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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第二章 遺跡
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夜の森と遺跡

 質問責め後は特に何事もなくミリとアルムを寝かせた。馴れているのかそれとも疲れていたのか地面の上でもミリとアルムはすんなりと眠りについた。

 夜は見張りをしないで寝ていると魔物に襲われるらしいので俺とスフィアとお目付け役のトトが夜の見張りをすることになり、オジサン達は寝た。


 夜の見張りは『夜の時』と言う魔法の道具を使って時間を計り道具の中にある黒い砂(?)みたいな物が全て落ちるまで俺達三人で見張りをするらしい。

 見た目がただの砂時計にしか見えないけど一分に一度のペースで一粒の砂が落ちた。夜の半分で砂が全部落ちるみたいなことを暇潰ししたがてらトト説明された。砂が落ちれば寝てるオジサン達を起こして交代して『夜の時』を逆さにして再利用できるみたいだ。

 それとなにかしらのトラブルが起きればオジサン起こすらしい。


 俺達は暇潰しに無駄話をしていた。


「それで不老族の遺跡はいつ着くの?」

「明日の昼頃だと思う。ギルドの情報によると森の中に入って一日位進んだ先にあるらしい」

「遺跡には何があるんだろう?やっぱり古代の武器とか土器かな」

「空の魔剣師。不老族の遺跡は他の遺跡とは違うのだよ」

「そうね。古代の遺跡だと錆び付いた剣や当事使われていた土器、魔法文明の魔法具は出てくるだろうけど不老族の遺跡は未知な物が出てくるわ」

「未知な物?」

「そう、未知な物。タカシだって知っているじゃない不老族の武器。あれも不老族の遺跡から発見された未知な物の一つよ」

「あぁ、銃のことか」


 なんで銃が遺跡から出てくるんだ?俺が思う遺跡のイメージとは随分異なっている。

 どうなっている不老族の遺跡は。


「じゅう?そんな名称だったのか。あれは。じゅうは数が言うほど多くないから見つかっても法律で王族貴族に売ることになっているから噂でしか聞いたことがなかったんだ」


 あれ?銃は世界中でありふれている武器の一つと聞いたことがあるのだがそれにこの数日で2回も見ているのに言うほど多くないのはどういうことなのか。

 よくわからないが不老族の遺跡に行けばわかるだろう。


「ところで空の魔剣師達は子供ばかりなの?ご両親はいるの?珍しいエルフの子供が辺境の街にいるのは気になるけどどういう集まりなかな君達は?」


 彼女は俺達が子供だけでいることに疑問を持ったんだろう。俺は人体実験の被験者で追われている身、ミリは捨子、アルムは村を焼かれ誘拐された被害者、スフィアは元奴隷。

 改めて考えてみると俺達って色々な意味でヤバイな。

 どう説明するか困った。


「タカシ達は孤児の集まりで、私はタカシに助けてもらって故郷に送ってもらっているの」


 スフィアよ。その説明は苦しくないか。俺達が孤児だとして一番年上のお前を故郷まで送るってどう考えてもおかしいぞ。

 いっそのこと全員孤児として説明したほうが良くないか?


