それは尚更好都合ッ!!
「よし、じゃあ続きだ。やろうか!」
「おう、かかってくるにゃあ!」
ミーシャ選手はぐっと腰を落としてこちらを待ち受けている。
おや、いいのかい? 先手をこちらに譲ってしまって。まぁどっちでも変わらんか。
「いくぞ……とぉー!」
「隙だらけニャ!!……って重ッ!?」
私がゆっくり殴り掛かるとミーシャ選手はそれに合わせて腕を払おうとしたが、全く退けることができない。
でもさすがここまで勝ち残っただけのことはあり、そのまま流れるように私の腕を掴んで投げようとする――が、これも動かない。
「ビクともしねぇ!? なんにゃこれ!? 大岩!?」
「フッ、体幹がしっかりしてるとこうなるのだよ」
「嘘にゃ!? どう見てもありえなさすぎる重さにゃ!? 服の下どんだけデブってんのにゃ!?」
ふ、太ってねぇし! ゴスロリドレスは重量重めだけどよぉ!
私は、空間魔法を併用しつつミーシャ選手を捕まえ、空気椅子しながらその膝の上に腹を乗せた。
「ぶにゃ!? ど、どうなってんのにゃ!? 動けねぇ!?」
「フフフ、関節を完璧にキメてるからそう簡単には動けまい」
「それも嘘にゃ!? ロープで縛られてる感覚にゃよ!?」
勘のいいやつめ、だが、この体勢が一体どういうものかは分かっていないようだ。
空気の椅子に座っている私。その上に腹ばいにおなかを乗せて、両手を私の左手に握られているミーシャ選手。尻を右側に向けている。
……お判りいただけただろうか。そう、お尻ぺんぺんですねぇ!!
「おいまてテメー、何する気にゃ!?」
「お尻ぺんぺんだけど?」
「にゃんで?!」
「私がッ! 尻を! 叩きたいからだッ!!」
言いながら、私はぺしーん!! と尻を叩く。ミーシャ選手の猫尻尾がビックンとはねた。
「みぎゃ!?」
「スパッツごしだけど、これはなかなか……! 臀部の良い肉付きだねぇ」
「や、やめっ……ッ」
「おらァッ!! 二発目ッ!!」
「にゃぁあああー!?」
ばしーんっ!! と、再度尻を叩く。耳と尻尾だけ猫なミーシャ選手の尻は、尻尾以外は人族のそれと変わらない。ぷるんと弾力のある肉が私の平手打ちに波打った。
「お、おいッ! やめるにゃ! やめてくれにゃ!? おい審判! こいつふざけてるにゃ、宣言通り反則とってやれにゃ!!」
「はっはっは、何を言ってるんだミーシャ。この姿勢は弱点があって、これで固めると私は右手でしか攻撃ができない! そして右手の攻撃範囲には尻しかない! そう、これは必然の尻叩きで、この固め技が有効なうちにダメージを蓄積させるために尻を叩くしかないのだッ!! そういうことなのでこれは真面目な攻撃だから止めないでね審判!?」
私が説明多めに主張すると、審判はうぐっと逡巡する。
「……ぞ、続行ッ」
「よしきた!」
「や、やめ!? やめてくれにゃ! この大会、親も見に来てるんだニャ!?」
「それは尚更好都合ッ!!」
「ぶにゃああああああーーーーーー!!!」
ばしーん!! と三度目、四度目と尻を叩いていく。
そんな親御さんまで見に来てる大会で、こんな醜態を晒すなんてねぇ! 恥ずかしいねぇ!?
「て、てめえっ、後で覚えてろにゃああ!?」
ミーシャ選手、顔真っ赤で涙目になりながら吼える。
(ちょっと長くなっちゃったので分割。続きは明日!)








