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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第四章 不老族
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森での狩り

最近いろいろとやりたいことがある。

 王都から出て森に到着した。

 王都から森までの道のりは特にイベントは起きなかった。門番の人に森の方向を聞いただけで比較的に安全に森に行くことができたし、王都から案外近かったから30分ぐらいで着いた。


「アルム、まものいっぱいたおす!」

「アルムちゃん、森に向かって魔法を打ちゃっダメですよ。森が火事になりますし、人に当たったら危ないですから魔法は魔物と出るまで我慢してください」

「むっ。ごめんなさい」


 森に着いてテンションが上がっているアルムが勢いよく火の魔法をぶっばなす。それを注意するミリが止めさせる。

 元気が良くて何よりだ。そして威力の高い魔法だ。

 アルムの打った魔法は火事になる前に念力で消化したからミリが心配している事故が起きない。

 視界を飛ばして確認したが、俺達の近くには人はいないけど、森の奥に数人のパーティーが狩りをしているようだが俺達とは会わないだろうし、アルムの魔法で俺達がいるっていることは感ずくだろう。そして数多くの魔物もアルムの魔法に驚いてパーティーの方に行ってしまったが依頼の角ウサギぽい魔物は何種類か念力で逃げないようにしている。


「今ので動物が驚いて逃げちゃうじゃないの」

「そうだね。本人も反省していそうだけど、本当に魔物が逃げたかはわからないよ?音に反応して獰猛な魔物が来るからも知らないしさ。そもそも乗り物であんなスピードで草原や森の出入口付近を走ればどんな動物も逃げると思うよ」

「魔物なんて探せば出てくると思うよ。足跡とかの痕跡を見つければいい。アルムのお陰で獲物が顔を出したからそこに向かおう」


 ジュンは動物が驚いて逃げちゃうと魔法を打ったアルムに文句を言うがお互い言っていることが伝わらないからジュンが文句を言ってもしょうがない。ジュンの文句に答えるようにアズサがフォローを入れる。


 あんなスピードってそこまで早かったかな。逃げるまでは行かなくても巣穴の隠れちゃった。馬車を大きな魔物と思ったみたいで巣穴とか地面の割れ目に息を潜めちゃったけどアルムの魔法で魔物達がビックリして隠れていた場所から出てきて逃げ出したから結果オーライだと思うけど。そのお陰で角ウサギぽい魔物を見つけることができた。


「もう見つけたの?」

「うん、アルムが魔法を打ったお陰で隠れていた魔物が出てきたんだ」

「タカシさんが全部倒したのですか?」


 魔物が嫌いなミリが嬉しそうに聞いて来たけど今回の目的はみんなの狩りの練習だから倒してないけど。

 ミリには悪いけど遠くに逃げないように足止めはしているだけでそれ以外は何もしてない。弱そうな魔物だから魔物が嫌いなミリでも簡単に倒せると思う。


「おにいちゃんまものたおしちゃったの?」

「タカシ早いわよ。着いたばかりで速攻で魔物を見つけて倒すなんて流石不老族」

「いやいや、倒してないよ。魔法に驚いた魔物を見つけただけだからがっかりしないで今回はみんなの狩りの練習に来ている訳だから俺が倒しちゃったら意味ないでしょ?」


 本当に倒してないからアルムは悲しそうな顔をしないで、角ウサギもいっぱい確保しているから。泣かないで。

 俺達の近くには角ウサギぽい魔物しかいないけど安全に狩りができるようになっているからって、あれ逃げたはずの魔物が何匹か戻ってくるな。あーなるほど、それで戻ってきたんだな。この問題をどう片付けるかな?お金になりそうだし早めにやるか。


