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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第四章 不老族
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ヘッグナ子爵家

「そうか。子供なのに冒険者の証を持っているんだし魔法とかがすごいんだろう。お前以外の滞在証の発行でいいんだな」

「はい、それでいいです」


 騎士の人はあんまり信用してくれなかったので冒険者の証を見せたら少しは信じてくれたようだ。アズサやジュンが嫌がるからバーコードの腕輪はまだ見せていない。


「俺がいいと言うまで一人づつそこの水晶に手を乗せてくれ」

「さいしょはアルムがやるー」


 騎士は棲みに置かれた紫色の水晶を指した。

 まず最初はアルムだ。

 一番最初にやりたいと駄々を捏ねたので俺が抱えてアルムは水晶に手を乗せた。

 水晶から青白い凄い光が発した。


「なんなんだ。この魔力は。その子は普通の人の子供なのか?魔族の血が混じっているじゃないのか」


 騎士の人は光出した水晶に驚きを隠せないでいる。水晶が光ったくらいで驚き過ぎる気もしないがこんなに眩しく光出したことと騎士が驚いたということは異常なことなのではないだろうか?

 前にアルムが撃った魔法も威力が高かったからアルムは将来大魔法使い、凄い魔法少女になるかもしれない。


「おにいちゃんアルムすごいー?」

「うん。凄いよ。こんなに綺麗な光を出せるなんて凄いよ」

「エヘヘ。おにいちゃんにほめられた」

「凄いですよーアルムちゃんこんなに光を出せる人なんてなかなかいませんよ」

「アルムちゃんがこれ程出せるなら私はこれ以上の光を出さないとね。アルムに魔法を教えるなんて言ってられないわ」


 可愛げにそして無邪気に喜ぶアルムを見て和んだ。

 水晶の光を見てミリは感心して、スフィアはアルムに対抗意識を燃やした。


「タカシあれはなんなのよ」

「なんかの測定器みたいだね。俺も詳しくはわからないが魔力でも測定しているんじゃないか?俺の予想だけどね」

「へー魔力をね。僕らはどんな光を出せるんだろうね」


「気を取り直してよしと次だ」

「次私行くよ」

「次はエルフか」


 次はアルムに対抗意識を燃やしたスフィアが水晶に手を乗せる。

 水晶はアルムと同じくらいの光を出した。


「く、アルムちゃんと同じくらいわね」


 スフィアは水晶を見て少しはがっかりしたようだ。


「流石はエルフ。さっきの子と同じくらいの光だ。しかし、さっきの子は人の子供にしてはエルフと同じくらい出したな。もしかしたら腹違いの姉妹かもな?」


 騎士の人は一人でぶつぶつと言っている。俺には騎士が何を言っているのか全て聞こえているが他の子には聞こえていない。


 スフィアは種族柄もともと高い魔力を持つ種族だったらしく、スフィア場合騎士はあまり驚かなかった。アルムが水晶に手を乗せた光は本当に異常なようだ。そして騎士はアルムのことをハーフエルフと解釈したようだ。


「次は私が行きますね」

「猫の獣人か。まさかこの子も凄い魔力を持っているのか?」


 ミリが水晶に手を乗せた。しかし、水晶は淡く光っただけだった。


「アルムちゃんやスフィアちゃんのように光りませんでした。やっぱり少し魔法を教わるだけで変わることがないようですね」

「良かった。この子は普通のようだ」


 アルム達のような光がでなかったことにミリはがっかりした。ミリは以前にこの測定をやったことがあるようで前と同じ結果だったらしい。

 詳しいことはあとで聞いてみよう。

 騎士はミリが普通の子供ほどの水晶の光だったことにホッと息をついた。


「次は私達の番ね」

「じゃあ僕から先にやらせて貰おうかな。ここに手を乗せるだけでいいのかな?あれ?光らないな。ふん、って力を入れたりすればいいのかな?」


 不老族組はアズサが先に水晶に手を乗せたが全く光らなかった。力んだりしても水晶には反応がない。


「ん?さっきあれほどの光を放ったから壊れたのか。どれ」


 水晶が反応しないことに不思議に思った騎士の人は水晶を調べたが、水晶は騎士の人が触れたらアルム達程ではないが強い光を出した。


「壊れているわけではなさそうだ。もう一度乗せてくれ」


 騎士の人が言ったことをアズサに伝えてもう一度水晶に手を乗せてもらうがやはり反応がない。


「魔力がないのか?次の人も頼む」


 騎士はアズサが魔力がないことにしてジュンに水晶を触れてもらうことを言われたのでジュンにそれを伝えて水晶に手を乗せてもらった。

 アズサ同様に水晶には反応がなかった。


 試しに俺も手を乗せてみたが水晶に反応がない。

 異世界人は魔力がないらしい。


「魔力がない人って本当にいるんだな。初めて見た。いや、すまない。そう落ち込まないでくれ。たまに魔力が全くない人がいるから。ほらあれだ。噂によると有名な不老族は魔力がないって話しじゃないか。だから魔力がないことは別に変じゃないんだ」


 騎士の人は俺達不老族組に同情して励ましてくれているがアズサとジュンは言葉が通じないから伝わっていない。


 不老族は魔力がない認識のようだ。不老族スキーなミリとスフィアはそんなことは言っていなかったからマイナーな認識なのかこの人だけの認識なのかはわからない。


 ただ確かに言えることは俺達には魔力がない。そして俺達の能力は魔力的なエネルギーとは別のエネルギーによって現象が発生しているようだ。地球とこの世界の現象のエネルギーの法則が違うみたいだから異世界人の俺達が魔力がないのは当たり前と言える。

 騎士の人が知っているならヒロ達の組織は把握済みなんだろうが、俺達の能力の根源についてはわかっているのだろうか?