「空の魔剣師達は孤児なのか。エルフに獣人、強力な魔法を使える幼女、不思議な力を持っている空の魔剣師。珍しい孤児もいたもんだ」


 トトは何か納得したようで俺達の出身についてこれ以上聞かれることはなかった。

 オジサン達と交代するまで特に魔物が出るといった問題はなく。無駄話をして『夜の時』の砂(?)が落ちるまで暇を潰した。


「よし、交代の時間だ。私がガルダさん達を起こしとくから空の魔剣師とエルフの子は先に寝てていいよ」

「わかりました」


 俺とスフィアはグッスリと寝ているミリ達の横でトト達に背中を向けるように寝転んだ。


「ちょっとタカシ。私もタカシの隣で寝たいのになんでミリちゃんとアルムちゃんにそんなにベッタリなの。私が入れる隙間を開けなさいって」


 文句を言いながらミリ達と混ざって眠りについた。

 ちなみに俺はオジサン達を信用したつもりはないから寝ない。ミリ達の身の安全の意味を込めて狸寝入りをすr...。


「この効き目凄いな。高い値段をしたが『眠りの香り』買っておいて損は無かったな」

「また変な物を買ったのか。エリーの自由人もそうだが、トトの金遣い荒らさも大概だぞ」

「ロゼットいつの間に起きたの?」

「ついさっきさ。もうそろそろ『夜の時』が落ちる頃だと思ってね。で?空の魔剣師とのお話しは楽しかったのかい?」

「いや、ただの暇潰しだよ。空の魔剣師は何処か私達に知られたくないことがあるみたいだし、凄く警戒されていたよ。『眠りの香り』を使わなかったら眠らなかったと思うよ」

「それで空の魔剣師達が眠る場所に細工をしていたのか」

「そうだよ。空の魔剣師は不思議な力を持っていてもまだまだ子供。ゆっくりと休んでもらいたいよ。私はガルダさんを起こしたら寝るよ」

「エリーは起こしてくれないのかい?」


 ロゼットは気持ち良さそうに眠る仲間を指す。


「だってエリーって起こしても寝ちゃうから意味がないだもん。ガルダさん交代の時間ですよ。起きてください」

「おう、トトか。もう交代の時間なのか」

「あ~あ。仕方ないか」


 トトはガルダを起こして眠りについてしまったのでロゼットは仕方なくエリーを起こすために様々な方法するがいつの間にか朝陽が差してきて結局、ロゼットは諦めて『夜の時』が落ちるまでガルダと思い出話や今までの冒険を語り合った。エリーは夜の見張りをしないままロゼットが朝食の準備が終わるまで起きることはなかった。


「うーん。よく寝た」

「エリーは相変わらずだな」


 ガルダは朝食を食いながら呆れたように言う。


「ガルダさんどうしたんですか?」

「いや、お前が昔と何一つ変わっていないことを思っただけた」

「全くです。エリーは昔から変わらず、野営の準備はへたでサボろうとするし、無駄遣いの癖はいつまで経っても治らない。それなのに魔法使いの腕はそれなりにいいから達が悪い」

「まったく。私達が難度も注意しても治らない。いつになったら」


 ロゼットがギロリとエリーを一睨みしてブツブツと文句を言う。合わせてトトもうんざりと呟く。


「だからってあんなに怒ること無かったじゃないの」


 朝一から説教大会が開幕されたみたいだ。三人は昔からこれは日常茶飯事なことでガルダは懐かしそうに三人のやり取りを見ていた。


「だって誰かさんが起こしてくれないだもん」

「起こしても寝るやつは何処の誰だー!」


 森の中にロゼットの叫び声が響いた。


「うっ、うるさいな。あれ?俺はいつの間にか寝ていたのか」


 狸寝入りを決め込んだのに俺はグッスリと寝むってしまった。それほど疲れていないと思っていたが今後考えなくちゃな。


「タカシさんおはようございます」

「ミリおねえちゃん。なんであのひとたちおこっているの?」

「私達には関係ないことですからさっさと食べて出発する準備をしましょう」

「はーい」

「ミリちゃんも不老族の遺跡が楽しみなのね」

「もしかしてスフィアちゃんもですか?そうなんですよ。絵本に描かれていた憧れの不老族。それの遺跡なんですよ。楽しみ過ぎて不老族の遺跡に入る夢を見てました」

「幸せそうに寝ていたもんね。私も楽しみで仕方ないけど」


 二人は現在向かっている遺跡で頭がいっぱいでしょうがないようだ。


「ねぇ、おにいちゃん」


 アルムにグイグイと服を引っ張られ、視線をハテナ顔のアルムに移す。


「いせきって何があるの?」

「俺も何があるのかわからない。アルムにとってつまらない物しか無いかもしれない。宝石みたいなお宝が山ほどあるかもしれない。それはついてからのお楽しみになるけど、少なくともミリやスフィアがあんなに興奮しているんだ面白そうなのは間違いないよ」

