SS.捨子のミリ
主人公とミリが出会う前の話です。
視点もミリ目線となっています。
私の名前はミリ。両親と旅している何も取り柄のないダメな女の子。
「ミリ、今日はここで待っていなさい」
ある日、母親にそんなことを初めて言われた。
ここは誰も住んでいない村。誰も住んでいないことは匂いでわかる。いわゆる廃村と言う場所だ。昔、母親はここの近くの森で狩りに失敗して左肘から先を無くしてしまったから母親の手伝いで私が父親が狩った魔物を素材と魔石を剥ぎ取っていた。
私は頑張った。すごく頑張った。両親の為に頑張った。いっぱい剥ぎ取った。なのに両親は私を廃村において何処かに行ってしまったのだ。
そう私は両親に捨てられたのだ。両親の為にあんなに頑張ったのに捨てられてしまった。
いっぱい勉強をしたのに、いっぱい剥ぎ取りの練習をしたのに。それらには意味はなかった。
私は両親にとってただの都合のいい道具だったみたいだ。
その日の夜は廃村の中でも立派な家の中でとりあえず寝た。次の日、私は考えた。剥ぎ取りしかしてこなかった私はこのまま生きてこれるかと。
そんなこと地面が逆さなっても無理だ。
食べ物も両親が用意した物を食べていたし、今まで頑張って勉強してきたことも今は対して役にたたない。これからどう生きればいいのかわからない。
剥ぎ取りをするにも魔物を倒さないといけなくて私には魔物を倒す力がないから役にたたないのは変わらずだった。
自分がどうすることもできないことを実感して一杯泣いた。
両親には「待っていなさい」と言われていたが捨てられたのは可能性が高いだけの話で、もうすぐ両親が戻ってくるかもしれないという僅かな希望をもって、明るい間は廃村の周辺を両親を探すことにした。
「魔物だ!隠れなちゃ」
魔物から見つからないように木の影に隠れながら森の中を動きまわる。
魔物に襲われたら、何もできない役ただずの私なんて一飲みで食べられちゃう。
「あっ!この木の実は食べられるやつだ。しかもこんなにたくさん」
魔物から隠れた木が父親から教わった食べられる実を作る木だった。
私は運よく食べ物を確保した。木の実を持てるだけ持って昨夜泊まった家に木の実を置きに戻り、両親を探す。
しばらくその繰り返しが何日も続いた。
魔物から隠れながら両親を探して、木の実を取るのが日課になってきたそんな時、大きな魔物に見つかってしまった。
ここら辺を縄張りにしている大きな魔物はこの森の主と呼ばれる魔物だ。
「ガァァァァァァァァァ!」
大きな魔物は私を見るなり襲ってきた。必死に逃げた。
「死にたくない、死にたくない。助けてお父さんお母さん!」
もちろん辺りには誰もいないから呼んでも誰も助けてくれない。私を捨てた両親もいない。
わかっていた。でも口から勝手に言葉が出ちゃう。
どのくらい逃げたのだろう。辺りは暗くなっており星空が綺麗な夜だった。
大きな魔物は私を弄ぶように追いたてる。
逃げ疲れた私は逃げ場のない場所に来てしまった。もうダメだと思った時。
「ユ・ジュン大丈夫かぁ!!」
人影が私と魔物間に入り込んだ。
それは夜のようなつらやかな黒髪の男の子だった。
男の子が助けに来てくれたが私を誰かと間違えているみたい。
背は9才になったばかりの私より少し大きいけどこんな大きな魔物と戦えるとは思えないぐらいほっそりとした体をしているが魔物を恐れてないように見える。
「ヒュウゥ」
一緒に逃げようと言いたかったけど私は恐怖と逃げ疲れでまともにしゃべることすらできない。ふらふらで立っているのがやっとのことで思わず男の子の服にしがみついてしまった。
「大丈夫。俺が付いているから」
男の子は優しく呟くように服を握り締めた私の手を包むように手を重ねてくれた。
「ガアァァァァァァ!」
魔物は獲物が増えたことに喜びの雄叫びをあげている。
もうダメだ。男の子が来てくれても二人一緒に魔物に殺される。怖い。
怖くて男の子に抱きついた。
男の子はそれを軽く受け、優しく頭を撫でてくれた。
そして頭を撫でた手を魔物にかざした瞬間、魔物の胸に穴が開いた。
「う、嘘!森の主がこんな簡単に」
魔物の崩れ落ちる様と少し嫌な顔をした男の子を交互に見た。
もしかしたら、この男の子は魔物を触れずに倒した怖い存在ではないだろうか?
