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【本編完結】VRMMOの最強PKプレイヤー〜人には優しくって言うだろぉっ!〜  作者: 公爵蜘蛛
本編

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君の心臓が欲しい

日間ランキング四十位確認しました!ありがとうございます!

「ホホホ、驚いたかの?そりゃあそうじゃろう。なんてったってワシはかの有名なマンティコアじゃからのう」


 そう言って、マンティコアはまた笑った。コイツ、ナルシストだ。俺のレーダーはもうビンビンに感じ取っている。間違いない。コイツはナルシストだ。(大事じゃないことだけど二回言った)


 そもそもなんでモンスターのコイツが喋ってんだよ。アレか?ボスモンスターの中でもコイツは特別製だったってことか?


 トカゲなんかと比べても明らかに知性があるし、俺の行動だけでその意図を読み取る程の推察力もある。ツッコミ力もある。笑いで天下が取れるぞ…


 ハッ!?俺は一体何を考えているんだ。明らかに思考がズレている。おのれマンティコアめ!許さんぞ!この俺を誑かそうとしやがって!!


「ホホ?お主、思い込みが激しいのではないか?」


「誰がハゲじゃ!!!ハゲてるジジイに言われたくねぇよ!!」


「ホホホ、やっぱり思い込みがのう……って誰がハゲじゃ!!ワシのこれはオシャレじゃ!!スキンヘッドじゃ!!カッコイイんじゃ!!じゃ!!じゃ!じゃ…」


 いや、セルフエコー掛けるかーい!!思ってたより怒ってないな、このマンティコア。流石歳を取っているだけある。……いや、ボスとして生まれたことを考えると、この見た目でゼロ歳児なのか?ばぶーばぶーなのかもしれない。


 それにしても……これ、なんか戦う雰囲気じゃないよな。茶化した俺も悪いけど、なんか戦う気がしない。でも戦わないとここから脱出出来ないし、そもそもここに来た理由がこいつの落とすアイテムなんだよな。どうしようか。


「えーと、なぁ、マンティコア」


「なんじゃ?様を付けんか様を。リピートアフターミー、マンティコア様」


 ぐ、ぐぐぐぐぐ……なんだこの煽り性能は。天才か?天災なのか?さも当然のように言い放って居るのがやけに腹が立つ。


 発音がいいのにも腹が立つ。文字に起こしたらそうでもないのだろうが、昔聞いた英語のリスニング教材の音声みたいな発音だった。くそ、語学堪能かよ。


 俺なんて海外行っても『ディスディス、プリーズ。センキューセンキュー』ぐらいしか使えないし、発音も滅茶苦茶な上にほとんど聴き取れないのに。


 こうなったら意地でも様なんか付けてやらないからな。


「なぁ、マンティコア。マンティコアの素材を俺にくれない?」


「やれやれ、ワシに様を付けるのを意地でも嫌がるか。ホホホ、仕方ないのう。頭の硬い若者を許すのも、器のでかいワシの仕事じゃて」


 ぐぎぎぎぎぎ、こ、コイツ、一攻撃したら十で返して来やがる。語彙力豊富なのが腹立つ。


「ふむ、一体どのような素材なのじゃ?種類によっては渡してやらん事も無い」


 お!?マジか。正直言って、倒してもいいかな?って思い始めてたけど、やっぱり倒さなくていいのならそれがいい。


「え、ええと、ちょっと待ってくれ。忘れないようにメモしてきたから」


 ええと、何処だったかな。どの辺にしまったっけ?おっ!あった!


「分かったぞ。マンティ・コアだ!え?……これって?」


「ワシの心臓……じゃな」


 え、えーと、その…


「頂戴♡」


「馬鹿モーン!!ワシを殺す気か!!可愛らしく言った所で何も変わらんわ!サイコパスなのか!?お主は目の前の人に向かってお主の心臓が欲しいなどと言えるのか!?……と声を大にして言いたい所だが、手は有るにはある。」


 え?手があるの?結構無茶苦茶言ってる自信があったんだけど。もしかして、心臓が二個あって一個あれば生きるのに問題ないとか?それとも抜き取った後からでもすぐに再生出来るから問題ないとか?


「ホホホ、ちと近くまでよってみるのじゃ。マンティ・コアを渡してやろう。出血大サービスじゃぞ。何しろ身体に血を回す為の心の臓を渡すんじゃからのう。感謝せい」


 …こんなこと言ってるけど、案外優しいのかもしれないな。俺だったら絶対無理だよ。自分の心臓を死んでもないのに渡すなんて。これが、器のデカさか。流石過ぎr……ん?


 DANGER!!


 突然頭に響いた危険信号に、俺は頭が追い付かなかった。何故?ここはマンティコアしかいない筈なのに。そのマンティコアは俺に協力的な筈なのに。


 しかし、これまでの経験が俺の身体を動かした。盾を前に構えたのだ。いつもとは違う、ただ前に掲げただけの盾。だが、それが俺の命を救った。


 俺を死に追い込む一撃は俺の盾にぶち当たり……俺は勢い良く吹っ飛んだ。


「ふむ、残念。外れたか。これで上手く仕留められたと思ったんじゃがのう」


 そう、俺に一撃を与えたのはマンティコア。こいつは、ここまで俺を騙していたようだ。……正直言って油断していた。忘れていたんだ。このダンジョンは不意打ちで溢れているという事を。


 いてて、俺はダンジョンのボスと戦う時は絶対にぶっ飛ばされなきゃいけないルールでもあるのか?またぶっ飛ばされちまった。


「ホホホ、今更気づいた様じゃが、甘い。お主は実に甘い。ここがお主の墓場じゃあ!!」


 俺だってやられっぱなしじゃ居られないからな……絶対に叩き潰してやる。





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