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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第三章 ルルーンの街
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サイボーグ少女達再び

「はい?なんで俺がお前達の国に行かなきゃ行けないんだ?せっかく手に入れた自由を手放す真似はしない」

「貴方の言っていることは理解できるの。現に私達も貴方の様に研究所から逃げ出したからその気持ちはわかる」

「じゃあ。あそこが俺達にとって地獄だったことを知っているのなら何故?」


 俺が三人に質問しているのはここが本当に地球ではない異世界だと言うことを確証をえる為にカマをかけている。

 研究所から出たことがなく外の世界を知らなかった俺がここが異世界だと気づいていないと三人が思っている。そこで三人にミスリードさせて、その口から異世界だと説明させる。

 ここが地球と言う体で話さなければいけない。


「俺はあの地獄には戻らない。それにこの子達との約束を守らなければ行けないんだ。だからさぁ、連れ戻すのは俺だけ見逃してくれないか?」


 眠るミリ達を見る。


「情に訴えただけで僕達が君を見逃すと思うの?君がこの世界で異常な存在で同じ異常な存在の僕達が力ずくで連れて帰る。ここまでは君は薄々感じていると思う」


 確かに俺はこの世界とって異常的な力を持っている。自分でも理解できない念力で物を動かし、念じただけで炎や氷を出して操ることができる。この世界で言う魔法とかけ離れている力。

 回りは魔法と思っているけどまったくもって説明できなくて、何故俺がこの力を持っているのかわからないが一つの街を軽く壊滅させられるのは簡単に出来ると認識している。


「そんなことはわかっているけれど俺にはやることがあるんだ。だからお前達の所には行かない」

「だから、私達はこの世界にとって害悪なのよ。貴方の力を見た大人達は貴方の力を利用しようと企んでいるかもよ」

「それに君は知らないと思うけどこの世界は」

「待って、二人とも真面目に話しているのはいいけどまだお互いに自己紹介をしていないよ。こちらが敵対していないことをこの子にも示さないと潤滑に進まないと思うの」


 髪の女から水を差される。

 言われて気づいたが自己紹介をしていなかった。


「そうだね。ラニーニャの言う通りまだ自己紹介をしていなかった。失礼しちゃったようでごめんね」


 イケメンが苦笑いしながら謝罪した。


「まず私からね。私はガーナ、見ての通りサイボーグで研究所でサイボーグに変えられたの」

「そして私はラニーニャ。髪の毛で顔を隠しているのは気にしないでね。特に意味がないから。別にブス顔で隠しているわけでも顔を見られると能力が発動しないから本当に気にしないで」

「次は僕か。僕の名前はヒロって言うんだ。気軽にヒロちゃんでも呼んでよ。最後は君が自己紹介する番だよ」

「名前はタカシ。なんて呼ばれても構わない。好きな物は漫画やラノベ、特に種類は無いけど主人公が仲間と共に敵と戦う系が好き」

「お互いの自己紹介が終わったところで、タカシ改めて言うよ。害悪である僕達はこの世界で制限的な暮らしを強いらなければならないんだ。そうじゃないと世界が壊れてしまうから」


 イケメンは「害悪な存在の僕達はこの世界に元々必要じゃない」からと付け加える。


 一人の被験者として語るイケメンは如何に自分達は不必要だと言うがタカシにとってヒロ達の都合など興味はなかった。タカシはヒロ達の監視下にならない自分を殺すことを受け入れている心境だが、自分が死にミリ達との約束を果たせないことを考えるとヒロ達と戦う覚悟をしている。逆に言うとミリ達との約束を済ましたら自分のことは死んでもいいとタカシは思っている。それまでタカシは抗うだろう。


