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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第二章 遺跡
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街への帰り3(帰還)

 見下ろした俺の前には驚いた顔の宝石男がいた。


「お前、オイラがいることを気づいていたのか」

「気づかなかったが、お前らのことはサイボーグ少女に追われている間攻撃されるだろうと思って注意していた。どう見ても飛べにないと思っていても攻撃、妨害は覚悟していたが先回りしてくるとは思っていなかったから少しでも判断が遅れていたら閉じ込められていたと思う」

「くっ」


 サイボーグ少女をやり過ごした洞窟の入り口が完全に閉じられており、そこからサイボーグ少女が出てくる様子はない。

 悔しそうな宝石男を見るにどうやら洞窟で俺を確保するつもりだったようで利用入り口を閉じた宝石を叩く音が聞こえる。大方、洞窟の中に黒髪で顔を隠した女の人がスタンバっていてサイボーグ少女と共に入って来た俺を眠らして研究所に連れて帰るつもりだったのだろう。サイボーグ少女からの攻撃はとても避け安かったから何か裏があると思っていたけど頭の中はコイツらを捲くことしか優先してい。


 入り口の宝石を解除されてサイボーグ少女や黒髪女が出てくるのは困るから宝石男をすぐさまミリ達がいる方向とは反対側に念力で山なりに飛ばす。


「あーーーーー!」


 絶叫しながらお星様になった宝石男に背を向け、洞窟の入り口を塞いだ宝石にエレメントで氷を生成させ覆う。

 これで当分出てこれないだろう。

 ミリ達からずいぶん離れてしまったが急いで戻れば5分以内には戻れるはずだ。俺は一刻も早くミリ達の下へ戻りたかったがそこに俺より大きいな犬の魔物が数匹現れた。


「少し騒ぎ過ぎたかな」


 犬の魔物達は俺を獲物としか見ておらず、俺を逃せまいと囲まれて逃げ道を防がれた。

 横のグルルと唸る犬の魔物を尻目に俺の正面にいる他とは少し体が大きな犬の魔物(群れのボス)の脳天に念力を使って落ちてた木の枝を複数ぶっ指して絶命させる。


 いきなりボスがやられ狼狽する犬の魔物は逃げずにその内の二匹が飛びかかるが空中で絶命して落ちる。

 念力で臓器をぐちゃぐちゃにかき回して殺したのだ。端から見たら飛びかかって突然空中で死んだように見えるだろう。口や肛門からはグロい物体が出ていることから死んでいるのがわかる。


 残りは何がどうなっているのかわからず情けない鳴き声を放ちながら逃げたした。

 その場には頭に枝が刺さった犬の魔物の死骸と口と肛門からドロドロの肉片を流した犬の魔物の死骸が転がっている。数時間経てば別の魔物がやって来てそれらの死骸を片付けてくれるだろう。

