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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第二章 遺跡
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森2

 枝を集め終わった後、少しの休憩を挟んでガルダ達の元へ戻る途中に出会った魔物すべて倒した。

 魔物と言っても大体が獣や虫だ。


「きゃー魔物!!」


 魔物が現れた瞬間に魔石だけを抜き取って茂みの向う側へ投げ捨てるようにしている。魔石はベスの体内へ放り込む作業を繰り返した。そうしないとさきほどみたいにミリが魔物を怖がるからできるだけミリ達の視界に入らないよう俺が視界を塞いで片付ける。そして魔物の体内にある魔石だけを抜き取る光景はとても小さな子の教育上よろしくない等の理由で見せたくない。


 魔石をベスに食べさせるのは既に枝を山のように運んでいる為、魔石の持ち運びに困ったからである。

 追加で魔石をベスに食べさせるとアルムが凄く喜ぶ姿が可愛くてあげてしまう。


「おにいちゃんありがとう!ベスごはんもらえてよかったね」


 ベスはアルムにプルプルと揺らめいて返事をしている。ベスも魔石を貰えて嬉しいようで美味しそうに魔石を溶かしている。

 魔石は売れるが今は必要ないけど可愛いいアルムの笑顔が見れて嬉しい。


「なぁ、スフィアちょっと聞いていいか?」

「ん?何か気になることあるの?」

「スフィアに聞いてもわからないかもしれないけど。なんで死骸が動くの?」


 ミリから死体を長時間放置するとゾンビとかスケルトンになって人を襲う魔物になる話を聞いてずっと疑問に思っていた。

 実際に見たことがないけどいろんなマンガにもゾンビやスケルトンが出ていたので興味があった。


 マンガに出てくるゾンビはウィルスの影響で死体が動き出すのがほとんどだった。それ以外にも悪魔や悪霊が取り付いて動かしているのもあった。

 悪魔や悪霊とか非科学的な物は置いといて外の世界を知らない俺はそれが本当のことなのか確めたい。


 それでスフィアに聞いてみた。


「それってアンデッドの魔物のこと?知りたいなら教えるけど」

 スフィアの言葉に頷く。

「大昔はアンデッドの魔物が生まれるのは負の感情が死骸に取り付いてアンデッドになるって信じられていたけど、ここ数百年の間では淀んだ空気中にある魔力の根源である魔素を死骸が大量に吸うことによって死体の中に魔石が発生することで始めて死骸がアンデッドとして蘇ることが分かったの」


 フムフム。


「腐った死体はゾンビに、骨はスケルトンとして生きる物すべてを襲い始めるの。そしてゾンビは自らの魔石の一部を殺した生き物に埋め込んで仲間を増やす習性があるの」


 生き物を襲うのは仲間を増やす為か。仲間を増やす方々が死体に自分の魔石の一部を埋め込むのか。

 なるほど。


「ところでまだゾンビ化していない死体にアンデッドじゃない魔物の丸々魔石を埋め込むとどうなるんだ?」

「それもアンデッドになるんじゃない?」


 スフィアはこれ以上詳しく知らないみたいだ。


「タカシさん!魔物の話よりも私達が向かっている不老族の遺跡ですよ。不老族ですよ。わかってますか?」


 言い直さなくてもちゃんと聞こえてるよ。


 最近不老族の単語をよく耳にする。最初はミリが物語で読んでいたって聞いていたから物語に登場するキャラクターと思っていたがどうも漫画や小説にキャラクターではないことはだんだんわかってきた。

 狂ったことに外の世界の人達はみんな念力を使う俺のことを不老族と呼ぶ。

 いったいどんな部族なのだろうか?


「ごめん、不老族ってさぁ、何なの?物語に出てくるってのは話を聞いててわかるんだけど。根本的なことがわからないからそんなに盛り上がる理由を教えてほしいな」

「タカシさんは不老族を知らないのですか!!誰でも知っている有名な部族で数えられない程の幾つも物語があるんですよ。それなのに知らないですか?」

「アルムもふろうぞくわかるー。しじんのひとからえいゆうたんのうたをきいたよ」

「アルムちゃんだって知っているですよ」


 そんなに有名なら耳にする筈なんだけどな。研究所内でもそんな話、不老族のフすら聞いたことがない。

 名前から察するに歳を取れない人達のは予測できるのだがそれ以外だとわからん。

 不老族って種族?部族?どっちに該当するのか見当が見えない。


「ごめん。不老族の本や英雄譚は今まで聞いたことがない」

「しょうがないわね。私がタカシの為に説明してあげる」

 ありがたいことにスフィアを説明すると名乗りをあげた。

「不老族はね。遡ること600年程昔にエルフの村に突如現れて...」


 スフィア先生に不老族の歴史を説明してもらった。

 不老族が初めて現れたのが600年位昔、エルフの村に何の前ぶれなく現れた。その時の不老族は様々な種族入り混じった者達で唯一の共通点は聞いたことがない言語と縞模様の腕輪をしていたそうだ。