「こわいオジサンたちもいっしょなの?」


 こわいオジサン達も一緒?あの人達は調査という仕事と金儲けの為に遺跡を目指しているからお宝があったら嬉しいだろうけど正直、遺跡に何があるのか検討がつかない。


「オジサン達も目的は同じだから嬉しいと思うよ」


 微妙な顔したアルムの頭を撫でた。ベスも自分も構えと言わんばかりに俺の胸にべちゃりと貼り付く。

 既に誰かが来て根こそぎ持っていかれて空っぽかもしれないし、侵入者を殺す目的の罠が満載で中に入れないかもしれない。

 一番気になるのは不老族の遺跡は他の遺跡とは違うという点だ。謎が謎を呼ぶように不老族という謎が他の遺跡とは一味違う謎の遺跡を呼び寄せていて外の世界全て謎である俺の頭を永遠にループしている。

 世界は多くの謎に包まれている。


「空の魔剣師達は食べ終わったかい?食べ終わったのなら出発するから準備をしてくれ」


 野営の後片付けはすぐに終わり俺達は準備といった作業はなく、すぐに出発となった。

 俺達の持ち物は俺とミリが背負っている二つのリュックサックモドキ中にタブレットとお金、ナイフしか入ってないから身軽でいい。ミリとスフィアとアルムそれぞれに武器屋で買った剣と弓矢に杖を持たせている。


 ミリが背負っているリュックサックモドキを代わりに背負おうとしたのだが「これは私の荷物なのでタカシさんに背負わせる訳にはいきません」と言われてしまった。

 中はそれほど重い訳ではないし、いつものことながら念力で持ち上げるから負担にはならないだろう。

 それよりも気になることにオジサン達はどこから魔法の道具や夜営に必要な道具をどこにしまっているのか不思議だ。

 オジサン達は武器位しか持っていなかったと思っていたけど鍋に興味料、魔法の道具などはどこから出てきたのやら不明だ。


「おにいちゃんはやくーはやくー」

「タカシさん早くしてください。オジサン達は夜営の片付け終わらせて先に馬車に乗り込みましたよ。私達も乗りましょう」

「うん、そうだね。俺も不老族について知りたいことがあるから早めに遺跡に行きたいな」


 荷物を背負い、俺達は馬車に乗り込みんだ。


「着いたよー。長かったよー」

「トト、この洞窟であっているのか?」

「そうだと思う。遺跡を見つけたやつの話だとクリーム色の石の道を進んだ先に洞窟あって、洞窟の中に不老族の遺跡の特有の紋章と武器庫があったそうだ」

「この道、ただの石畳じゃないな。割れていなかったら一枚の岩でできているみたいだぞ」

「初めて見るな。他の遺跡もこんな感じなのだろうか?空の魔剣師達は何か知っているんじゃあないのか?」


 それから森の中を数時間程進んだ先からコンクリートで出来た道が長々と続いていた。

 馬車の揺れが減ったがコンクリートが古いからか大きな割れ目があった。馬車が大きく揺れたり、悪ければ脱輪が何回かあったが念力を使って直したり、持ち上げたりしてやり過ごして俺は大忙しだった。


 馬車だと自分の足で歩くより楽チンだから壊れてしまうと遺跡までの道のりと帰り道は自分の足で歩かなくちゃいけなくなってしまう。

 それとここには小さな女の子が三人いるんだ。流石に馬車が壊れて歩かせるのは可哀想だ。もし、車輪だけが万が一壊れたら念力で馬車を持ち上げるから歩く必要ない。


「この洞窟の中に遺跡があるんですね」

「さっそく入ろうよ。タカシ」

「あぁ、中がどうなっているのか楽しみだ」

「わーい。いせきだ」

「ちょっと待って!」

「どうかしました?」


 俺達が遺跡の中へ入ろうと歩き出すと止められた。


「どうして何も確認しないで入ろうとするの?罠とかあったらどうするつもりだったのさぁ?」

「遺跡に罠なんてあるんですか?ミリ遺跡に罠があるなんて聞いたことがある?」

「物語の遺跡や迷宮(ダンション)には罠がありましたがそれは太古の文明の遺跡で不老族の遺跡に罠があるなんて聞いたことがありません。スフィアちゃんはどうです?」

「そうね。不老族の遺跡に罠があることは聞いたことがないよ。でも昔会った不老族の人は凄く優しくて穏やかなだったよ。その人の話によると不老族の人はみんな穏やかで優しいって聞いたから罠なんて危ない物遺跡につけないから入りましょう」

