんだ」

「ジュンさんは病を治せますから噂は広まるますよ。でもタカシさんがルルーンの街で沢山の魔物を一人で倒したのは凄いと思いますよ。一人で魔物の群れに飛び込むのは余りやってほしくはありませんが私は凄いと思います」


 ミリは俺を気遣ってそんなことを言ってくれた。優しい子だけど俺は自分の噂が出ていなくて凹んでいるんじゃないんだ。

 魔物の魔石を売って大金を手にした。でも名声や名誉の為に飛び込んだ訳ではない。ミリ達に被害が出ると判断して魔物を一掃しただけ。


 街の人に凄い凄いとおだててもらう為に一掃したではない。守りたい物があったから害する要因を排除しただけに過ぎない。


「もしかするとジュンさんの所に病を治して貰いたい人が群がるかもしれないですね」

「そうだよな。こんな噂が広まるとそう思うよな」

「来るでしょうね。ジュンちゃんやアズサちゃんは凄いわよ。病や怪我をあっという間に治せるもの。病で死にかけている人や怪我をして動きに不自由になった人達が藁にすがる思いで来ると思うわ。それを悪用しようと考えている人とかね」


 俺達の前にそういう人達が来ると思うと忙しくなりそうだ。


「何々、私達の話ししているの?」

「まあな。ジュンやアズサの所に病人や怪我人がわんさか集まりそうだなって。忙しくなって面倒くさそうだなって」

「それって最高じゃないの。困っている人の助けになるなら私は嬉しいわ。アズサもそうよね?」

「僕も人の為にこの能力が役立つなら多少忙しくなってもいいよ。能力で人の怪我を治すのが夢だったんだ」


 ジュン達は病人や怪我人がいっぱい集まって忙しくなってもいいそうだ。静かな生活を夢見ている俺みたいに面倒くさいと思うより能力を使って多くの人の怪我や病気を治すのを夢にしているようだ。


 そういうことならジュン達に付き合うか。多少の面倒事の排除などの厄介払いしか俺にはできないかもしれないけどジュン達の夢が叶うなら。


「魔物を売りたい」

「空の魔剣師か。依頼をもう終わらせてきたのか?」

「依頼はまだ終わってないけど森の様子がおかしかったから戻ってきたんだ」

「やっぱりか。異変は森の奥だけだったはずだけど森の入り口にも異変が起きたか。早く対応してもらわないと」

「ギルドの方は大きな魔物について知ってましたね」


 魔物の素材を売りにギルドにやってきた。ギルドに向かう道中は特に何も起きることはなかった。俺達が王都に来て日が浅いから噂の不老族の顔が知られていないかもしれない。


 受け付けの人は森がおかしいことを知っていたようだ。別に危険を察知していたからミリ達が魔物に襲われることはなかったけど知っているなら事前に教えて欲しかった。大きな魔物が出ると魔物が苦手なミリが怯えるからな。


 アズサ達はギルドに設置しているテーブル席(俺が目視で見える所にいるから何かあっても大丈夫)で休んでもらっている。この時間帯は冒険者が依頼に出ているようでギルドにいる人はギルド員の人しかいない。

 そしてなぜかギルドの受け付けに付いてきたミリが受付の人の話を聞いて嫌みを口にした。大きな魔物のことを知らせてくれなかったことを根に持っているようだ。


 別件で弓矢で俺の命を狙っていた奴らもいたわけだし、そっちの方はギルドとは関係ないと思うからいいけどあの男達は俺達が乗っていた馬車や金目の物を狙っていたとかそんなところだろう。

 あの馬車を売ってもそんなにお金には変えられないし、ただの子供(見た目のこと)を襲っても持っているお金はたかがしているけど人身売買の込みで襲ったのであれば儲けになると思うけど。


「でも無事に帰ってきて良かったよ。森の奥だけにいる魔物の様子がおかしいだけだったから森の浅い場所なら新人に危険が及ばないと判断が出ていたから行かせたんだ」


 あくまでも自分達ギルドに非がないと言っている。

 いいんだけど。


「そんなことだから角ウサギが見つからなかったけど代わりの物を狩ってきたからそれを買い取って欲しい」

「森の様子がおかしかったのならギルドとして空の魔剣師が受けた依頼の期間を一月まで延長するよ。森に調査が入るから低いランクの冒険者の立ち入り禁止になると思うからね」