 余談だが、様々な種族というのは体が岩石できていたり、獣人だったり、エルフに似ている者もいたそうだ。半分程は見た目が何も特徴がない種族だったみたいだ。


 そして何かから逃げるような素振りをしていたそうだがエルフの秘術を駆使して捕らえたそうだが不老族側も魔法とは別の不思議な力で抵抗したそうでエルフ側に死人はでなかったそうだが結構な被害があったらしい。

 そして長い時間を掛けて友好的になったそうだ。それも150年位の時間を。


 それを聞いたミリは驚いた表情をしたがスフィアの話に集中したいらしく質問をしなかった。


 友好的になった不老族はエルフが人間狩りにあっている事実を知ると人間狩りを行っていた国を滅ぼしてそこに新たな国を造り上げた。

 その国に難民、迫害の民、人間狩りの多民族、奴隷を招き、平等に住まされた。

 そこに新たに現れた不老族を保護して数を増やしていった。

 不老族はやがて見たことがない天高い建造物を立て、飢えることがない食糧の生産方々を編み出し、魔法具顔負けの未知の道具を産み出した。


 そのあとはの不老族の国は鎖国していて不明だそうだ。何十年かに一度はぐれ不老族が現れるそうで国同士の争奪戦が後を絶たないとか。争奪戦が終わる頃には不老族の姿が消えているらしい。

 噂によると不老族の国に保護されているとかいないとか。


「不老族の国というのは北の元帝国領ですね」

「そうね。不老族の国は600年間国名が不明ままだからみんな元ロムデル帝国領とか不老族領って呼んでるね」


 ロムデル帝国?聞いたことがない国の名前だ。

 外の世界の国は明確に国名があると記憶していたと思うのだが。しかし、ミリとスフィアは本当に不老族の国があると思い込んでいる。


「なんで不明なんだ?」

「それは未だにわかっていないことだよ。不老族の不思議な力を使ってロムデルは滅んだって宣言してからは鎖国がすぐにだったみたいだから誰も知らないし、不老族の国には誰も入れないのよ」

「国境を超えようと行動するといつの間にか不老族の国とは別の方向に進む見たいですよ」


 進んでいた方向から逆の方向に進んでいたとか不思議な現象だ。それも不老族の力なのだろか?とりあえず、面倒事はごめんなのでその不老族の国に近づかないようにしよう。


「不思議な力を使うタカシってはぐれ不老族だとずっと思っていたよ。魔力を使っている様子はないし、謎な力で物を浮かせるし、手が燃えていても火傷してなかったから」

「私もタカシさんが不老族と思ってましたよ」

「俺はそんな意味不明な民族(?)ではないんだよ。自分でも自分がどこで生まれたなんてわかっていない。育った場所は例えるなら地獄だったから、このバーコードを見てるとあの場所をチラチラと思い出すんだ」


 左腕についているバーコードタイプの腕輪を忌々しげに睨む。

 このバーコードは元左腕を切り落とされても俺から離れてはくれなかった。どういう物質でできているか不明な物だ。ただのプラスチックではできていないだろう。


「私はタカシの縞模様の腕輪見たとき不老族って確信したのよ。100年前に合った不老族と同じ腕輪だったから」


 スフィアが出会った不老族がこのバーコードと同じ物をつけていた?


「スフィアちゃんは不老族に会ったことがあるんですか?」

「ほんの少し間だけね。私が住んでいた村に不老族が数年の間いたのよ」

「数年って長いよ!」

「エルフの感覚で言えば数年はほんの一瞬よ」


 エルフにとって数年はほんの一瞬感覚ってどんだけ長命なんだ。


「それで不老族はどんな人でしたか?」

「あの人の見た目はエルフに似ていたけど何処と無く別の種族っていうわかったわ。それと木々と同化して森を操ったのは驚いたよ。見たことがない魔法の道具を幾つも持っていたわ」


 100年前にスフィアが会ったと言う不老族は植物と同化して操る能力なのか。不思議な能力だが、見た目がエルフに似ていた点が気になる。

 バーコードの腕輪を着けていたのも気になる。

 不老族に関する情報は得れば得るほど訳がわからなくなる。


「坊主共、やっと戻ってきたか。待ちくたびれたぞ」

「余りにも空の魔剣師達が戻って来ないからロゼットが探しに行くって聞かないんだ」

「空の魔剣師含め年端もいかない子供ばかりだろ?心配して何が悪い。エリーでさえ、水汲みにと嘘をついて空の魔剣師を探しに言ったぞ」

「あの馬鹿!いないなと思ったら空の魔剣師達を探しに行っていたのか。なんで気付いているなら止めないの?」

「ここは森の中でも浅い方だ。流石のエリーでも直ぐに戻ってくるだろう?エリーもいい歳をした大人だ。大丈夫だろう。私はさっき捕まえた野鳥を血抜きしてくる」

「ガルダさん。私はエリーを探してくる」

「おう!それにしても相変わらずだな。お前らは」


 オジサン達(1名足りない)は野営の準備を終えていた。

 ロゼットは先程狩ったと思われる獲物を捌き始め、トトは「火の魔法が使えるエリーがいなければ夕食が遅くなるというのに」と文句を言いながらエリーを探しに行ってしまった。ガルダのオジサンは自分の武器の手入れをしていた。