「貴方は知らないと思うけど私達は貴方が思っている地獄の指示で来ているんじゃない。そもそもこの世界は貴方にとって地獄は存在していない」

「研究所がないって言うのかよ。そんな嘘に決まっている」

「嘘じゃないよ。だってこの世界は地球じゃないもの。地球とは違う世界、異世界なの」

「ラニーニャの言っていることは本当のことだよ。だって地球に魔法の概念が存在していたかな。それにこの世界で違和感が幾つか心当たりがあるんじゃないの?」

「違和感?」

「そうだよ。例えば地球に存在しなった人種、地球にいなかった魔物、聞いたことがない言語。ほかにもいろいろ違和感があると思うけど代表的な例で言うとこの三点かな。それらに違和感を覚えたじゃないの」

「そうよ。地球じゃないんだから貴方が恐れていることなんて何もないのよ。だから私達と来なさいよ」

「ガーちゃん。そういう問題じゃないと思うけど」


 ラニーニャって言う女の言う通りこの世界には逃げたして来た研究所が存在しないから自分達と来いと言われ、はいそうですかとはならない。サイボーグ少女、ガーナは人の話を聞こうとしないのはポンコツなのか、俺のことを考えずに自分の言い分を突き通そうとする。俺は最初に言った通りミリ達の約束を果たすまではミリ達と共にいると言っているがどう言うわけか俺の話を聞いてくれない。

 俺が求めていた言葉を聞けた。これでここが地球ではない異世界と言うことを確証が持てた。

 フォスティアとガーナ達はここが異世界だと言っている二方向の視点で同じことを言っていることは信用度が高い。


「どこが違うと言うのよ。タカシが大人しく私達に付いて来れば全て解決じゃないの」

「まぁまぁ、落ち着いてよ」

「違和感か。ここが異世界で獣人、エルフが存在している。この二つの人種がいなかった。けど研究所が頑張れば簡単に獣人とエルフを作れそうだ」

「なんで君は疑い深いのかな。ここら辺に普通に暮らす獣人やエルフ以外にも別の大陸行けば魔族や鬼人と呼ばれる人種もいるよ。世界各地にいろんな人種がいるんだ」

「何が言いたいんだ?」

「これ程までに人以外の人種が分布しているんだ。地球以外に説明できないし、研究所がどれほど尽力を尽くそうとも世界を壊さず、生態系はそのまま状態で世界に広まることは世界がひっくり返しになっても無理なんだ」

「そこに俺達、被験者現れたら生態系の破壊してしまうとお前達はそれを懸念していると」

 俺はこの世界に来たばかりだからどんな変化をするのかは知らないが、最悪の世界が滅びるのは軽く想像できる。

「そうとも。僕達の国ができる前の国がどうなったのか君は知らないと思うけどあれは酷いものだった。僕達という外来種がそこに現れた時、最初は世界にとって小さな異常だったかもしれないけど元々住んでいた人々は僕達の被験者を目を付けた時、隣国に戦争を吹っ掛けて最終的にその国は滅び、その国の生態系が壊れた。数え切れない異常な自然現象。その国に住んでいた人々はほとんど死んでしまった。ある意味僕達が現れたことにより、そこには自然界の空白地帯が出来上がりって訳さ」

「お前達がどれほど懸念しようとも自然は自然で動き続けるからコントロールはできないぞ。そして地球に研究所が有る限りこの世界にどんどん被験者が来るのは止められない」


 ヒロ達がどんなに自然の異常現象を懸念しようとしても自然はそれをお構い無しに異常現象を発生させるし、生き物も進化し続ける。コントロールをしようとも予想外の動きするから完全に操るのは難しいと思う。

 自然の異常現象の引き金を引くように地球に研究所が有る限り被験者はこちらの世界に来るのは止めることができない。


「被験者の保護は私達の仕事だから良い。自然のコントロールはそっち方向の能力の子の仕事だから今はこの世界は安定している。今の懸念は監視下じゃない被験者が起こす問題を懸念しているのよ」

「そんなのタカシくんがこのまま自由にさせておくのは生態系の破壊に繋がる可能性が出てくると判断がくだったの。それほどまでにタカシ君は危険なのさ」


 そうなのか。俺の能力が自然を破壊に繋がるほど危険なのか。だけど俺は元々そちらの意見に従わないつもりでいた。俺が危険と言われようと害悪と言われようとミリ達の約束の前ではそれらのことは無力だ。


