葵、愛の力!
黒龍軍の迎撃に向かった葵は兵士達を連れて向かうのだが
一刀との仲に目を奪われてしまい近くにて辺りが氷の銀世界になっているのに気づき遅れてしまう
そして銀世界にした張本人は黒龍軍五天竜の一人、氷堂氷麗であった!
葵が驚く間もなく兵士達を氷づけにした氷麗は更に氷づけにした兵士達を操って葵に襲いかかるのであった。
葵「くっ!? 」
氷麗「うふふっ 」
いくら襲いかかってきても、元が兵士達なため葵は無闇に攻撃することができなかった。
あられ『どうしよう葵!? 』
葵の相棒であるあられが聞くと
葵「こうなったら!みんな、ごめんね! 」
シュシュッ!!
葵は印を結ぶと
葵「氷遁・冷凍弾! 」
ビビビッ…
葵は冷気を両手に集めると
葵「ハァッ!! 」
ドドンッ!!
両手から冷気の弾を撃ちだし
ピキキッ!!
凍っている兵士達の足下に繰り出して動きを封じた!
氷麗「(なるほど、攻撃できないなら動きを封じればいいってわけね) 」
氷麗も葵の行動に感心していると
葵「あんたも食らいなさい!! 」
ドドンッ!! ドカッ!!
葵は氷麗の顔面に冷凍弾を食らわした!
通常ならば顔面凍結なのだが
氷麗「悪いけどね、私に氷遁は一切通用しないのよ 」
バンッ!!
氷麗は凍っておらず、むしろ無傷であった。
氷麗「通用しないけど私の顔に攻撃したお返しだよ! 」
シュシュッ!!
氷麗「氷遁・氷結銛! 」
シュシュシュッ!!
葵に氷結銛を飛ばしてくる氷麗!
葵「くっ!?氷堂流剣技・結晶切り!! 」
カカカンッ!!
葵はまるで氷の結晶を描くような動きで氷結銛を防ごうとするが
スパッ!!
葵「きゃっ!? 」
完全に防ぐことができず、右肩を少し切られてしまった。
少しくらいなら大丈夫だと思う人もいるだろうが
パキパキンッ!!
葵「くっ!? 」
切りつけられた傷跡が次々と凍っていく!
氷麗に氷遁は効かないが、葵に氷遁は効くのだ。
氷麗「(どうやらこれで終わりのようね) 」
勝利を確信する氷麗
確かにこのままいけば兵士達のように全身が凍りついてしまうのだが
葵「ハァッ!! 」
ズバッ!!
氷麗「なっ!? 」
何と!?葵は凍りついた肩の肉を自ら切り裂いて凍りつくのを防いだのだ!
葵「(前に一刀が使っていた手だけどやはり痛いわね!?) 」
肩を負傷しながらも凍結を免れた葵
葵「(でも氷遁が通じないだなんて!?なら接近戦しかないけど無闇に接近したら凍らされてしまう)だったらこれで! 」
シュシュッ!!
葵は印を結ぶと
葵「氷遁・氷分身の術! 」
ボボンッ!!
葵は分身を9人作り出すと
葵達『やぁーっ!! 』
バッ!
本体を含めた10人で氷麗に襲いかかる!
この術は分身を攻撃すると分身が氷の欠片に変化して相手に襲いかかる術であり
一度は一刀ですらも苦戦し、破ったのは勘で本体を見破った恋くらいである。
バッ!
そして葵達が氷麗に斬りかかろうとしたその時!
氷麗「惜しかったわね 」
シュシュッ!!
氷麗は印を結ぶと
氷麗「氷遁・人体雪達磨の術! 」
氷麗が術を発動させた瞬間!
ピキッ!! ピキキッ!!
葵達『えっ!? 』
いきなり触れてもない葵達の体に薄い雪がまとわりついて動けなくしたのだ!
しかも葵達だけではなく
あられ『葵!?うわぁっ!? 』
ピキキッ!!
葵「あられ!? 」
氷麗と戦っていないあられの体にも雪がまとわりついていた。
ボボンッ!!
そして動きを封じられたことで葵の分身達はすべて消えてしまう
葵「(そんな!?あたしは奴の体に一切触れてないのに何で凍ってるの!?) 」
葵が不思議に思っていると
氷麗「教えてやるよ。元々人間の体ってのは大部分が水でできている。私はその水分を凍らせただけなのさ 」
そのため触れてもいない葵とあられの体が勝手に凍るのだった。
葵「そんな…!? 」
ピキンッ!!