『パスあれを手を出さないで。様子を見てくれないか?その間にどう対応するか考えるから』

『はい、わかりました』


 パスには手を出さないように指示を出してみるが、あれがこっちに来てくれるならいいけど面倒なことに念力で倒すと面倒なことになりそうだ。

 あれに角ウサギが見つかる前に移動してと。


「とりあえず、角ウサギのいる場所に行くよ。こっちにおいで」

「ほんとにたおしてないの?」

「大丈夫だから、ついてきたらちゃんといるから」


 アルムが中々信じてくれないな。今まで魔物を速攻で倒していたからって家の子達の目の前に現れる前に排除してたわ。それは信じてくれないのもわかる。


 向かう間に角ウサギ達の耳を引っ張るなどして森にぽっかり空いた場所に誘導して俺達もそこに向かう。


「ねぇ。タカシ?あれが角ウサギなのかな?」

「俺も見たことがないから断定できないけどそうじゃないのか?全部のウサギが角が生えているし」

「でもなんであんなに種類がいるのよ?私の腰の高さのもいるし、角も二つな付いているウサギもいるわね」

「そうだね。あれなんか凄く凶悪そうだしね」


 俺も含め不老族組は呑気にそんなことを言っているのに対して家の子達は。


「まものがいっぱーい」

「ブラックホーンラビットに、ダブルホーンラビットとキングラビットもいるのですか。それにこの数は何なんですか!それとなんで普通の角ウサギがいないのですか」

「久々の狩りね。二人とも気を付けていくわよ。アルムちゃんも一人で無闇に魔法を撃つんじゃなくて前衛をカバーしながらにしなさい」

「わかりました。私も魔物退治が頑張ります」

「無理だったら俺が片付けるからその時は言ってね」

「おにいちゃんはたおしちゃダメ!」


 ギブアップするなら俺が倒してあげると言ったらアルムにダメって言われた。

 アルムとスフィアは乗り気だったのはわかっていたがミリが自棄糞にやる気を出してくれた。これでミリが魔物になれてくれればいいのだが。しかし、依頼の魔物がいなかったとは驚きだ。複数の種類がいるのだからその中に一種類角ウサギかな?って思ったのにミリ達がウサギの群れを片付けたら探してみるか。

 ちなみにウサギの大きさは一番大きい個体でも中型犬より大きいぐらいの大きさはであんまり狂暴そうには見えなかったからミリ達だけに任せている。


 ウサギ達はいきなり現れた俺達を見て戸惑って四方八方に逃げ出したが俺の念力で逃げ場を塞いでいるから中々逃げ出せないでいる。


 アルムが真っ直ぐに撃った火の魔法は角ウサギ(偽)に見事に避けられている。あんなに一直線に自分に向かってくる火の弾を避けることなんて魔物にとって造作もないだろう。ウサギ達が魔法を避けた先でスフィアの弓矢の餌食になっている。スフィアは的確にウサギの喉元や頭部を狙って致命傷を狙ってきている。

 スフィアの弓矢を運良く避けた個体は自棄糞気味に振るミリの剣に当たって怪我を追う程度。


 逃げるのに必死なウサギも頑丈で我一番に生き残ろうと広場の中をぐるぐる逃げ回っている。


「なんであたんないの!」

「アルムちゃん、火の魔法は止めてください。さっき言った通り森が火事になりますから別の魔法でお願いします」

「ムウー、わかった」

「アルムちゃん石の魔法にしてちゃんと魔物に狙いを定めてちょうだい。ミリちゃんも振り回してないで魔物をよく見て」


 ミリはアルムが放った魔法に当たりそうになり再度注意した。スフィアは石の魔法にするように切り替えるように指示を出した。全線で無駄に剣を振り回しているミリに当たらないように魔物に狙いを定めてと注文して。

 ミリもスフィアに注意されている。注意されても魔物が苦手だから無駄に剣を振り回しているのは変わらないのだけどね。

 三人の司令塔のスフィアはよく回りを見ている。流石は年長者だ。お子様パーティーの中で唯一魔物に致命傷を与えているだけのことがある。


 アルムが放った魔法全て俺が消している。ミリに当たりそうになった火の弾も俺がコントロールして外させた。

 この調子でも安全そうだ。時間はかかりそうだが、ウサギ達は逃げているだけでミリ達が襲われる恐れはないだろうし、死骸を無駄にしても依頼の魔物ではないから売れそうなところだけ剥ぎ取って馬車に積めばいい。

 アルムの魔法でグチャグチャに潰れた物は取れなそうけど。

 ミリ達がウサギ達を一方的に蹂躙している中、俺達不老組+ユンはミリ達が頑張っているのを見ていた。

 ユンはミリ達がウサギを狩っている姿を見て複雑な表情をしていた。自分だけ何もしないで馬車の上でじっとしているのが恥ずかしいと思ったのかもしれない。

 王都に戻ったらユンに武器を買ってあげようかな。ユンは何がいいかな?

 ミリ達に買ってあげたときは自分達で選んだから武器はユンに選ばせよう。


「若い子は元気でいいわね」

「ジュンも十分幼いと思うけどなぁ。それとタカシあんなにして売れるのかな」

「ん?まっ、売れたら御の字だけど目的の魔物じゃないし、ミリ達の狩りの練習だから売れる売れないで関係ないぞ。あれくらいの魔物の魔石は良い値で売れるけど」


 ルルーンの街で大量に魔物を狩って手に入れた魔石を売った金額が予想以上にすごかった。


「どのくらいだったの」

「うーん。あの時は綺麗に抜き取ったから高かったと思うけど一番質が悪い物でもだいたい一個700ニヤドだったぞ」


 受付の人の話を思い出して合計金額と魔石の一個当たりの売った値段を割り出した。多分間違っていると思うけど。


「魔石ってヤツは私が着ている服が何着も買えるんだ。結構なお金になるんだね」

「そうだな、ジュン達がソイドさんから貰った謝礼金はそれの数倍と考えると数年は遊んで暮らせる金額だぞ」

「ハハハ、そうだね。地獄から逃げてきて数日一気にお金持ちになっちゃったね。僕達。あの街ってここの首都なんでしょ?権力者の知り合いもできたし、旅行とかも行ったり、贅沢な暮らしができるね」