「それで危険と分かっている俺を説得しに来た訳か?」

「それは君の性格と人柄で判断して、説得の方が効率的かつ説得側の安全性が高いということで判断されたのさ」


 話が通じるし、狂暴じゃないから説得でいこうと言うわけか。部屋の中じゃ逃げ場は無いからまた逃げられる恐れがないからゆっくりと説得する腹積もりなのだろう。


「説得するで思い出したんだけど君が投げた男覚えてる?」

「投げた男?身体中が宝石でできた人のことか?」

「そうそう。その人ドドッラくんって言うんだけど君が投げた先で当たり処が悪くて」

「そう言えばいないな。まさか死んだのか?」

「いやいや、彼はそこまでヤワじゃないからそれぐらいで死なないよ。でも落ちた先で腕と足を砕いちゃって大怪我してしまったんだ。そのせいで僕が駆り出されることになったんだけどね」


 ヒロが俺を恨めしそうに言う。


 ドドッラが大怪我したことによってこれ以上の行動ができないと判断が下り、強制的に病院に搬送され、ドドッラの代わりにヒロが派遣されることになったのだが、ヒロは拠点で数日は暇だったがドドッラの代わりを言い渡されるまで新作のゲームで遊んでいたからタカシをほんの少しだけ恨めしい気持ちがある。そして顔面を一発殴ってやりたいと考えているがヒロは仕事で来ているから別のやり方でこの鬱憤を晴らそうか審議中なのはタカシに知るよしもなかった。


「私はいい君って思ったけど」

「ガーちゃんこんなこと言っちゃダメだよ。いくらドドッラ先輩のことが苦手だからって仕事仲間なんだからもっと大切にしようよ」

「だってあの人にボコボコにやられたんだよ」

「ガーちゃんだってレーザーでドドッラ先輩を焼いたんでしょ?お互い様だよね?昔のことは引きずらないって前に言ったけどそれはどうなったのかな?」

「トラウマなんだもん。怖かったんだもん」


 ガーナは弱々しくうつ向き、ラニーニャがガーナの頭を撫でる。

 ガーナの中では昔のドドッラとの戦闘は今でも悪夢として見ることがあり、その原因は当時の戦闘はガーナの脳髄に埋め込まれているメモリーに無意識の内に記録されているのが影響してガーナ自身のシステムや本能が自動的に夢で見せているのは等の本人には気づけない。


 無駄に悪夢として時々、無意識のガーナ自身が当時の恐怖と感覚を忘れぬように見ているだけだった。


「生きているなら良かった。これ以上人を殺したくなった」


 タカシはドドッラが生きていることを聞いて内心ホッとしていた。もし、打ち所が悪くて死んだと言われれば少しだけ気持ちが落ち込む程度だが、タカシは数日後、数年後にフワッとこれらのことを思いだしてまた不快な気分に苦しむことになるだろう。

 いい思い出も、悪い思い出も関係なく思い出すタカシに取っては悪い思い、特に友達や被験者を殺す思い出は最も苦しみとして味わい、精神衛生として脳内の地獄と言っても過言ではないだろう。

