「閑話1」少女がたどり着いた先(ユ-ジュン)
今回は三つ短編で投稿しました。
ガタッゴドッと聞きなれない音に揺られながら私は目が覚めた。
昨晩のことを思い出すと震えが止まらなくなる。
そもそもあれはタカシが悪い。不良品の銃を私に渡すなんてアイツの頭がどうかしてる。実験のやり過ぎでおかしくなったに違いないわ。
銃には残り二発しか入ってなかった。試し撃ちに一発魔物に向けて一発でマガジンが空になった。ろくに触れたことがない銃に詳しくない女の子に残弾を考えろなんて無理がある。
彼女は最後の一発を魔物に向けて撃った。魔物は発砲音とノズルフラッシュに驚いて逃げ去って助かった。
「野生動物があんなに恐ろしいなんて知らなかった。でもあの人達と同じ目をしていた」
彼女に取って自分を餌としか見ない魔物は被験者である自分を実験台としか見ない研究者達と変わらなかった。
大きな違いは自分が生きる為に彼女を食べると言う目的があり、魔物方がマシであった。
「*********************」
「えっ?人の話し声?」
彼女は体を起こして周囲を見渡す。
彼女がいる場所は薄暗い馬車の中だった。
光が漏れている隙間に向かって這って顔だけを出して外を伺うことにした。
ひょっこりと外を覗くと重そうな金属の服を着たおじさんが汗を搔きながら歩いていた。
おじさんは私に気づいてニッコリと微笑んでくれた。
「**********、**********」
「おじさんが言っていることが全然わからない。どこの外国語?私遠い国に来たの?」
話が通じない場所だから研究所から遠く離れた土地にテレポートできたことは確実だが、自由を手にしたもののこの先どうやって生きていこう。
自分の能力を活かしてヤブ医者紛いな仕事をして生活費を稼ぐことを考えていた。
私は乗り物に乗っているようだ。それも車ではなく古臭い馬車に。
「******?**************?*****.***」
「*―*?*********?」
おじさんも言葉が通じないことを理解して誰かを呼んだようだ。
おじさんが呼んだ人物を見て私は目を疑った。
呼ばれて来たのは若い女の人なのだが、なんとその人には犬に似た尻尾と耳が付いていた。
女の人は私に気づいて好奇心が刺激されたかのように見つめられた。しかし、話しかけられたが女の人の言葉も全然わからなかった。言葉がわからないことがわかると女の人はあからさまにがっかりした。
なんか私が悪いじゃないの。
この国?に来たばかりなんだから言葉が通じないのは当たり前じゃない。悲しそうに私を見ないでよ。
がっかりした女の人はまるでゾンビのごとくフラフラとした足取りで歩き始めた。
そこに誰かが投げた石が彼女の頭に命中して倒れた。
おじさんがなにやら叫んでいるが私は構わず馬車から降りた。
彼女の元へ駆け寄り、すぐさま能力を使って彼女の傷を治して行く。
私の能力は治癒。傷や病気なら治せるけど私はあの娘と違って欠損した部位までは治せない。
数分後、彼女の治療を終えた。おじさんは私より二回り大きな猿と戦っていた。戦っていたのはおじさん以外にもいた。
おじさん達は怪我無く何とか猿を追い払った後、治療した彼女の元へ駆け寄り懐から薬が入っているようなな瓶を取り出したが私が彼女の傷があった場所を見せた。
おじさん達は少し驚いたものの安心したようだ。
私は数日後にたどり着いた村に住むことになった。そして村人達の信頼されるべく最大限に自分の能力を使い村人の病気や酷い怪我を治していく内に村人達から崇拝されるようになった。
私ことユ-ジュンはこの村で生きていく。もし、研究所の人達が来ても村の人達が私を守ってくれるまでの信頼を勝ち取って見せる。




