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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第五章 ザ・バッドエンド
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悲しきバッドエンド

スプラ3おもしれー!!


初めて遊んだけどすごい面白いよー!

 パスにアルムがいる屋敷まで案内してもらった。


『あそこの建物です。この中に本当に入られるのですか?』

『ああ、パスは引き続き残りの4人を探して見つけたらすぐに教えてくれ。』

『了解しました』


 お城から抜け出してアルムがいるという屋敷を上空から見下ろしている。その屋敷は大きく小奇麗な庭が裕福な人物が住んでいると物がったている。警備兵が見える範囲で二桁はいる。


 しかし、安心した。いかにも金持ちが住んでいますと言っているような建物にいるなら歓待を受けているのだろう。パスが濁していたかは気になるが見れば分かるだろう。それにスフィアやミリ、アズサにジュンとは別々にいるのだろうか?彼女達は今どこで何をしているのだろうか?

 別の屋敷でそれぞれの歓待を受けているのだろうか?未だに不安感が残るのはなぜだろう。エルフの子はドレスの子の遊び相手としてお城にいたけど、悪い扱いはされていなかった。エルフの子はストレスを感じていたけど怪我や傷は無かったからほかのみんなも不安を抱きながらもこの国の歓迎を受けているに違いない。意味不明な不安感で建物の中を視界で覗けない。


 ここは警備兵が無駄に多いな。他の建物も十人態勢で警備しているから変わらないか。


 それにドレスの少女を連れてきたからお城の方は大騒ぎだ。誘拐犯である俺を血眼で探している。この子は姫と呼ばれていたからこの国のお姫様からな。いざという時の為にもう少し人質として付き合ってもらうけど小さいとは言え子供を二人も運ぶのは移動する際に邪魔過ぎる。

 二人の血を口にしたからいる方向や体の状態はわかるから侵入する前にエルフの子を安全な場所で大人しくしてほしい。

 両手や念力を塞がれては動きにくいし、俺は抜けているから銃弾の流れ弾で痛い思いするかもしれないしな。

 いい場所は無いかな?

 一回車まで戻るか?いいや、都市の外に出るのは面倒で時間がもったいないしな。そんなことなら宿をとっておくべくだった。

 エルフの子は俺の肩を枕にして寝ているから休める場所はここにはないな。屋敷の一部屋を借りて寝かせて置くか。俺が戻るまでその部屋を視界で監視して人が近づけばすぐに排除すればいいし、同じ建物中にいればすぐに回収できる。


 早速、屋敷に侵入してエルフの子をベッドがあって人が来なさそうな部屋で寝かせて置いた。陽動で部屋から反対にある小奇麗な庭を爆破しといた。住人は庭に集まってエルフの子がいる部屋には近づかないだろう。


 ドレスの少女を連れて屋敷の中を探索する。時には見つかりそうになったりして、天井に張り付いてやり過ごしたりしてアルムを探した。


「ったくよ。もう動かなくなったのかよ。安物はこれだから困るな。これならキーキー鳴く孤児の方がマシだ!」


 アルムを探していると若い男の怒鳴り散らす声が聞こえた。


 声はこの部屋から聞こえたな。覗いて見るか。


 声が聞こえた部屋の中から若い男と数人の女の声が聞こえた。怒鳴り散らす男とは正反対に数人の女は怯えた声で謝っていた。

 そしてベッドは赤く染まっている。


 好奇心に負けた俺はその部屋の扉を少し開けて中を覗いた。いや、覗いてしまった。

 部屋は生臭い匂いが漂い、裸の女達がベッドや床で土下座をしていたり、力なく横たわっていたりと物理的にも精神的にも吐き気を催す光景がそこにはあった。若い男は女の頭をガンガンと踏みつけてニタリと湿っぽい笑みをこぼしていた。


 この世界は奴隷がいるのはわかっている。そして漫画でしか見たことがなかったが、この世界には自分の性欲のはけ口として奴隷を使っている人もいるだろうなと思っていた。こうして目のあたりしてみると胸糞悪くなる。こんな場所に本当にアルムがいるのだろうか?


 こんなひどい物は見たくはないと思い気づかれる前にここから離れようとしたとき、ベッチョっと体に水っぽい物が張り付く感触がした。

 いや、これの感触はべスだ!


 アルムのペットのスライムのベスが俺に張り付いたんだ。魔物がこんなところで処分されないでいられたな。べスは透過や擬態の能力を持っているから誰にも気づかれずにアルムにくっついていたのだろう。アルムの服や肌に擬態して。


 お前どこからって、その前にアルムはどこなんだ?聞いてもわからないか。相手はスライムだし。


 今までべスはアルムからあまり離れたことは無い。いつもアルムの服に擬態して離れなかったのに、今は近くにアルムの姿はない。


 いやまさか。アルムはあの女達の中にいるのか?アルムが。そんなの冗談だと言ってくれよ。

 べス、お前。主人を助けろと言っているのか?


