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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第四章 不老族
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お部屋で雑談

もしかしたら今回は主人公達がただ話し合うだけの回です。

「それにしても暇わね」

「そうだね。そのタブレットには何かゲームとかのアプリ入ってないのさ?」


 ヒロが消えてから数分部屋の中でアズサとジュンはタブレットのマップを見るのことに飽きてしまったようで暇を弄んでいた。

 俺はミリがこっちの部屋に来るのを待っていてミリ達がいる部屋を視界を飛ばして見ていた。


 これは決して盗撮ではない。ミリ達の安全性を見守る為に監視しているだけだ。

 周囲に不審な動きする者は特に見当たらけどここはこの国の首都だから国の中で人口が多いから悪いことを考えている人がいてもおかしくない。その懸念を考えて俺はミリ達に内緒で視界で監視している。

 副産物でミリ達が何を話しているかは丸聞こえだが、しょうがない。


「タカシさん達は隣の部屋で何をしているのでしょうか?」

「気になるなら行ってみたら」

「でもタカシさんは久しぶりに不老族の仲間のアズサさんとジュンさんに出会えたのですよ。不老族同士で大事な話があるかもしれないじゃないですか」


 ミリよ。アズサ達と大事な話しなんてないし、スフィアの言う通り俺達のことが気になるならすぐに来ればいいと思うのだが。


「不老族の仲間ってルルーの街で会ったヒロって言う人も不老族じゃないの。タカシは敵対的な態度取っていたけど」

「そうですよ。何かから逃げているようですし、タカシさんだって私達に知られたくないことがいくつもあると思うのです」

「おにいちゃんはアルムたちにひみつあるの?」

「そうです。アルムちゃんにだって誰かに知られたくないことはあるでしょ?」

「アルムわからない」


 ヒロ達の組織には敵対しているが今の目的を達成すれば被験者が作った国に行きたいって思っているから逃げているだけであってそこは秘密にしてない。

 俺達、不老族組は異世界から来たって話したことがある。気を使わずにさっさと来たらいいのに。

 いくつかミリ達には秘密にしている物があるから私達に何か隠しているって疑念を抱かれるのはしょうがない。


「ミリちゃん達遅いわね。何しているかしら?」

「ミリ達もいろいろあるだろうから来るのを待っていた方がいいじゃないか」

「でもあまりにも遅すぎじゃん。見に行っちゃう?ヒロって言う人にジュース?貰ったんだし行こうよ」


 と言うことで俺達はミリ達がいる部屋に行くことになった。

 ヒロからジュースを持って。(廊下には誰もいないのを確認済み)


「ヤッホー。ミリちゃん達が来るのが遅いから来ちゃった」

「えっ?来たのですか?」

「ここでやることもないし、暇になったんだ。本当は買い物に行きたかったけどみんな旅の疲れもあるだろ?買い物は明日にして今日はゆっくり休もう。それとさっきヒロが来てこれを置いて帰ったんだ」


 テーブルにジュースが刺さったボールを置く。


「わぁ。あのときのおいしいのみものだ」

「ヒロさんが来たのですか?どのような理由で来たのでしょうか?」

「まあね。ヒロが来る理由なんてそれはヒロに聞かないとわからないけど今回はアズサやジュンと再会したからそれの様子を見に来たんじゃないか?それが本当だが俺にはわからないよ。俺はヒロじゃないんだしさ」


 ヒロが会いに来る理由なんて俺に聞かれても知らないから答えることができない。俺を含めアズサ達も見逃しているようでその理由さえわからない。


「おにいちゃん、それのんでいいの?」

「いいよ。人数分ないからみんなで仲良く飲むんだよ」


 アルムはヒロが持ってきたジュースに釘付けで前に飲んだジュースがよほど美味しかったのだろう。

 ヒロが持ってきたジュースは4本。見た限り人数分はないから味見感覚で回して飲むしかない。最初に飲むのは俺からでもしかしたらヒロがこれに毒が入っていたらミリ達には飲ませられない。


 毒味役の俺が少し飲む。

 普通の甘い炭酸の味がしたがそれ以外にはおかしいところはない。普通に美味しいジュースだった。

 他のジュースを試飲してみたが甘たるいジュースだった。


「うまい」

「つぎはアルムがのむー」

「私はこれが飲みたいです」

「...」

「ユンも美味しいから飲みなさい。量が少ないからそんなに飲めないけどね」

「珍しいジュースね。見たことがないメーカーだけどタカシが言うヒロが所属する国にあるメーカーなのかしら?ねぇタカシ?タブレットで写真撮れないかしら?」


 ジュンは美味しい美味しいと喜びながら飲むミリ達とは違いジュースのパッケージに描かれたシンボルが気になるようでジュースからパッケージを剥がして見ていた。

 ジュンに頼まれたからパッケージの写真を撮ったがこれに何かあるのか?もし、ヒロの国に行った時にこれと同じ商品を買うのか?