「俺達異世界人は魔力がないようだから気をがっかりしないで。地球と法則が同じとは限らないし、俺達には能力があるじゃないか」

「そうなのね。私達には魔力がないのね」

「地球人は魔力がないのか。それは残念だよね。漫画のキャラみたいにバンバン魔法を撃ちたかったよ」


 アズサとジュンだけ小声で異世界人である俺達が魔力がないことを伝える。水晶の結果でテンションが下がっていた二人は魔力がない理由を知って水晶の結果を受け入れた雰囲気だった。


「全員魔力測定が終わったな。次は軽い質問に答えてもらう」


 質問は犯罪歴が無いことや王都に滞在理由を聞かれた。アズサとジュンは言葉が通じないから俺が通訳として受け答えをした。

 騎士の人にお金を渡して全員が終わったと思って詰所から出ようとしたところ扉の側でショボンと立っているユンが目に入った。


「ユンごめん忘れてた」

「タカシひどーい」

「忘れるなんてユンちゃん可愛いそうだよね」

「忘れていたのですか?」

「おにいちゃんわすれていたの?」

「ユンちゃんのこと忘れていたんだ。ユンちゃんもやっていたと思ったわ」


 君らは気づいているならなんで言わないんだ。ユンは忘れられているなって思ったら自己主張をしろ。


 ユンも水晶に手を乗せて魔力測定してもらったミリより弱い光だった。元々自己主張が乏しい子だから結果を知って落ち込んだのかはわからなかったが本人はどことなくこんなもんかって感じだった。

 騎士の人の質問は首を縦横に降って肯定否定を表して答えていた。


 この世界も首を縦に降るは肯定、横に降るは否定なのは同じようだ。


「ふぅ。やっと終わった。思ったよりかかったな」

「元々はタカシがユンちゃんを忘れたのがいけないのよ」

「私は人数が多いですからしょうがないと思います」

「ありがとう。ミリは優しいな」

「でも何も問題が出なくて良かったな」

「そうね。タカシ達が不老族だと知られたらもっと時間がかかったと思うわ」

「門番には見せたから問題ないだろう」


 門番経由で王族貴族には王都に不老族が来たって伝わるだろう。それでめんどくさいことにならないといいけどな。

 変なのが来て排除したら問題に成るのだろうか?来たら来たでその時に対応を考えればいいだろう。

 ソイドさんに丸投げしてもいいかもね。


 詰所から出てソイドさん達が待つ広場の噴水前に向かう。待っている場所がなんでわかるかというと前もって視界を飛ばしてどこにいるのか探したのである。

 俺達を待っていたようで後少し遅かったら騎士や冒険者に様子を見に行かせると話し合っていた。


「タカシ遅かったな。問題でも起きたのか?」

「はい、子供だけだったので時間がかかりました。何とか通してもらいましたがペンダントを盗んだのか問われました。バーコードの腕輪を見せたら納得してもらいました」

「解決したならいい。何か問題が起きたら我輩の名前を言え。王都の大抵の者は引き下がるだろう」


 言質を取った。面倒が発生したらソイドさんに丸投げしちゃおう。問題の限定になるけど。変な貴族が言い寄って来たらソイドさんの名前を出して切り抜けよう。


「タカシ達は今夜は我輩の屋敷に泊まるといい」


 おや?依頼は王都まで送るはずじゃないなかったけ?まだ続いている?それとも依頼が終わってお礼と親切心で泊まれっているのか?

 初めての都市だ。馬いない馬車で王都を歩き回ったら目立って変なのに絡まれるかもしれないし、それに勝手がわからないのもあるし、ソイドさんの屋敷に泊まるのもいい。

 貴族の屋敷にあまり泊まりたくないミリには悪いがソイドさんに甘えて泊まらせてもらおう。ソイドさんは王都ではなのありそうな貴族みたいだし、ミリとスフィアは貴族の提案は断れないからしょうがなく泊まるだろう。アルムは美味しいごはんが食べられるから喜ぶだろう。