そして葵は完全に凍りついてしまった!
あられ『葵!? 』
氷麗「まさか新星ってのがこの程度だったなんて残念だよ。そのまま心臓が凍るのを待つことだね 」
このままではいくら葵が忍といっても心臓が凍ってしまったら死んでしまう!?
葵「(うぅ…動きたいけど指一本動かせない!?このままじゃ本当に死んでしまうわね!?) 」
ボワッ!!
そしてこの時、死の間際だからなのか葵の脳内に親と主君、仲間達の姿が走馬灯のように思い出されていた。
父様、母様、桃香様
愛紗、鈴々、朱里、雛里
星、翠、タンポポ、焔耶
紫苑さん、桔梗さん、璃々ちゃん
月、詠、恋、ねね、美以達
吹音、玲、零奈、茜、理央、遥
ジュン、神楽、ついでにエロ源治
氷麗「あなた程度の実力じゃ惚れる男の実力も大したことないかもね 」
氷麗が一刀をバカにする発言をすると
一刀!…
葵「(そういえばあたしったら一刀とこんな話をしたっけな) 」
それはまだ大戦が始まる前のこと
葵「氷遁・冷凍弾! 」
ドドンッ!!
一刀「うおっ!? 」
他のみんなが用事でいないため二人だけで行われた新星合同鍛練の最中、葵は誤って一刀の左腕に冷凍弾を放ってしまった。
葵「やばっ!? 」
葵は術を解こうとするがこの術の類いは術を解いたくらいでは凍らせるのを消せるわけではない
すると
一刀「ハァッ!! 」
ズバッ!!
何と!?一刀は気伝丸で左腕を切りつけ、凍りつくのを防いだのだ!
葵「一刀、あんた大丈夫なの!? 」
一刀「これくらい大丈夫さ、傷口は戻った時に茜に治療してもらうからさ 」
いくら治療手段があるとしても無茶である。
葵「ごめんね一刀! 」
葵が一刀に謝ると
一刀「気にすることじゃない、俺は大丈夫だったんだからさ 」
葵「でも!一歩間違ってたら凍っていたかもしれないのに! 」
葵が一刀に向かって言うと
一刀「プッ! 」
葵「何よ急に笑っちゃって! 」
葵を見て笑う一刀
一刀「いや、葵もずいぶん変わったなと思ってな 」
葵「なっ!?/// 」
出会った当初に戦いを挑んできた同じ人物だとは思わなかった。
一刀「あの葵を変えたのは何だろうな? 」
鈍感な一刀は自分が葵を変えたことに気づいていない
葵「こ…この馬鹿!!あんたなんて凍らせてやるんだから!!/// 」
一刀「うわっ!?何故だ!? 」
ということがあったのだ。
葵「(一刀、最初は単なる男だと思ってたけど今ではあたしの中で桃香様の次に守らなくてはならない存在、そんな一刀をバカにする発言は…) 」
ジュウゥッ…
葵の一刀に対する思いが高鳴る度に葵についていた雪が溶けていき
葵「誰であろうと許さない! 」
バッコォーンッ!!
最後には葵は雪達磨から脱出した!
氷麗「(好きな男のために氷河体質を身に付けたってわけか、やはり私の子孫だね) 」
氷河体質…文字通り氷遁や寒さが効かない体質
かつて氷麗も好きだったもののために氷河体質を身に付けたのだった。
葵「あられ! 」
ガシッ!!
雪達磨から脱出した葵は凍りついているあられに触れると
ジュウゥッ!!
あられ『さぶっ!? 』
葵があられにまとわりついていた冷気を吸収したおかげで雪達磨が溶け、あられも無事であった。
葵「あられ、あれをやるわよ! 」
あられ『わかった。体力少ないけど頑張るよ 』
スタッ!
あられが葵の頭の上に乗った瞬間!
葵「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前! 」
シュシュシュッ!
葵が高速で印を結ぶと
パァーッ!!
葵とあられの体が光り輝いた。
シュシュシュッ!
あられが葵と同じように印を結ぶと
パンッ!
二人は手を叩き!
葵・あられ『秘術・一心同体! 』
と同時に叫んだ瞬間!
パァーッ!!
ジャキンッ!!