 スライムであるべスは喋れないから聞いてもわからないが、ベスが伝えたいことは俺にはわかった。あの中にきっとアルムがいる。そう伝える為に自分の存在がバレるのを覚悟で俺に張り付いたんだ。

 それなら俺が取る行動は一つ。


 ダンっ!と思いっきり扉を蹴破った。

 子供な闖入者に部屋の住民たちは騒然としており、部屋の中が静まり返った。数秒続いた静寂は部屋の主と思われる若い男が壊す。


「ガキが、ここが誰の屋敷か知っているのか?誰だよ。こんなガキを入れたのはって。オスを虐めても楽しくねえのによ。まいい、命令だ。動くな。俺様の剣の錆にしてくれるわ」


 若い男は闖入者の俺を見て何かを勘違いをしているでぶつぶつと呟いて部屋に飾ってあった剣を手に取り抜刀した。俺にとって大したことではないから無視した。


 部屋全体を見る。金持ちの寝室に見えるが、裸の女達が異常な物と物語っている。女達には殴られた跡や刃物で切り付けられた傷があり、ただの行為とは思えない。

 不安感が少しずつ大きくなってくる。もし、アルムに殴られた跡や傷があったら若い男にも同じ目に合わせてやる。目には目を歯には歯をだ。


 怯える女達の顔をよく確かめる。女達は全員15歳以下の少女達でひどく疲弊して股から白いドロッしたゼリー状の液体を垂れ流している。それからひどい生臭い匂いを放っている。

 次に床やベッドの上に力なくだらりと横たわる少女達の顔確かめる。そっちの方がもっとひどい。目を抉られている子や手足を切断されている子がいた。


 本当にひどい部屋だ。こんな部屋にアルムがいないで欲しい。

 俺の心音がさらに鈍く加速していく。


 見つけたくないを見つけてしまった。語彙力が低下するほど怒りがこみ上げた。

 少女だった者の代わりはてた姿のそばでべスが悲し気に震えている。これがアルムと語っている。床に力なく倒れているアルムは腹部が開いて内臓がだらりと出ており、両目が抉り取られて両手両足がない。

 俺はアルムを抱き寄せ、傷を治療してく。体中の俺の血や肉が削り減る感覚を覚えて、怒りを必死に抑えてながら両手両足を生えさせて、開いた腹部を内臓ごと元の位置に戻して閉じる。

 治療してもなお、一度止まった心臓はピクリともしない。アルムの身体は徐々に冷たくなっていく。

 手にべっどり付いたアルムの血を舐めた。舐めたけど何も情報が入ってこない。

 アルムは死んだ。その時の欲だけを満たす為だけに殺されて死んだんだ


「友達がこんなことをされておいてブチ切れない奴なんていない。俺は決して許さない」

「ハァァァ?何を言っているだ?大人しく剣の錆になれ」


 俺の中で何かが消し飛んだ。何かの叫び声が聞こえたが、目の前には赤い水たまりと肉片が転がっている。動いているのは恐怖で震えているドレスの少女しかいない。まぁ、そんなのはどうでもいいか。

 死んでしまった者達は消して俺の目の前に絶対に戻ってこない。そんなのはわかりきっている。なのになのに。後悔してもアルムが動き出さないからすべてが遅い。根本的なことで俺がすべて悪い。


『マスター』

『誰か見つけたのか?ミリか?スフィアか?それともジュンか?アズサか?』


 アルムがこんな目にあっているんだ。他のみんなも同じ目にあっている可能性が大きくある。俺は気が気じゃなかった。


『はい、この都市の地価闘技場がありまして、現在そこでミリは魔物の相手に戦っています』

『地下闘技場だと?早くその場所に案内しろ。いやまて』


 アルムが殺さたことで冷静さを失っていた。この屋敷にエルフの子を置き去りにできない。まだ、ミリは生きているが、魔物と戦っているようだ。ミリがどんな魔物と戦っているかわからないから安心はできないが、人が集まってくる前にここから脱出しなければ。

 エルフの子を回収して屋敷から脱出しよう。一刻も早く悪臭漂うこんな汚らしい場所から離れたい。


 俺の服を着せたアルムの亡骸を強く抱きしめ、エルフの子が眠る部屋に向かい、エルフの子が寝ているマットレスごと念力で運ぶことにした。部屋に向かう途中、手やアルムの遺体を生成した水で汚れを洗い流した。

 そして俺達が出るころには爆破した庭に衛兵達がわらわらと集まっていた。その騒ぎに乗じて、屋敷から誰にも気づかれずに脱出することができた。


 視界で確認しながら人気がしない路地裏を進んだ。目についた民家の中へ入る。家主はどうやら出かけているようだ。

 外は鎧を着た人が沢山いた。俺は派手に荒らし過ぎたようでこの騒ぎの犯人である俺を探している。こんな状況だから隠れる場所を見つけられたのは運がいい。


 いったんここで隠れるとして、視界でミリを助けに行かないとアルムのように殺されてしまう。


『パス、ミリの場所は?』

『はい、複数の入口があるようですが、ここから近い入口はお城の地下へ続く道になります。向かわれますか?』

『いいや、視界で見に行く。城の地下だなパスは引き続きスフィア達の探してくれ』

『わかりました。闘技場はお城から東に進めばあります。引き続き捜索してます』


 俺は城に向けて視界を飛ばした。視界は実態の無い顔だから城に近づくにつれて地下に潜った。城から300メートル手前で地下に続く道を見つけた。パスが言ったはずの地下の道は東に続いているはずなんだが、現在の視界の位置は南。