 タカシは犬の魔物の死骸を放置してミリ達の下へ向かった。

 サイボーグ少女とのおいかけっこの3倍の速さで遺跡に戻った。戻り道はサイボーグ少女が木々を斬り倒したお陰で真っ直ぐに戻ることができた。


「おうぅ、坊主。さっきの不老族はどうしたぁ?」

「それよりも小さい子達の方が心配ですよ」

「空の魔剣師がいるってことは近くいるはずだよね」


 戻るとおじさん達が起きており俺達を探していたようだ。自分達が眠らされたことで敵と認識して周囲を警戒している。


「彼らは僕を追ってここに来ました」

「空の魔剣師を追って?あいつらに何をしたのか?」

「いいえ、僕はとある場所から仲間達と逃げ出しました。彼らはその場所からの刺客です」


 仲間とは逃げる途中でバラバラに別れましたがとミリ達が俺と一緒に逃げてきた仲間と思われては困るので付け加える。

 大人達から幾つかの質問を受けたので答えられる範囲で答えた。けれどどこから逃げてきたのかは聞かれなかったし、変に勘違いしても言われた時に指摘して訂正すればいい。


「不老族のことも気になるけど小さい子達はどうしたのよ」

「そうだよ。まさかあの不老族と一緒に」

「いえ、ミリ達は遺跡の中に避難してもらっています」


 エリーは何を想像したのかわからないけどミリ達は遺跡の中で待機してもらっているから早く呼んでここから離れないと。


「のでミリ達を呼んできますので出発の準備をお願いします」

「今すぐにか?」

「はい。彼らがまたここに来る可能性がありますので僕はここから離れたいです」


 おじさん達は何故か揃えて首を傾げたが気にせず、ミリ達が待つ遺跡の中へ向かう。


「タカシさん!」


 遺跡の入り口から外の様子を伺っていたミリが走り寄ってきてくれた。俺がいない間、特に問題が無かったようで安心した。

 あいつらの狙いは俺の確保だけのようで良かったと思う。ミリの後に続いてアルムとスフィアが出てきた。


「おにいちゃん、またけがしてない?」

「おう、してないよ」


 アルムは空気のヤローとやりあった時みたいにズタズタに怪我をしてくると心配していたみたいだ。ペタペタと身体中を調べた後、怪我一つない元気な俺を見て胸を撫で下ろしている。


「いったい何があったのよ。何で不老族が何でよ。タカシは不老族に追われているのよ?」


 スフィアは自分が憧れていた不老族にようやく会えたのにオジさ達を眠らしたのが気がかりなようだ。そして俺が不老族に追われていると思われているようだ。

 追われている身と言えば合っているが不老族という意味不明な種族に追われる覚えない。俺を追って究所について説明するにも小さな子に説明する内容ではない。

 この話は少しはぐらかそう。


「俺は不老族に追われてないがとある組織から逃げている。いろいろと聞きたいことがあると思うが聞かないでくれると助かるから今は聞かないで欲しいな」

「タカシが言いたくないなら私は聞かないであげるわ。私達にはいろいろと隠しているようだけど」


 スフィアは俺にしか聞こえない声で言う。


「さっきの女の子はタカシさんを何処かへ連れていくと言ってましたが心辺りありますか?」

「あるって言えばある。簡単に言えば行かなくて正解の場所だと言っておいた方がいい」


 研究所に行っても拷問と言う名の実験のオンパレードだ。本当に行きたくない。


「とりあえず外に出よう。外にはオジさん達が待っている。早く街へ帰ろう」


 無理やりに話を逸らして三人の幼女達を外へ出るように促す。


「おにいちゃん、とおくにいかないでね」


 アルムが腕をギュッと抱き締めて言う。ベスもアルムに合わせてベチョと体に付く。

 今の話を聞いて俺が何処かへ行ってしまうと思われたのだろう。アルムは住んでいた村を焼かれて心が不安でいっぱいのはずだ。その上両親が行方不明が重なり俺が消えてしまうとどうなるかわからない。


 アルムの両親が見つかるか、成長するまでは一緒にいると心に誓う。

 外に出るとオジさん達は馬車に乗って何時でも出発できるように待っていてくれた。


「坊主ぅ、いつでも出発で切るぞぉ。早く乗れぇ」


 俺達四人は馬車に乗り込み遺跡を後にした。

 空がオレンジ色になり、先日野宿した川辺付近にまた野宿した。サイボーグ少女なり宝石男なりが来るのではないかと思い一晩中起きていたがあの三人組が来ることはなく獣のゾンビの魔物が四体現れてミリ達が気づく前に念力で遠くに投げ飛ばした。

 それ以外のイベントが特になく、静かにミリ達の寝顔を拝めることができた。

 オジさん達の方は魔物が一匹も現れないことを怪しんでいたが、特に害がないから警戒だけはしていたようだ。


「うお、何?今日のこの子達。元気良すぎだよ」


 馬車を運転するトトから驚きの声が聞こえた。

 何故なら俺が念力で馬車を持ち上げて馬達の負担を減らしているからである。負担を減らした分を馬達のお尻を念力で押して街への帰りを急がせることで早く進めた。

 行きより小一時間早く街に戻ることができたが、人が並ぶ時間帯なのか街に入る門にはずらりと人が並んでいて夕方になる手前に街に入ることができた。


 入る前に何度かガラの悪い男達がチラチラ見ていたがオジさんの顔を見るとフラりと尻尾を巻いて来た道を戻っていった。

 あれはいったい何だったんだろうか?