「他の国の通貨はわからないけどこの国だけで楽しく暮らせるのは間違いないのは確かだけど一ヶ所に止まっているとヒロの所属している組織に狙われるから長く王都にいられるわけじゃないけど」


 早くスフィアを故郷に届けてミリやアルムとユンに真面に暮らせる術を考えないといけないな。本人達が望むなら冒険者でもいいけど、俺達から離れたら生きていけないと思うんだ。いや、俺が余計なお節介をしているだけか。

 今だって狩りの練習なのに視界で見つけたウサギを戦わせているし、行き先に視界を飛ばして安全を確認している。そういう考えは今は止めておこう。

 いつか必ず別れがやって来る。その時までにミリ達を育てればいい。

 大人しくヒロ達の組織に捕まる条件としてサイボーグ少女に頼んでミリ達を保護して貰うのもいいかもしれない。

 ヒロやサイボーグ少女の言っていることが本当なら。


 俺達が馬車の上で喋っている間、ミリ達はウサギ達を倒した。綺麗な死骸はないけど、ミリ達は怪我しなかっただけで及第点かな。

 ほとんどが弓矢が刺さっているのを見て倒したのはスフィアだけど無惨な肉片と化したウサギや石の圧力によってぺちゃんこになったウサギを見るとミリとアルムも倒したようだ。

 ミリが倒した物はともかくアルムが倒した物は魔石が売れるかどうか怪しい。


「おにいちゃん、アルムまものたおした!」

「そうか。楽しかったか?」

「うん、楽しかった!」

「タカシさんごめんなさい。獲物が売れなくなっちゃいました」

「別にいいさ。アルムも楽しかったって言っているし、スフィアも満足しているならいいさ。ミリも魔物嫌いが少しは治ったんじゃないか?」

「いえ、私はまだ魔物が怖いです。これはいつになっても治るとは思えません」


 ミリの魔物嫌いはまだまだのようだ。今度もまた今回と同じように三人組で弱い魔物と戦わせて少しつづ克服させよう。


「気がかりがあるんだけど、魔物にタカシなにかしてた?」

「えっ。なんでそう思うの?」

「魔物達の様子がおかしかったからよ。弱い魔物でも私達みたいな子供相手なら襲いかかるはずなのにさっきの魔物ときたら逃げるばかりで私達に攻撃しようとしないからタカシが何かしているのかなって思って」

「いや、俺は逃げないように逃げ道をふさいでいただけだがそれがどうした?」

「そう。魔物達が凄くおかしと思っただけだから気にしないで」


 ウサギ達の様子がおかしかったのか?見ていて全然そうは見えなかったが、ウサギ達の習性に子供を襲うことがあるのか。一応覚えておこう。

 そういった習性があるならミリ達に反撃しないのはおかしな。臆病な魔物だからただ逃げ回っているだけだと思っていたが、襲われたら反撃する魔物なのか。

 窮鼠猫を噛むと言うし、追い込まれたらどの生き物だって反撃するしかないか。

 ウサギ達が逃げるに徹していたのはもしかしてあれのせいなのでは?


 視界を飛ばして周囲を確認していたが、あれは既に俺達の近くまで来ていた。ウサギ達はあれに怯えて逃げるに徹していたのかもしれない。

 さらに面倒なことにあれを追って既に来ていた冒険者も近くにいた。


『パス、どうなっている?』

『はい、マスター。一部始終見ていましたが何匹かのあれは既に来ていた冒険者に倒されたのですが、手負いの一匹がこちら側に来ています。あれはマスター達にはきっと気づいていないと思われます』

『そうなのか。先に来ていた冒険者との揉め事を起こしたくないからあれが来る前に殺すのが一番か?』

『私もそれが最適かと思います』


 あれの素材を売れば結構なお金になったが諦めるしかないか。いや、こんなに金を持っていてさらに欲しがるのは意地汚いか。

 面倒なことに巻き込まれるのはいやだからさっさとあれの息のねを止めるとするか。


「タカシさん!危ない!」


 パスとの話とあれの対象方法を考えていて自分の回りに見るのを疎かにしていた俺はミリの声に反応して後ろから飛んでくる何かに対応が遅れた。

 飛んできた物は当たることはなかったけど。


『大丈夫ですので安心してください。止めましたからしかし、マスター不注意が過ぎませんか?』

『ごめん。見ていなかった』


 パスに小言を言われたが、パスのお陰で真後ろから飛んできた弓矢の矢が俺に当たることはなかった。パスが当たる直前に止めたから怪我はしていない。


 入り口方向から面倒なことがくるなんて思わなかったよ。今日の俺は不注意が多いな。

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