「なんでさ。最初にタカシが飲むのさ?それがこの子達の決まりなの?」

「理由はただの毒味だよ。もしこれに毒なんか入ってたらこの子達には飲ませられないだろ?」

「でもさ。私達異世界人には無害でもこの世界の住人のミリちゃん達とっては毒になりうる物質があるかもしれないよ」


 確かにそれはあり得る。身体の作りが違かったり、DNAの構造が違ければ俺達には無毒かもしれないがミリ達に取っては猛毒である食べ物があるかもしれない。持ってるアレルギーだって人それぞれ違う訳だし、身体の中に存在する消化酵素や腸内細菌が違ければ食べられる物が違う。

 似ている見た目だから俺がダメ=ミリ達にも毒ではない可能性もあるが前も同じ物を飲ませたことがあるからきっとミリ達にも無害なはずだ。


「お嬢様まだ安静にして貰わないと御体に触ります」

「大丈夫よ。もう元気になりましたから。私の病を治してくださった方こちらの部屋に?」

「お嬢様、いきなり入られたらお客様に対して失礼ですよ」


 廊下から騒がしい声が聞こえてきた。どうやらソイドの娘さんが遊びに来たようでいきなり部屋に俺達がいる部屋に入ってきた。

 迂闊だった。さっきまでベッドで寝ていたから大人しく寝ているものかと思っていたがメイドの隙をついて客室まで来るとは思わなかった。視界をミリ達の監視のみにしていたから油断した。ヒロが消えた後ももう一度屋敷の中を見回れば良かった。


「いきなり失礼しますわ。この度は私の病を治療していただいた御礼をしに足を運びましたわ。あらあなた方は何を御飲みに?」


 俺達はまだヒロから貰ったジュースを飲み終えてなかった。ソイドさんの娘が来たタイミングが悪かった。

 ソイドさんの娘さんが注目したのは当然中世に似た世界感には存在するはずがないペットボトルに入ったカラフルなジュース。それを美味しそうに飲むミリ達。


 これを見て気にならない方がおかしい。


「あなた方が御飲みになられているそれは何ともうしますの?その彩り豊かなお飲み物は?」

「これはて...」


 面倒くさい人物に見つかってしまった。

 貴族相手に話すことを嫌うミリとスフィアは無理。幼すぎるアルムに説明させられない。言葉が通じないアズサとジュンと話すことができないユン以外でこの状況を答えるのは俺しかいない。

 しかし、この状況をなんて説明すればいいものか?

 これはカラフルなジュースですとは言うのは簡単だ。ただ、これら物はどこで手に入れた物なのかと聞かれたら言えない。そもそも石油が原料のペットボトルが使われている時点でこの国にとってオーバーテクノロジーな異物だ。

 ヒロのことを伏せての説明が難しい。これをどこから取り出したのかの説明も必要だ。


 ならいっそ嘘を混ぜて話してはどうだろうか?


「これはですね。自分にもわかりませんが炭酸ってジュースです。知り合いから貰ったものですよ。どこで手に入れたのかはわからないですがね」

「たんさん?と言うのですね?いろんな色があって毒々しですわ。人が飲めるものですの?」

「自分達が飲んでもどこも異常はないですが飲みすぎたらお酒のように酔い潰れたりするかもしれませんよ」


 ヒロが言っていたがこれはただのジュースって言っていた。いくら飲んでも身体が熱くなるとか顔が赤くなるといった症状は見られない。ノンアルコールと言えるが、もしかするとカフェインが入っているかもしれないけど。


「では私がほんの少しいただいてもよろしくて?」

「それは」

「はい。私達は構いませんがタカシさんが知り合いからいただいた物なのでタカシさんがいいと言うなら飲んでも構いません」


 ソイドさんの娘がジュースを飲みたいと言われてその回答に困っていると以外なことにミリが答えてくれた。苦手な貴族相手に勇気を振り絞って言ったそうだ。


「なら大丈夫です。この子達がいいと言うなら知り合いもこの子達の為にくれたもんですし」

「コップを持って来てちょうだい」

「お嬢様、このような怪しげな液体を御飲みになられるのは御身体にさわられますよ。どこの誰かとも知らない子供達が飲んでいる物ならなおさら」


 ソイドさんの娘と一緒に入ってきたメイドがそんなことを言った。

 こんなカラフルな飲み物を飲ませたくないのはわかる。何が入っているかわからないし、相手の素性がわからない以上大切なお嬢様に飲ませる訳がない。


「そんな。私の恩人があんなに美味しそうに飲んでおられるのですよ。ほんの少しならいいでしょ?」

「お嬢様なりません。私もそれ以上のわがままは聞き捨てなりません。ソイド様が御心配なられる前に部屋に戻ってお休みください」


 ソイドさんの娘はメイドに飲んではいけないと叱られるとショボンと落ち込んだ。しかし、娘さんどうしてもジュースが飲みたいらしく説得を試みるがメイドの方も曲げることはなかった。それどころか娘さんを部屋に戻そうと説得している。