 そういう訳でタカシは今後に体験するだろう地獄を回避できたのだ。


「生きていることにホッとしている所を見るにドドッラくんにしたことに対して少しばかり罪悪感があるんじゃないの?」

「罪悪感なんて無いさ。あの時は逃げるに必死でそれどころではなかった。それに俺を連れて帰ろうとする知らない奴をお前は信じるのか?」

「確かに自分を連れていこうとする知らない人を信じれって言う方が流石に無理があるよね。私だったら付いて行かないよ」

「ラニーは余計なことを言わないでよ。私達は説得に来ているのよ」

「ガーちゃんごめん。私、少し黙ってるね」


 タカシの言い分に賛同したラニーニャがガッカリして帰るまで口を挟まなくなった。


「君が言いたいことは分かるよ。僕達のことを研究所の刺客だと思ったんだよね?でもあそこまでする事は無いと思うんだ」

「それでも今は俺を無理やり連れていこうとしている口なのか?それとも当たり屋の被害者のように賠償金を払えば許してくれるのか?」


 コイツらの目的が俺を自分達の国に連れて帰る以上全財産を渡しても帰らないのは分かりきっている。


「私を洞窟に閉じ込めたことは私は許していないわ」

「ガーナちゃん、君は無傷だったじゃないか?それに洞窟に飛び込んだのは君自身ってドドッラくんが言っていたよ。それをタカシくんのせいにするのは酷く無いか。それにタカシくん?僕達はお金が欲しくて君にたかっている訳じゃないよ」

「ああ、知っている。グダグダ喋るだけに来た訳なんだろう?本気で連れて帰ろうとしたら俺を眠らしてそのまま運ぶくらいはできるだろ?」


 コイツらが本気で説得して連れ帰るよりも俺を眠らして連れて帰れる方が効率的で楽なのだ。だが、コイツらは最も面倒な説得を選んだ。

 ラニーニャが相手を眠らす能力を持っているのは見当が付いている。オジサン達を簡単に眠らしたが、なのにその選択を取らない。理由は知らないがコイツらは本気で連れて帰る気は無くて、説得で連れて帰れるならラッキーと言う感じなのだろ。


「実はそうなんだ。今回の本当の目的は君の人間性の確認で連れて帰れるなら御の字って感じかな。君の能力はとても危険だけど君の性格上優先度下がった」

「何よ。ヒロ!諦めるつもりなの?」

「諦めた訳じゃないよ。もっと危険な子が他にもいるからタカシくんのことは後回しにするだけさ」

「俺を見逃してくれるのか?」

「そうさ。でも約束して欲しい。君が言う約束を全部果たすこと。それまで僕達は君のことを要観察者として君のことを常に観察する」

「本当なのか」


 とても信じがたいが今回は諦めたくれたようだ。


「ちょっと待ってそんなことヒロが勝手に決めていいの?」

「いいさ。十分な情報を得られたからね。その情報を持ち帰れば上司も文句無いはずさ。じゃあね、タカシまた今度ね」


 ヒロ達三人が一瞬で姿が消えた。


「本当に良かったの?タカシを諦めてどう報告するつもりなの?」

 そして拠点に戻って来たガーナはタカシを保護をしないで自分達と帰還したヒロに疑問をぶつけていた。

「簡単だよ。タカシの危険性と利用法を報告するのさ」

「危険性はなんとなく分かるけど、利用法って?」


 ガーナは今回、タカシと会ったことで得た情報を余すこと無くメモリーに記録したが、本人はただ単に記録しただけで内容を理解していない。

 ガーナのポンコツな所は状況や内容を自分で理解できないのだ。理解できなくてもメモリーに保存したデータを端末に移すことができ、そのデータを解析班に送ればことが足りるので今まで不自由無く保護活動を行ってきたのが幸いしてその弱点をそのままにしてきた。


「あーあ、ラニーニャが言った通りだったよ」

「えっ?私が言ったことって当たっていたの?」

「ラニーが言っていたことってもう一人被験者がいるって話?」

「半分当たっていたけどもう一人は被験者じゃないんだなこれが」

 ヒロはどこからともなくゲーム機を取り出してソファーに座るとゲーム機を起動させた。


「と言うことはあの子達の中に何かしらの能力が持っている子がいるってこと?」

「うーん、それはどうかな」

「ちょっとなんでゲームを始めているのよ。話はまだ終わっていないのよ」

「でもガーちゃん、タカシくんと一緒にいた子達は普通に見えたよ。でもね。他にも意識が感じたんだ。それもタカシくんととても近くに」

「なんだって言うのよ」

「もしかしたら人間じゃないかもしれないよ」

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