 アズサとジュンは言葉がわからないからあとで説明が必要になるが、良いとこに泊まれるから嫌とは言わない。


「はい、お言葉に甘えて泊まらせてもらいます」

「ではタカシ達くるのであれば屋敷の料理人には腕を振るってもらおう。旨い料理を期待してくれ。料理の前にタカシ達には頼みたいことがある」


 頼みたいこと?初耳だ。それはなんだろう?面倒くさいことじゃなちゃいいけど。

 こんなことならお泊まりを断るんだった。数秒前の自分を恨んでも仕方ない。頷いてしまったからには聞くしかないだろう。


「それはなんでしょうか?」

「我輩の娘の病を治してもらいたい」

「お子さんの病気をですか?」

「そうだ。我輩の娘の病は原因不明の病らしく王都の癒しの魔法使いも医者もみな匙を投げられて、隣街の医者を訪ねてみたがこれもダメだった。諦めかけていたところ立ち寄った村で傷を癒す不老族の話を聞いてな藁を縋る思いでジュンに来てもらおうと思ったのだ」


 そうだ。と言われても病気を簡単に治すことはできない。医者も匙を投げる病気なんだから俺達に頼まれても困る。ジュンがたどり着いた村でジュンが村人を治した噂を聞いたと。ジュンがその病気を治せる保証がないのにそれほど困っていたってこと?

 聞いてみるだけ聞いてみよう。ジュンとアズサがいることだし、もしかしたら治すことが出きるかもしれない。


「それはどんな病気なのでしょうか?詳しく聞いても?」

「ああ。最初はただの風だと思って薬を飲ませてたのだが治らなく。日が経つたび症状が悪化するばかり。今は高熱せいで朦朧とした意識で寝込んでしまった。ヤブ医者どもから聞いた話で我輩がわかることはここまでだ」


 普通の風だと思って薬飲ませても治らなかった。そして症状が悪化したと。この世界の薬がどこまで治せるかわからない。

 地球では病気の研究して何の薬が効くのかわかっていた。病気に感染しないように予防対策していたと聞いたことがある。一緒に住んでいるソイドさんが感染していないところ見ると空気感染ではないと思うけど。


「わかりました。治せるかわかりませんがアズサとジュンに話してみようと思います」

「頼む」


 アズサ達にソイドさんから聞いた話をそのまま話した。


「娘さんが病気になったのね。病気だから僕は何も役に立たないから無理だね」

「病気なら私に任せなさい。どんな病気でも私の能力で治してあげるわ」

「治せるのか?医者も諦めた病気だぞ。そもそも何の病気なのかわからないのにそんな自信満々で大丈夫なのか?本人を前にしてやっぱり無理でしたはやめてくれよ?」

「大丈夫、大丈夫。私の能力は欠損は治せないけど病気の治療は得意だから私に任せて」

「そんなに自信があるなら治せるって言うぞ」


 ジュンは本当に自信があるらしく、病気の治療は任せてくれとのことらしい。ジュンの能力について知らない部分があるからウイルスや細菌を無力化が出きるかもしれない。軽い傷も治せると言うことだから任せることにしよう。


「話してみました。問題なく治せるそうですけど期待はしないでください。何もわからない病気なので治る保証ができないので」

「わかった。普通は病のことは何もわからない状態だからな我輩は期待はしないぞ。ただこれ以上悪化させないことは約束してくれ」

「はい、わかりました」


 早速、ソイドさんの屋敷に向かった。


 王都の街並みは立ち寄った街と同じような建物ばかりだったが人の数は倍以上いた。首都だけのことはあるらしく王城と思われる建物も絵本で描かれていた城に似ていた。

 街道を進むたび、歩く人々、窓から覗く人、馬車に乗った人全て俺達を見ていた。


 やっぱり、王都でも馬がいない馬車は目立った。

 目立っているのは困るが、普通の馬車同様に馬に引かせるのは今更って感じである。俺は馬の世話は面倒くさい。それに馬を手に入れる為にお金が掛かる。飼っても餌にもお金が掛かる。

 俺が引っ張った方が倍の速度で走れるから馬を飼う必要がない。馬がいない方がデメリットが少ない分、目立つ

 目立つと言うことはトラブルに巻き込まれやすいことになる。それも面倒くさいが背に腹はかえらないから起きるトラブルは対応するしかない。


「ここだ」


 ソイドさんの屋敷に着いた。

 アシュティアの屋敷に何処と無く似ている。回りの屋敷も似ているが同じ国の中だから屋敷はどれも同じように見えるのは当たり前か。


「旦那様お戻りになられましたか。随分と遅いかったようで?」

「途中で盗賊どもに襲われてな。それよりも客人がいる。泊まる部屋の用意や料理を頼む。それとリッカの容態はどうだ?」

「旦那様が出掛けてから変わらず寝込んでおります」


 玄関前に執事らしき人物が待っていてソイドさんと話している。ソイドさんは執事に娘の病の現状なんかを聞いていた。


「そうか。タカシ、我輩の娘のこっちの部屋にいる。着いてきてくれ」

「はい。こっちだって」


 俺達はソイドさんの後に着いていく。


「旦那様其方の方々はどちら様でしょうか?」

「帰りの途中で出会った不老族だ。これからリッカの容態を見てもらう。自己紹介は後回しだ」


 ソイドさんに案内された部屋は俺とアズサにジュンの不老族組だけだ。ミリ達は部屋の外に待たせている。

 部屋の中には苦しそうに顔を歪めて眠る少女が寝ていた。

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