王都に到着
屋敷に到着してすぐに貴族一家+ソイドさんとの朝食しまた。
貴族の家族は奥さんとミリぐらいの男の子が一人いた。その男の子は俺達と一緒に食べるのが嫌だったのか俺にガンを飛ばしてきた。みんなは気づかなかったけど俺はあらゆる角度から部屋の中を見られるから気づくことができた。最初は見てるなって思っていたけどその男の子を近くで見てみると俺を睨んでいた。
どうでもいいから気にしていなかったけど。
「ごはん美味しかったね」
「そうね。薬臭くないないからお腹いっぱい食べちゃったわ」
「そんなに美味しかったのならおかわりすれば良かったのに。あっちも喜んだと思うよ?」
「だってあんな煌びやかだとは思わなかったもん。あんな空気だったしさ」
「そうだね。ミリちゃん達は可愛そうなくらい居心地悪そうだったもんね」
ミリ達取って貴族の朝食に呼ばれることは別の世界の暮らしレベルだから身構えちゃうんだよね。俺達のようにほぼ無知ならまだしもある程度の貴族について教えているならあんな風になっちゃうよね。
アシュティアの家に呼ばれた時もアルム以外緊張してたよな。
その反対にアズサとジュンは目の前の朝食を楽しんだ。向こうは持て成しと顔合わせのつもりなのだろうけど二人はその意図を気づかないでバクバクと食べていた。当然ながら二人は言葉通じないから貴族の質問は全部俺が答えた。そのせいで朝食がほとんど食えなかったよ。
朝食が終わり、今は控え室のようなところに雑談している。メイドさんが準備した紅茶とお菓子を食べながら。
どうもメイドさんの話しによるとソイドさんの準備をしているらしい。
すぐに出発するとは思っていなかったから別にいいけど、お菓子とか美味しいし、ミリ達が美味しそうに食べているから後数時間程度なら待てる。
「あのタカシさん」
「どうした?」
「貴族様に招待されないようにしてください。私があの場にいるなんてあり得ません。貴族様とお食事なんて心がもちませんよ」
「ミリちゃんの言うとおりよ。あの場の雰囲気の中で食べるなんて私達には無理よ」
ミリとスフィアの意見に肯定するかのようにウンウンとユンも首を縦に振っている。
ユンは初めて貴族の屋敷に入ったらしく。びくびくしながら俺の後ろにミリと一緒にピッタリくっついていた。真っ青な顔のまま出された料理は全然食べていなかったようだ。
今も顔が青いままで固まっている。あたかも自分はこの部屋の空気だと自分に暗示かけているかのように。
ユンは屋敷から出るまでこのままだろうから屋敷から出たら果物をあげよう。
「それは無理じゃないかな?俺達が不老族であり、これが有る限りこれからも何度か招待されると思うよ?」
バーコードの腕輪を指した。
これをつけているから不老族と認識されてすり寄って来ると思うんだ。この世界では不老族は不思議な力を持ったヒト族に似た種族との認識だから好奇心で不老族がどういう種族なのか確かめるとかならいいけど、不思議な力を悪用しようと考えている人達も少なからずいると思う。
だからこれかも何回かは招待される。良い意味でも悪い意味でも。
「タカシなんの話しなのさ?」
「いや、ミリ達に貴族の屋敷に招待されないでくれって言われてさ」
「なんでさ。こんな美味しい物を食べられるんだよ。いいことばっかりだよ」
「雰囲気が苦手なんだって」
「雰囲気かそれは仕方ないね」
「でも前に大きな街に住む貴族に招待されたんだよね?」
「そうだよ。その時はフォスティアって言う女の子がミリ達に昔からの友達のように話しかけてきたからさっきよりは酷くなかったよ。その子はいろいろ特殊な子だったけどね」
俺達とは別な意味で特殊な子だった。地球で一度死んでこっちの世界で転生した女の子だったし、フォスティアのおかげでこの世界が異世界だと言うこともわかったから。
それ以外は普通の女の子で魔法の力も普通の子より弱いって言っていたな。
「その子ってまさか」
「その子は不老族じゃないよ。ジュンが思っていることと全然違うと思う」
「どういう意味でその子は特殊な子だったのさ?」
「ここでは言えないよ。その子に対してプライバシーの侵害になっちゃうし、それよりもここで変なことを言うとあの子の立場が危うくなる恐れがあるから簡単に言えない」
この世界での宗教感が全くわからないからメイドのいる前であれこれ言ったらフォスティアが悪魔や悪霊が宿っているって言われて問答無用で処刑されたら友達として見過ごせない。
第三者の前ではできるだけ情報を抑えるようにしないと。
その後、タカシ達のお茶やお菓子を出していたメイドがタカシから聞いたことをアネン男爵に報告した。そして貴族達の間でフローレイティの子は不老族が一目置く不思議な力を宿しているとすぐに噂が流れた。
噂を聞いた貴族達はフローレイティ家に大量の求婚の申し出が送ることになるのは一月後のことだ。
タカシにはアシュティアとフォスティアとの再開するまで知ることはない。
「プライバシーってこの世界でその理屈通ると思ってるの?もったいぶっちゃってすごく気になるじゃない。ここで話せないなら後で話してよね」
「僕も気になるから僕にも話してね」
その後、ソイドが来るまでタカシ達は雑談を楽しんだ。
タカシ達が貴族の屋敷で楽しんでいる間、屋敷の外ではソイドが雇った冒険者が集合しており、外でソイドの準備が終わるのを待っていた。