「おにいちゃん、街に帰って来たよ?何かするの?」

「家に帰って寝るよ。疲れて眠いから」

「アルムもおにいちゃんとねるー!」


 アルムが手を上げて可愛くアピールする。

 うん、凄く可愛いな。よし、帰ったらみんな仲良く寝よう。


「帰り道に何か食べ物を買っていきましょう」

「私もベッドで寝たいわ。野宿で体が痛いからミリちゃん、誰かマッサージしてほしい」

「えっ?スフィアちゃん治癒魔法使えるんじゃないの?」

「治癒魔法は詠唱を唱えれば使えるけど詠唱するの面倒臭いから今嫌よ。だから誰かにマッサージしてほしいよね」


 スフィアが俺をチラチラ見てくる。

 俺にマッサージをしてくれって言っているのではなかろうか?一晩中起きていた俺は早くベッドの上で寝たい。スフィアのマッサージをする気力など毛程もない。


「待ってよ。何、帰ろうとしているの?空の魔剣師達も一緒にギルドに行くんだよ?」

「エリーの言うとおり。精算もまだだし、空の魔剣師達が何処に住んでいるのかわからない。一緒に受けたクエストだ。必ず、ギルドで報告に行かなければいけない」

「そうだ。遺跡の中の仕掛けの話やあの三人の不老族のことも気になる。とても帰す訳には行かないな」


 エリー、トト、ロゼットの三人は俺達を自宅(廃墟)帰す気はない。今回のクエストの報告だの。クエスト報酬だのと理由を突き付けてられた。

 俺の性格上彼女達の要望を断ることができず、そのまま彼女達とギルドに向かった。

 ギルドに着くと一目散にオジさんが受付の女の人に話しかけた。

 暇そうにしていた女の人はぎょっとびっくりした素振りを見せるが厳ついオジさんに対してそつなく対応をした。


「坊主、2階に行くぞぉ!」


 俺の腕を掴んだオジさんは俺を引きづりながら受付の人の後ろをついて行く。後ろを確認し、ミリ達がちゃんと後ろについてくるのを確認して大人しく引きづられる。


「こちらがギルド長の部屋になります」


 受付の人に案内された部屋はギルドのお偉いさんの部屋だった。部屋に入るとオジさんより少し年を取った男の人が忙しそうに仕事をしていた。その人がギルド長のようだ。


「ガルダか。久しいな。今日はどうした?新しい弟子の紹介に来た訳でもないのだろ?」


 ギルド長が俺達に気づくと作業を止め、俺を見るやそんなことオジさんに問いかけた。


「久しぶりぃに来たがお互い変わらねぇな。無駄話はさておき今日来たのは遺跡ついてだぁ」

「遺跡?あぁ、最近見つかった遺跡の調査のクエストがあったな。若い冒険者が受けたようだがそれがどうした?」

「まず、これを買い取って欲しいぃ」

「ん?なんだ。不老族の武器に入れる弾じゃないか。それなら下の受付で...。そっか、クエストを受けたのは若い冒険者は後ろの娘らか」


 ギルド長は何かを悟り考え、数分後に再びオジさんに問いかけた。


「で?ガルダ遺跡で何を見た?」


 ギルド長の中では後ろにいるエリー達と一緒に遺跡の調査をして帰ってきたと思うはずで俺達四人のことは荷物運びとかお手伝いとの認識なのだろう。

 そしてオジさんはギルド長に遺跡の最初の部屋にあった隠し扉の話しをしてその奥の話をした。


「今回発見した遺跡の中にあったと言う隠し扉があっとはな」

「すごいのはそれだけではありません。魔法のようにいくらでも食べ物が出る箱に自動で洗濯する箱がありました」