 お互いの意見を曲げない説得の攻防はだんだんヒートアップしていきソイドさんの娘さんは行動に移った。


「そんなに言うのならいいですわ」

「お嬢様なにを?!」

「これをこのまま飲みます」


 ソイドさんの娘さんはミリが持っていたペットボトルを奪い、中身を勢いよく飲んだ。


「ケホケホ」

「お嬢様、だから私は言ったじゃないですか。飲むのはお止めくださいと。そうなったのはお嬢様の自業自得ですからね。部屋に戻って」

「甘くて美味しいですわ。最初のシュワシュワにビックリしてむせてしまいましたがとても甘くて美味しいですわ。そちらのもよろしくて?」

「いい加減にしてください。飲みましたよね。満足ですよね。じゃあ部屋に戻りましょう」


 ソイドさんの娘さんは炭酸のシュワシュワにビックリしたようだがよく味わって見ると凄く美味しいと絶賛した。

 次にスフィアが持っていたジュースも飲みたいと言い始めたが、ついにメイドさんもキレてソイドさんの娘さんの首根っこを掴んで部屋から出ていった。


「タカシさんなんだったのでしょうか?」

「さぁ、それは本人に聞かないとわからないよ。また誰が来るかわからないから全部飲んじゃって」

「わかった。アルムつぎこれのみたい」

「ユン、あなたも積極的にいかないと飲めないわよ」


 また誰かが来るのかわからないからみんなにジュースを早く飲むように言うが自己主張が乏しいユンはみんなに遠慮して一切口にすることはなかった。

 ジュースはほとんどアルムが飲んだようでアズサやジュンは一口程度で味見しただけ、ミリとスフィアは気に入っているがアルムに気を使ってそんなに飲んでいないようだ。


 中身が空っぽになったペットボトルは水筒代わりになるので捨てずにミリが背負っていたリュックサックモドキの中へ入れた。


「明日はどうする?一応ギルドに行こうと思うけどみんなは何かしたいことある?」

「僕は服が欲しいな。着ている服はこんなだしさぁ」

「そうね。私もアズサと同じく服が買いたいわ」


 ジュンは村の人にから貰った村人の服を着ているが、アズサはミリやスフィアの着替えを着ている。人に借りている服だからか自分ように服が欲しいそうだ。

 元々の予定ではギルドの前による予定だったから別に頼まれなくても買ってあげようとしていた。

 今回の謝礼でアズサとジュンはソイドさんからそれなりの額を貰えるはずだから自分が気に入った物を買うにちがいない。資金が足りないなら出すけど。

 ミリ達はどうだろう?


「アズサ達は服とか買いたいって言っているからギルドの前によろうと思うけどミリ達はどう?」

「私は狩りに行きたいです。せっかくタカシさんに剣を買って貰ったのに全然使っていなかったですし、ルルーンの街外に行った時は魔法の練習ばかりでしたから、ギルドの依頼もしくは森に出掛けたいです」

「そうね。せっかくタカシに弓を買って貰ったのに全然使っていなかったわね。ってそもそもタカシが不思議な力で出会う魔物全て倒しているのだもの今まで使う機会がなかったわ」


 そういえばそうだ。ミリ達にそれぞれに武器を買ってあげたのに危険そうな生き物や怪しい人物を全て排除してきたからせっかく買った武器を使う機会を奪っていたのか。

 反省反省。


「わかった。次は近づいた魔物(弱いヤツのみ)が来たらミリ達が倒せるようにするよ」

「お願いします」

「アルムもまものタオスー」

「アルムちゃん魔物が来ていきなり攻撃魔物打つのはなしだからね。その魔物はギルドに売る物ですから余計なキズがついて買い取ってもらえなかったら困るわよ」

「わかった!」


 アルムによる炎の魔法で出会い頭に魔物を丸焼きしたことがあったからそれを懸念したスフィアはアルムに言い聞かせている。

 俺の念力でアルムの魔法を反らすことが可能だからアルムが攻撃魔法を打っても大丈夫。魔物を生きたまま念力で操って躱したように見せかけることも可能だ。

 ミリ達と戦わせる魔物は弱いヤツだけにするつもりで強いヤツが近づいてきたら即効首のへし折るつもりだ。


「ミリちゃん達なんて言っているさぁ?」

「ギルドの後に狩りに行きたいって」

「そもそもギルドってなんなの?」

「こちらの世界で言う仕事の仲介しているみたいなものかな。俺達みたい子供はほとんど雑用をやらされるらしいけど大人は護衛とか魔物を狩る仕事をやっているよ」

「魔物を狩る仕事ってなんかゲームみたいだね」


 ゲームのように魔物を倒しても魔物の死体が金に変わることはないけど魔物の中にある魔石は良い値で買ってもらえる。

 俺達の収入源の半分は魔物を狩って手に入れた魔石を売ったものだ。だから冒険者になってから一週間雑用なんてしたことなどない。

 前の街で泊まった宿の値段で計算すると数十年程働かなくても7人で生きていける十分な貯金はあるが、たったの2年だ。人生は数十年以上続いていくから継続して稼がなくちゃいけない。

 森に入ってちょいちょいと数体の魔物の死体を持ち帰れば5000ニヤドなんてすぐだろう。それに今回の件の報酬もあることからな。


 常に大金を持ち歩くなんてなんだか怖い。どこかに銀行みたいな施設あるのかな?

 ギルドの人に聞いてみるか。

次回もお楽しみください

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