「空の魔剣師、取ってきた落ち枝をそこに置いてくれ」


 ドン。


 ロゼットに指示された場所に枝の山を置く。


「うお!空の魔剣師そんなに沢山取ってきたのかよ。こんなに枝を集めて何をするきだよ」

「これぜんぶアルムとミリおねえちゃんがひろってきたの。すごいでしょ」

「少し張りきり過ぎました。後、食べられそうな木の実があれば取ってきたかったのですが無かったです」


 アルムは誉めて誉めてと言いたげにロゼットに自慢した。食べられそうな木の実を取ってきたかったミリは残念そうだ。

 ミリが木の実を取ってこなかったことにアルムとスフィアは苦い木の実を食べずにすんで嬉しそうだ。


「凄いって言えば凄いけどこんなにいらないな。一晩分だけでよかったのに」


 と言いながら枝の山から1/20位の枝を抜き取って焚き火の準備を始めた。


「エリー、火の魔法をお願いできるか?ってそう言えばどっかに行っているんだった。空の魔剣師達の中で火の魔法が使える者はいないのか?」

「アルム、ひのまほう使えるよ。いっくよー」

「アルムちゃんが魔法を使ちゃダメですって。危ないですから、スフィアちゃんに任せましょう」

「エルフの娘が火の魔法が使えるのか。エルフなのに火の魔法使えるのは珍しいな」

「えっ?私?ムリムリ。私が使う火の魔法はこれが限界よ」


 スフィアの手からポウと消えさりそうな火が出たが風に吹かれて消えた。


「焚き火に付けるには弱すぎるから。そもそもエルフは火の魔法が苦手なの。これだけ使えて村一番の火の魔法の使い手って言われているんだから」

「それじゃ。空の魔剣師はどうかな」

「一応、火は出せる。こんな風に」


 手に火のイメージを集中させて徐々に手が燃え始めた。

 朝の時はいきなり火を出してしまってスフィアを驚かして失敗を生かして今度はゆっくりと火を大きくしていき燃えた手で焚き火に触れ、火を燃え移らせる。


「おい!坊主の手が燃えてるぞ。それは魔法なのか?どうなっている?」

「タカシさん燃えてますよ。そこに川がありますからそこで火を消してください」

「おにいちゃん、おててだいじょうず?」

「ガルダさん。人体が燃える魔法なんて無いですよ。空の魔剣師、こっちにおいで」


 燃える手を見てみんな困惑した声をあげた。スフィアだけが今朝既に見ているので反応が薄い。

 そしてロゼットが俺の燃えている手の手首をつかんで川に突っ込んで引き抜くが火はまだ消えていない。


「嘘!火が消えない!」


 ロゼットは火が消えないことに驚愕の声をあげる。

 再度、川に手を突っ込んだので火を消してあげた。


「ふぅ、消えたぁ」

「やっぱりもう一度見ても魔力で燃えていないわ。タカシの手はどうなっているの?」


 とスフィアが俺の手を取ってマジマジと眺める。


「空の魔剣師の手に火傷が無いぞ。まさか今のは幻影の魔法でも言うのか?エルフの子どうなんだ?」

「なんで燃えるのかわからない。不思議な力を感じるけど魔力じゃない、とても不思議な力なのはわかる」

「スフィアちゃんは魔力を感じられるですか?」

「エルフは全ての自然の流れを見ることができるの。私はまだ見えないけど感じることはできる。タカシから流れている力は魔力じゃないけど不思議で強い力を感じる」

「と言うとタカシさんは凄いと言うことですね」


 ミリがやたらと俺を持ち上げる。ミリの気持ちは嬉しいけど恥ずかしいから止めてほしい。


「ほら、エリー。貴方がサボったせいで野営の準備が遅れてるんだから戻って戻って」

「だって余りにも空の魔剣師達の戻りが遅かったんだもん。普通心配するでしょ?」

「はいはい、後で言い訳を聞いてあげるからさっさと焚き火に火をつけてちょうだい」

「あれ?ちょっともう野営の準備終わってるじゃん。ロゼットがご飯の準備始めちゃって、私の出番無いじゃん」


 俺達を探しに行ってしまったエリーを連れてトトが戻ってきた。


「準備は終わったの?空の魔剣師達は火の魔法を使えたの?」

「あぁ、空の魔剣師が焚き火に火をつけてくれたんだが」

「へぇー。空の魔剣師が火の魔法を使って焚き火をね」

「それが火の魔法をいっさい使って無いんだが」

「私がいないからって石と石でたたきあって火を起こしたっていうの?」

「それが坊主の手が燃えたもんだ」

「手が燃えた!!」


 そのあと俺はロゼットが作ったご飯を食べながら質問責めにあった。

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