タカシは外で待つ冒険者に気づいていて疑問を思っていたが、冒険者が自分達と同じ理由で待っていたとは心にも思わなかった。
「タカシ待たせてすまない」
「いえ、美味しいお菓子が食べられたので待ったとは思っていません。朝食までご馳走になったので」
「そうかそうか、馬車はすぐに出せるのか?」
「はい。いつでも行ける準備整ってます」
「では王都へ行くとしよう。アネン男爵世話になった」
「困った時はお互い様でしょう。ヘッグナ子爵のおかげで不老族との顔合わせができましたのでお礼を言いたいのはこちらですよ。また王都の夜会でもあった時にでも」
「あぁ、わかった」
ソイドさんは貴族との別れをすました。
「タカシとやら、この街に訪れたら歓迎しますよ。お連れの方も、知り合いの不老族でも」
「は、はい?」
貴族に変なことを言われた。困った時は頼ることになるかも知れないが、できればこの人とはあまり頼りたくはないと思った。
昨晩のストーカーヤロウはコイツの手下かなんかだろう。俺達が泊まった宿にコイツのメイドが来たことから見て、街の中で常に見張られていたのは確かだ。
胡散臭いから関わらないようにしよう。
貴族の屋敷を出たら馬に乗った騎士数人と豪華な馬車があった。
たぶんソイドさんは豪華な馬車に乗るだろう。
ふと思った。俺達はもう不要なのではないのだろうか?
自分達が乗る豪華な馬車は自分達で確保している。自分を守る護衛もいる。乗り物と安全面が確保しているから俺達が付いて行く意味がないのではないのだろうか?
雇われたからにはそういうのは言わない。目的地も同じ王都だ。別々で行く意味もない。
ソイドさんは豪華な方に乗るからミリ達とユン達の心労が軽くなるだろ。
歩いている騎士や冒険者の歩幅に合わせてゆっくりとした速度で街から出発した。
このままの速度で行くと三日後に王都へ到着する予定で、ゆっくりとしたペースで進むしかなさそうだ。
俺が本気を出せば今日中に付くが歩いている人もいるので全力疾走の衝動を抑える。
あまり変わらぬ景色を眺めながら俺は視界を飛ばした。変わらない景色に飽々して暇潰し、周辺の索敵を始めた。
辺りに広がる草原は見晴らしが良く、近づく物があればすぐに発見できるが、見逃しがあるかもしれない為に岩影や地割れの隙間などの見るが特に何もない。
あっても兎や小鳥などの小動物しか見当たらない。
危険な魔物とかはいないし、人影すらいない状況だ。
こんな時間が三日も続くかと思ってしまう。平和なのはいいことだが。
1日目は特に何事もなく野営になった。
夕食の時間、騎士の人が作ったスープは味気なかったので次の日は食材を渡そうと思う。干し肉などの具材が何種類か増えれば美味しくたべられるだろう。
朝も似たような物なら果物を出して見ようと思う。
寝る時は馬車にミリ達やアズサ達に譲った。荷物で狭苦しいと思うが地面で寝るよりはマシなので我慢してもらいたい。
俺は地面で寝たり、冒険者や騎士達と一緒に焚き火を囲んで話を聞いたりと過ごした。
2日目も何事もなかった。
朝は予想通り騎士が作ったスープだったので果物を全員に配った。明日には王都着くから今ある果物を消費しても王都で補充すればいいし、失礼かもしれないが質素なスープよりこっちの方が腹が満たされるんだけどね。
道中も昨日と変わらずなにもなく順調に道を進んだ。
夜、夕食担当の騎士に干し肉を渡した。騎士は干し肉を噛り味を確かめてから喜んで受け取ってスープの中へ入れた。
そのスープは味気ないのは変わらなかったが昨日のスープよりマシな味だった。騎士や冒険者の一部は具材があるのに気づいて喜んでいたが、お店の物と比べて普通に不味い。
夜も昨日と変わらずミリ達は馬車で寝てもらった。
俺は最初から騎士の話に付き合った。明日のお昼辺りに王都が見えてくるそうだ。到着が夕方前に着くのこと。
3日目の朝はスープと果物の朝食を食べてあともう少しで着く王都へ目指した。
道中は変わらず平和な物で魔物の影すら見かけなかったがちらほら馬車などすれ違うことが増えた。朝一で王都から出発した行商人の馬車だそうだ。その後、お昼に近づく時間に王都の城壁が見えてきた。
騎士から聞いた通り夕方前には王都に到着した。
今度は間違えないように貴族用の門ではなく、冒険者達と一緒に普通の門から延びる列に並んだ。
さすが王都というべきか、列に並んだ人数も凄まじい。そしてじろじろと俺達を見る視線、馬車に馬がいないから珍しげに見られている。
俺やミリ達は見られる理由を理解しているから気にしていないが、大勢の視線が気になっているアズサとジュンはモジモジと居心地が悪いようだ。
「なんでさ、みんな僕らを見ているのさ?」
「馬がいない馬車が珍しいからだろう。そのうち見飽きると思うから今のうちは我慢してもらいたいな」
「我慢できるわけないでしょ。こんなにジロジロ見られているんだから」
「騒ぐなよ。さらに目立つだろ。順番が来るまで静に」
ジュンが騒ぐからさらに視線が集まるじゃないかな。これ以上騒ぐと門番が様子見に来るじゃないか。列の一番後ろにされたらジュンのせいだからな。
視線に我慢しているミリ達を見習ってほしい。
ん?珍しげではなく羨ましいそうにおっさん達が何人か馬車を見ているな。なんでだろうか?