葵「犬神・氷堂葵! 」
葵は一心同体形態になると
葵「(きっとみんなだって厳しい戦いをしているに違いない!なら私だけ厳しくない戦いをしちゃいけないんだ!) 」
スッ!
葵は構えると
葵「氷遁・白氷銛! 」
ゴゴゴッ…!!
葵は水で全体を作り、それを凍らせた後、風で鋭くさせることにより巨大な銛を作り出したのだ!
そして
葵「やぁーっ!! 」
ブォンッ!!
葵は銛を氷麗に投げつける!
氷麗「こんなもの… 」
パシッ!
氷麗は銛を軽く受け止めるが
ズンッ!!
氷麗「えっ!? 」
銛の勢いは止まるどころか勢いが増している!
何故ならば…
葵「ハァーッ!! 」
ゴォーッ!!
葵が銛を後ろから押していたからだ!
ビキキッ!!
だが強烈な術に触れているため葵の手にも衝撃が走る!
氷麗「(無茶なことするじゃない!?でも私だって負けるわけにはいかないよ!) 」
ゴォッ!!
氷麗も負けじと力を込めたその時!
葵「氷遁・超雪達磨落としの術! 」
葵が白氷銛を押しながら続けて術を発動させると
ゴゴゴッ…!!
氷麗の頭上に家ほどはある巨大な雪達磨が振り落とされた!
葵「ハァーッ!! 」
氷麗「(どうやらこの娘は死ぬことなんて恐れてない。恐らく愛するもののために気力だけで戦っている。まるで昔の私みたいな奴じゃないか) 」
スッ!
氷麗「ハァッ!! 」
ドドンッ!!
氷麗は氷の気を放って雪達磨を消滅させると
ドガァッ!!
氷麗「がはぁっ!? 」
氷麗はわざと白氷銛を受けたのだった!
その後、少しして
シュパンッ!!
葵「ハァハァッ…何とか頑張れた!? 」
疲労と気の消耗により一心同体が解ける葵
すると
氷麗「フッ!好いた男のために力を出しきったってわけか、さすがは私の子孫だね 」
葵「えっ!? 」
自分の子孫という言葉に反応する葵
あられ『葵、間違いないよ。さっきはわからなかったけどこの人から初代新星の臭いがする 』
忍犬であるあられは通常の犬の数倍の嗅覚を持っているのだ。
氷麗「この際だから教えてあげるよ、私達黒龍軍五天竜の正体は初代新星さ 」
葵「えっ!? 」
氷麗「だがあんた達に味方したり、敗北すると元の白骨に戻ってしまう。だけど別に死が怖くてあんた達と戦ったわけじゃない!子孫達に歴代最強と言われた私達初代新星を倒して成長してもらいたかったのさ!葵とかいったっけ?私を倒したあんたは合格だよ! 」
驚きの事実を聞かされる葵
氷麗「そしてあんたは私に似ているところがあるからよく聞きな 」
葵「は…はい!? 」
スッ!
初代新星を前にしたと知ったからか、葵は正座して話を聞くと
氷麗「好きな男は色気丸出しにして離さないよう無理矢理にでも虜にしな! 」
葵に説教する氷麗
氷麗「でないと私みたいに後悔するよ 」
すると
葵「あのぅ、差し支えなかったら初代様に一体何があったのか教えてくれませんか? 」
氷麗の恋について聞く葵
氷麗「いいだろう。私の想い人は北郷真刀って男さ 」
葵「(北郷ってまさか!?) 」
間違いなく一刀の先祖であった。
氷麗「当時の新星ナンバー1・2コンビとして私達の相性はよかったさ、そして私はあいつと一緒になるために告白してみると、あいつったら好きな人がいるから一緒になれないって… 」
とそこまで言ったその時!
シュウゥッ…
氷麗の体がどんどん白骨化していく
葵「あっ!? 」
氷麗「どうやらもう時間のようだね、葵、私の言ったことを守りな!でないと私みたいに後悔するよ! 」
ガランッ!!
そして氷麗は白骨に戻ったのだった。
葵「初代様、わたし、初代様の言葉を絶対に忘れません!この戦いが終わったら、一刀に告白します! 」
あられ『葵も大胆になったもんだね 』
黒龍軍 忍者ファイル
写堂
性別・男
階級・上忍
好物・黒砂糖
弱点・光、明るい場所
影の中に潜み、影を操る男。影を使って偽者になることもできる。