 他に施設でもあるのかもしれないが、優先するのはミリだ。


 お城の東に闘技場へ視界を飛ばすしていたが、一つの部屋に行きついた。

 その部屋の壁一面に檻が設置しており、中には様々な種族の子供が入れられていた。子供達のうめき声がこだまして気が狂いそうになるほどの狂気じみていた。


「う、うぅ」


 今は関係ないと思いミリがいる闘技場向かおうとしてたが、聞いたことがあるうめき声が聞こえた。その声の持ち主の檻を覗いたら、声の持ち主はスフィアだった。


「スフィア!」


 思わず、声を出してしまった。幸い俺の近くには人がいなくて助かった。

 偶然にもスフィアを発見した。うめき声が出るということは生きているが、うつろな表情でスフィアの瞳が揺れている。何かがおかしいと思い、スフィアの身体を見てみたら、体中に集合恐怖症がみたら発狂しそうな小さな穴が開いていた。小さな穴は小さすぎて穴の奥がどうなっているかわからないけどこの程度の傷は簡単に治せる。奇妙な穴のことは置いといて生きていたことに喜びを感じた。


 スフィアには悪いが、まだここにいてもらおう。見たところ身体に穴やうめき声をが下ている以外は特に異常は見られない。周りにはスフィアよりもひどい状態の子がいるけど苦しそうに藻掻いているが生きている。きっと大丈夫でミリを助けるまでスフィアなら耐えれるだろう。


 この国の人間は本当に惨い事をする。いや、人間はそういうことをする存在と知っていた。地球では地獄のような体験したが、この世界に来て大切な者が増えてからはこの世界の住民はそんなことをしないと思い込んでいた。世界が変わっても惨いことをする人間は一定数いるということだな。

 これが何を目的にしているかは知らないが、人類の為とか言ってろくでもないことだろう。


『ごめんよ。スフィア、もう少し待っておくれ。ミリを連れて迎えにいくから』

「あ、うああ」


 俺の声は届いていないって思ったけど、俺の思いは届いてのか。返事として呻いてくれた。

 俺の気持ちが届いてスフィアは頑張って答えてくれたのだと思う。

 心苦しい思いを切り捨てて、スフィアの前から去り、ミリが現在戦っている闘技場へ再び飛ばした。


「そこだー!」

「剣を振り下ろすことしかできないのか!このチビのろまー!お前にいくら賭けていると持っているんだ!」


 地下の開けた場所に出たと思ったら、金欲にまみれた大人達がデカい檻を囲んでいて、民度低めの怒号が飛び交う空間に出てきた。

 ここが闘技場のようだ。コロッセオみたいな観客席に囲まれた円状でその中心で戦う場所と思っていたけどここの闘技場はマンガで描かれている闘技場とは全く違うようだ。


 視界に映るのは人型の体系で顔が角が生えた犬ような4メートルぐらいの化け物と満身創痍なミリが檻の中で戦っていた。いや、これは化け物による一方的な蹂躙だ。

 そして巨体な化け物が腕を振り下ろして、ミリがギリギリのところで避けた時、ミリの身体が化け物の顔の前に飛び出してしまった。


『ミリ!危ない!避けろー!』


 俺の声が聞こえる筈もなく、化け物の口が大きく開いて、ミリの胸から下に思い切りかぶり付いた。ミリの身体は胸から下が化け物に食われた。

 それと同時に化け物の顔の上半分がはじけ飛んだ。顔面の上半分をなくした化け物は静かに崩れ落ちた。口に入っていたミリの下半身が冷たくて無機質な檻の床にボトリと零れ落ちた。


 俺の念力で化け物の顔をはじけ飛ばしたんだ。ただ、間に合わなかった。

 それを見ていた怒号を放っていた観客共が静まりかえった。第三者から見たら相打ちと言ったところだろう。ミリが化け物の顔半分を消し飛ばしたかは誰にもわからない。


 ミリが手に持つのは刃が欠けて錆びついている鈍らな剣を握っているが、そんな鉄屑で巨体な化け物を傷つけられない。ゲームで例えるなら強敵相手に縛りプレイをしているものだ。


「何もできずにミリも殺されてしまった。なんて俺はなんて無力なんだ」


 ミリはまだ指が微かに動いている。だが間に合わない。

 俺がその場にいたらミリは助かったかもしれない。けど俺達が隠れている民家から地下の闘技場まで何分かかるか。一番近い入口の城まで、どんなに急いでも2分以上かかる。

 行くまでの間、ミリの身体からどんどん血が失われて、そして間に合わずに死ぬだろう。


 2日前に戻れるなら戻りたい。そんなことは不可能だ。

少し休もうかな

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