これが噂に聞く魔法かもしれない。男の子は有名な魔法使いの弟子で旅の途中、魔物に襲われている私を友達の誰かと間違えて助けに来たのかも。
それでもお礼を言わないと。
「あり、フニュ!」
「ふお?えっ?」
また、男の子は優しく撫でたけど今度は男の子の手が私の耳に触れて驚いた声を上げた。
私は獣人という種族だから頭に三角の耳が付いているの。
この国では獣人はそこまでも珍しくない種族で結構多い。他に魔族もエルフも少ないけど住んでる。
この男の子は私の耳触れて驚いたから私と誰かと間違えているから間違えた相手は少なくとも獣人ではないだろう。
確かめるように私の耳をこねくるように触ってじっくりと観察している。
「フヒッ!痛い」
男の子はいきなり私の耳を引っ張り何かを調べている。男の子は私が痛いと言っても耳を引っ張るのを止めてくれない。
「あっ、あの。痛いので耳を引っ張らないでください」
私が泣き出しそうな声で言うとやっと止めてくれた。男の子はまた驚いたように目をパチクリしていた。
自己紹介をして男の子に名前を聞いてみた。
「俺の名前?タカシだ。よろしくミリ」
男の子はタカシと言うらしい。
そのあとは助けてもらったお礼を言って、私が寝泊まりしている家に連れていった。
家に向かう途中、手を繋いでもらっていろいろお話した。
驚くとこにタカシさんは何も知らなかった。
一番驚いたのは魔法について知らないみたいだ。魔物を倒した力は魔法ではないなら何だろう。
私も知らないことが多いから後で何の力か聞いてみよう。
家に着くまでタカシさんに魔物や魔法について質問責めにあったけど私が説明できる範囲で説明した。それがとても楽しかったけどタカシさんは「聞いていた話と全然違う。騙された」と呟いていた。何が違うのだろう?
家に着いたら、部屋は食べる為に取ってきた木の実が散らかっているのに気づいたタカシさんが拾いかごをに入れて片付けていたのを見て凄く恥ずかしかった。
急いで片付けて、お腹が空いていたことに気づいて、台所にて晩御飯の用意を始めた。晩御飯の用意と言っても木の実を一口サイズに切るだけの作業だから無能な私でもできる仕事なの。
その木の実は凄く苦くて初めて食べた時は食べられなかったけどここに来てから食べられるようになった。
元々あった皿に盛りつけるとタカシさんが台所に入ってきたのでご飯にする。
「サラダができたのでご飯にしましょう」
私が作ったご飯を食べてくれるタカシさんが食べる姿を見ていると私がタカシさんのお嫁さんになったみたいでとても嬉しい。
食べ終わったら外から物音がして、タカシさんと一緒に確認しに行くと。
狼がタカシさんに飛びかかるのが見えた。
「危ない!」
私がとっさにタカシさんを押し倒した。タカシさんは倒れる中、私を包むように抱きしめて倒れた。
たぶん。私がケガをしないように配慮してくれたと思うの。
狼たちは全部で8頭。
タカシさんがその8頭を全て魔法のような力で狼たちの首をバキバキと折って倒していた。
そのあと、私が得意とする剥ぎ取りが人生の中で役にたった。狼たちの素材を剥ぎ取って家に戻りすぐに寝た。
夜中、タカシさんは私と距離を取って寝ていたのに気づいて、タカシさんに毛布を掛ける。懐に入り込んで抱き付くように眠りについた。
次の日の朝、魔物に締め付けられる夢を見たけど夢の最後にはタカシさんに助けてもらった。
お昼にタカシさんに指輪をもらった。
男の人に指輪を貰うと言うことはタカシさんから指輪を貰った私はタカシさんと結婚したということ。
私とタカシさんは今日から結婚しました。私は夢見ていたお嫁さんとして頑張ります。