 一月か。長いそこまで王都に残っていられるかな。

 そのときは無理やりに森に入って角ウサギを狩るしかないか。


「さっそく、その浮かんでいる魔物の買い取りかな」

「そうだけど一番はこれかな」


 ミリに背負って(念力でサポートをしている)もらっていたリュックサックモドキからあれの魔石を取り出した。

 あまりにも大きくて俺の頭二回り程大きな魔石だ。リュックサックモドキにこれを入れたらいっぱいになる程だ。俺でさえ念力で支えないと持つことができない。


「その魔石でかすぎるだろ。どんな魔物を狩って」


 受付の人の言葉が止まった。

 この魔石を持っていた魔物に心当たりがありそうだ。


「いやまさかあり得ない。子供だけであれを倒したのか。大人数で討伐するのがやっとなのに。いや彼は不老族だ!もしかすると」


 一人でぶつぶつと呟いている。


「空の魔剣師聞いていいかい?この魔石の魔物についてなんだけどどういう魔物だった?」

「凄くでかいトカゲのようなドラゴンのような魔物だった。ミリ、そうだよな」

「はい、馬車二つ分の大きさっと言ってもわかりにいくですよね?例えば、ルルーンの街周辺に生息しているルーンオオトカゲより大きかったですね」

「ルルーンの街周辺のオオトカゲより大きかったと」


 魔石の魔物について聞かれて俺はそのままのことを話して魔物は苦手だけど魔物に詳しいミリ先生に後は丸投げした。

 ミリはあれの大きさを馬車二つ分と例えて説明したがあれの体長は馬車二つ分以上あった。今度はルルーンの街周辺に生息しているトカゲより大きいと言っている。


 ルルーンの街の近くでトカゲぽい生き物は見ていないが受付の人の顔を見るにいるみたいな反応を見せた。

 あれより小さいようだが、有名な魔物なのだろう。


「その魔物は火の息とか氷の息とか吐いて来なかった?」

「それはわかりません。タカシさんがすぐさま魔物の尻尾を切り落として倒してしまいましてのでドラゴンみたいなブレスを出すのかわかりません」

「弱っていたみたいだったからすぐに倒せたぞ」


 ミリがあれを簡単に倒したというもんだから衰弱していたから簡単に倒せたとミリの言葉に続いて言ってやった。


「その内調査に出た冒険者が戻ってくるだろう。今はその話は置いといて素材と魔石を買い取るよ」


 受付の人は考えることを止めてやっと買い取ってくれる気になってくれたみたいだ。

 ミリ達が倒した角ウサギに似た魔物を鑑定始めた。


「ハァー。角が生えたウサギだったから全部角ウサギと思っていたが全部アイアンランク以上の魔物だ。いや、ほとんどがシルバーランクの凶暴な魔物だったとは驚いた。丸焦げだったり必要以上に切りつけた所も見えるから毛皮はダメだな。だけど新人冒険者なら仕方ないか」

「ごめんなさい」

「別に気にしてないよ。元々はミリ達の練習だったんだから」


 ミリは自分が倒した魔物が傷物で買い取ってもらえなかったから謝ってきた。俺は怒ってないし、そんなことで落ち込まないで欲しい。


「毛皮は買い取れないけど肉は食用として需要があるから肉と魔石は買い取ってあげるよ。ただ毛皮を加工する知り合いの業者に頼まれていてね。ギルド側の都合で一人落ち込んだだけだから君らには関係ないからね」

「ほら、ギルドの人も肉と魔石は買い取れるって言ってるよ。だから収穫は0じゃないよ」

「はい、魔物は怖いですが次は余計に切りつけないように頑張ります。タカシさんやスフィアちゃん達の為にもっと魔法や剣の腕が上手くなるようにしたいです」


 魔物が怖いならやらなければいいのに俺達の為に間張ろうとするなんてミリは健気だな。少しずつでいいからトラウマも克復してもらわないと俺がもしもミリ達のそばから離れてしまったらミリ達だけで生きていくしかなくなる。トラウマのせいで危険な場面あったり冒険者として稼げない状況に陥ってしまうかもしれないから。(お金の稼ぎ方は色々あるけどね)


「大きな魔石と魔物の素材と魔石、全部で214600ニヤド。前もって言うけど解体費は引いているから少し足りないって文句は言わないでね」


 基本は冒険者が森で魔物を解体してギルドで売るから解体費がほとんど掛からない。(馬車を持っていない冒険者は解体しないと持ち運べないのもあると思うけど)

 だが、俺達の場合は倒した魔物をそのまま持ち込んだから解体費が発生したようだ。魔物一体につき1000ニヤドぐらい掛かっているようでだ。


 受け取の人からお金を受け取って、ギルドの用事を終えたからスフィア達がいるテーブル席に向かった。


「どうだったの?」

「思っていたよりも高く売れました」


 それは自分が倒した魔物がでしょ。ミリやアルムが倒した魔物が買い取ってもらえるとは少し驚いたけど、毛皮がダメになっただけで他にも商品として使える部位を買い取ってもらえただけでも嬉しいのか。


「アルムがたおしたまものうれた?」

「うん、売れたよ。それじゃ今日泊まる宿を探しに行こうか?」

「また貴族の人に泊めてもらうのは悪いもんね」

「別にいいんじゃない?家主側は喜んでまた泊めてもらえると思うけど」


 またソイドさんの屋敷に泊めてもらうのはミリ達はいやがりるだろうし、恩義を糧に泊めてもらうのは俺的に嫌だ。

 そもそもソイドさんや娘さん以外の屋敷の住民は感じが悪かった印象だし、王都の貴族や支えている人達はみんな案内感じだろう。一般人を差別しているような感じだからミリ達も貴族を前にすると尻込みするのかも知れない。


「この中に不老族がいると聞いて来てやったぞ。不老族はどこだ!」


 いきなりやって来た男の声がギルド中に響きわたった。鳴りやら不穏な予感が。

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