こういう馬車を見たら魔法具なんかと思われるとミリとスフィアに言われたから他にも似たような物があると思われる。
「次!」
俺達の番が回ってきた。
俺達の前に並んだソイドさんに雇われた冒険者はすんなり入れたから俺達もすぐに入れるはずだ。
「子供ばかりか?それに馬が引かない馬車だぞ。これどうやって動いているんだ」
「さっきの冒険者連中が言っていた『不老族が引く馬車って』こういうことだったのか。それより身分を証明できる物を提示してもらいたい。ないのなら一人辺り銀貨一枚かかるが滞在証を発行する」
門番の人達に俺達が乗る馬車に戸惑いながらも職務上の身分証明を提示を求められた。
「はい」
「証明証はお前だけか?それにこれは?」
「それは貴族家の紋章だぞ。こんな子供が持っているわけない代物だぞ。お前誰から取ったんだ?」
冒険書の証とアシュティアのお父さんからいただいたネックレスを出したが門番達の様子がおかしい。
ネックレスは出さなかった方が良かったのか。前の街ではすぐに入ることができたのにおかしいな。
あの時はソイドさんや騎士の人達と一緒だったからすぐに入れたのかもしれないな。
門番の話を聞いて思ったことだが冒険者の証は俺個人だけの証明証で俺以外はお金がかかるようだ。
それも当然か、一人の証明証一つで何人も街の中に入れたら問題になるか。指名手配されている犯罪者やテロリストがこの方法で自由に入ることができることになる。
一人一人確かめてから街の出入りの管理しているのかもしれない。穏便にすませるためにそういうルールなら黙ってお金を払うしかないがネックレスを見せてしまったことでややこしい状況になった。
「貴族の娘を助けたお礼に貰った。それに俺達はこれだ。アズサ、ジュン、バーコードを見せつけろ」
「わかった」
「こんなの見せても意味ないんじゃないかしら」
「シマシマの腕輪だと」
「その腕輪は本物なのか」
門番にバーコードの腕輪を見せつけた。バーコードを見せる時ジュンは嫌そうだった。
気持ちはわかるけどこの状況を切り抜ける為にはしょうがない。我慢してほしい。
門番は予想通りの反応だった。
「これでわかりました?俺以外は身分証を持っていないから滞在証を出してください」
「わかった。入ったすぐに詰所がある。そこで一ヶ月の滞在証が発行できるから必ず寄ってくれ」
「滞在証がなかったら罰金になるから忘れずにな。それと王都に住む場合は滞在証じゃなく住人証で申請するんだ」
「ありがとうございます」
一騒ぎがあったが何とか通して貰った。
「タカシ?あの門番なんて言ってたのよ?」
「ジュン達の身分証がないから詰所で滞在証を発行して貰えってさ」
「そんな雰囲気に見えなかったよ?門番の人バーコードを見て驚いていたけど?」
「不老族はそれだけレアな種族なんだろう。今から六人分の滞在証を発行しに詰所に寄るぞ」
今、王都に住む気はないからとりあえずはミリ達の滞在証を発行して貰うか。入ったらすぐに詰所があるって言っていたけどあれかな?
一騒ぎがあったから時間かかるな。ソイドさん待っているかな?冒険者達が説明してくれることを願おう。
さらに時間がかかるなら様子見に騎士を行かせるだろうし、ぱっぱと滞在証を発行してもらおう。
あそこが詰所かな?
聞いていた通り門を通ってすぐに複数の騎士がいる建物が見えた。入り口近くに馬車を止めて入った。
「すみません。滞在証を発行してください」
「ハイよ。って子供ばかりじゃないか」
「そうですが?俺は冒険者の証を持っているのでこの子達の滞在証を作ってください。外で待たせているんで早めにお願いします」
「わかったよ。外で親御さんが待ってるんだろ?親御さんの仕事の手伝いか?」
「待ってるのは親ではないですが、仕事で来ましたね」
詰所にいる騎士はなんかと勘違いをしているようだった。訂正するのがめんどくさいかったので勘違いしたままにしてもらおう。
待ってるのは親ではなくソイドさん達で一応仕事で来たから嘘ではない。