「だからって確認も無しに問答無用で入るのは危険じゃないの」

「そうだぞ。エルフの子。何も調べないで中へ行くなんて自殺行為だ」

「えー!ロゼットとトトは心配性だよ。罠があったらその時はその時で考えてさ、たぶん罠がないと思うから入ろうよ」

「あんたは少しは物事を考えなさい。あんたは私達がいないとダメなんだから。いつもいつも余計なことに首を突っ込んで」

「痛いこと言わないでよ。私だって頑張っているじゃん。今回は空の魔剣師を誘って正解だったでしょう?」


 この人が俺達をクエストに誘うようにと二人に言い出したのか。

 特に予定とかは無かった。

 むしろ皆無だったから良いし、逆に誘われたお陰でミリとスフィアが喜ぶ姿を見れて良かった。


「それとこれとは違うでしょ。もしかしたら遺跡に罠があったらって言っているのよ」

「いいじゃねぇか?何回かエリーのカンに救われたことがあるんだろ?」

「そうですけど。エリーは毎回の無計画な行動が困っているんですよ」

「俺はそうと思われねぇよ。昔からお前達は変わっていないが俺はお前達いや、今まで面倒見てきた奴らを信じている。お前達はパーティーだ。信じあえるのは簡単のはずだ」

「「「ガルダさん」」」


 三人はガルダの言葉にうるっと来て今にも泣きそうだ。

 俺は彼女達がどのくらい一緒にいるかは知らない。話を聞いていると長い付き合いと思う。

 長い付き合いの三人が信じあえないはずがない。


「罠なんてありませんでしたよ」

「タカシも早く入りましょう」

「いせきっておもしろなくてつまんなーい。おにいちゃんかえろーよ」


 ミリ達は我慢できなくて一足先に中に入ちゃったみたいだ。アルムは思っていたのと違っていたのかつまらなそうにしている。


「入ちゃったの!子供だけで危ないわよ!」

「トト、そんなに怒ることないだろ。罠が無かったのは結果的に問題はない」

「でもロゼット。子供だけでやらせて危ないって」

「まぁいいじゃないか」

「ねえ、エルフの子達。中はどうなっていたの?」

「洞窟の中は...」


 ミリ達は叱られたが危ないことをしたのは理解している。後で怒られることを理解した上で中に入った。

 ミリとスフィアは早く入りたくてウズウズしていたのは到着したときから気づいていたが女の人達が喧嘩を始めたことに痺れをきらしていつの間にか入ってしまったのは気づかなかった。


 研究所から逃げたして以来、俺は不注意過ぎる。大人達の前で大人しく寝てしまったり、今回みたいにミリ達から目を離してしまったりと気が抜けている。

 これが俺の本来の気質なのか、ただ単に気が抜けているだけなのかは知らない。研究所関係に触れていないことに危惧しているつもりでいるけど俺は本当に危機感を持っているのか疑問に思ってしまう。

 俺が考え事をしている間話が進んでおり、スフィアが詳しく洞窟の中の説明していた。


「中は何者かに荒らされていたのか」

「犯罪組織が裏ルートで不老族の武器を流している話題があったがギルドが睨んでいた通りやはり遺跡荒らしをして流しているとはな」

「ガルダさん何かしているんですか?」

  「子供の前だ。街に戻ってからお前達に話をしてやる」

「そうですか。とりあえず私達も中に入って調べて見ましょう」

「空の魔剣師達は遺跡の中に入ちゃったよ」


 オジサン達が気になることを喋っていたが俺はミリとスフィアに手を引かれ洞窟の中に連れた。


「タカシも早く」

「そんなに急かせなくても入るから」

「アルムちゃんももう一回入りますよ」

「えー!またはいるの?おにいちゃんたちまってよー」


 洞窟の中にある遺跡は一つの小部屋だった。

 少し薄暗いが見えなくはない。小部屋の中は幾つもの棚が並んでおり、真ん中の棚に前に来た誰かが置いていったランタンが小部屋を微かに照している。

 小部屋の床に散乱した弾丸を足で避けながら部屋を見渡す。

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