「閑話3」ウドターン
植物達が地上を支配するとある惑星。
『私に我が子が宿った。我が子為に栄養を取らないと』
鮮やかな葉を生やしたウドターンは枝に念願の我が子が宿ったことに歓喜した。
子が200年もできなかった。花を咲かせることがあったがその先はどうやっても200年間できなかった。
村に住む物同士で花を擦り合えば花が子になるのだが、我の場合はならなかった。擦り合わせた相手はみな枝に子を宿したとしたと言うのに我だけは村に住む者全員と擦らせたがどうしてもできなかった。
さすがに50年も満たない子供と花を擦らせたのはまずかった。そのせいで皆を怒らせてしまい村から追い出されてしまった。
村に居られなくなった我は旅に出ることになった。そして他の同族の村に10~30年ほど居座り村人全員と花を擦らせては村から出るのを何度も繰り返したが我に子供ができることはなかった。
我は最後の手段として異種族にも手を出してしまった。異種族と言っても葉の形や葉の色が違うだけでそれ以外は我と似ている種族だ。
友好な異種族の村でも手当たり次第に花を擦らせてようやく我にも子が実った。相手は40年前後の幼子だった。
その幼子のお陰で我は実ることができた。今までの旅の中に相手を実らせた同族と異種族合わせてその数500は超えた。
異種族との間の子だ。相手は40年前後の幼子だ。
どんな異形で生まれてこようとも愛そう。愛しの我が子。
『我が子よ。長くは一緒に居られそうにない。長旅の末に我は病になった。酷く残念だ』
枝を使い愛しの我が子を撫でる。
『ん?見たことがないトンムだな。我が子の為に食わせてもらおう』
我の目の前には見たことがないトンム(生き物)が待ち構えていた。トンムは全身に滑らかな光沢の金属状に包まれており、そのトンムを捕まえて食べようと枝を伸ばした。
気づけば狭苦しい箱の中にいた。
訳がわからなかったが、幸い我が子が無事なのは救いだった。
時間が過ぎて実った我が子が落ちた。
我々ウドターンは親の枝から落ちて数日の間、実の状態で光を食らい成長する。実は樹皮に覆われ、枝を生やしそこから葉を生やしていき、成体へと姿を成長させていく。
ただ心配なのは食糧の問題だ。
狭苦しい箱の中は当然食べられる物は見当たらない。
我が子の為に箱を内側から破壊して脱出した。箱の外は部屋があって、我が入っていた箱と同じ箱がいくつも並べられていた。
我が箱に入れられたことを考えるとあの箱の中にトンムが入っていると考えられる。
我は片っ端から箱をこじ開けて食糧を確保した。
月日が流れて我が子が自力で動けるようになってからは狩りの仕方や言語など教えた。
そしてある日のことだ。部屋の一部が消失した。我々は部屋から出てみると辺り一面が我らに似た物体が広がっていた。
枝で触れてみるとその物体は生きていた。しかし、自らの意思では動けないようだ。問いかけてもなんの反応がない。ただそこにあり生きているだけのようだ。
我々はとても遠い場所に来てしまった。
我が死ぬまでこの地で生きていく術を我が子に叩き込むことにした。