「あの箱には驚いたよね。見たことがない料理ばかりでさぁ、中には見たことがある料理もあったけどね」

「あぁ、パフェと言う物をもう一度食べて見たいものだな」


 とトトに続いてエリーとロゼットが遺跡の隠し扉の向こうがどんなに珍しい物ばかりだったかを語った。


「お風呂もありましたよね」

「おにいちゃんとはいりたかったのに」

「まあまあ、また行けばいいんじゃないの。それよりも魔法少女よね」


 内の子達も負けじと遺跡の中にあった物を語り始めた。


「ガルダ!その箱は持ち帰ったのか?」


 ギルド長は彼女達の話を聞き、自慢話の中にあった箱はあるのかとオジさんに目を向けた。


「その箱はぁ持ち帰ってないがぁ」

「何故?」

「坊主ぅが壁に繋がった線を抜いたら、動かなくと言うから抜いて壊すもいかずあの箱は諦めたぁ」


 当然、電化製品はコンセントを抜けば動かなるが、ただ抜くだけなら壊れる訳ではない。オジさんは微妙なところで少し勘違いをしたようだ。それをタカシは訂正するのを面倒くさがってそのまま放置した。もう一度遺跡に行って抜き差しして壊れないか確認すればいいことと判断して。


「それぇと弾と一緒に買い取って欲しい物があるんだが」

「だから不老族の武器はしたでも買い取りして...」


 ギルド長の前に出されたのは数十冊積まれた本。しかも全てが恋愛小説だ。

 当然、タカシ以外は表紙に書かれてある文字は全くって言っていいほど読めない。中には表紙に絵が入った物があるがほとんどの表紙は文字だけだったりして何の本なのかすらわかないのだ。それはギルド長も未知の言語で書かれた表紙は読めなく、全て遺跡から持ち帰って来たと聞いて不老族の歴史的な書物なのではないのかと勘違いをした。

 しかし、その勘違いをすぐに正される。


「これはだなぁ。遺跡にあった恋愛小説を持ち帰って来たのだが全く読めなくてなぁ」

「恋愛小説?」

「そうだぁ。この未知の言語で本の中身が何なのか全然わからないから高値で売れないと踏んでお前ぇに頼みに来たぁ」


 もし、売ったとしても中身がわからなければ値が付かない。高く買い取るにはこの言語のことをわからなければいけないのだ。そんな人物などこの辺りにはいないはずだ。

 そこにドタドタとあわただしい足音を発てた受付が転がりこんできた。


「なんなんだ。騒がしい」

「ギルド長!フローレイティ伯爵本人がが参られました」

「伯爵か」


 受付の人が発したのはこの領を運営し、管理者である貴族の名だ。穏やかな性格で限度の子煩悩な貴族がギルドに再度参られた。

 前は最近の魔物の群れで起きた領主のお嬢様の捜索依頼を直々に来た。他の貴族なら使用人に任せるのが常識なのだが行方不明の娘を依頼する為に子煩悩な領主様は娘が残した手紙を持って自らやって来たのだ。

 先日の件でのことだろうと思い、貴族の顔を潰すにもいかないのでギルド長はガルダとの話し合いをしばし中断した。


「ガルダ、すまんが急用だ。話はその後にしてもらうぞ」


 元々伯爵とは話しをする約束があり、ギルド長が時間を忘れて仕事に没頭していたが、部屋の準備はギルド職員がすでにやっており、伯爵が来るのを待つのみとなっていた。

 ギルド長が部屋から退出すると同時に小さな影が入りこんだ。

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