7 魔王VS神、最終決戦2
ばしゅっ……!
俺が放った炎の剣は、奴の体に触れるか触れないかのところで、いきなり消滅する。
さらに二本、三本、四本――。
奴に近づいた端からすべて消滅し、やがてすべての『メテオブレード』が消し飛んだ。
「くっ……」
俺とステラの合体魔法も、まったく寄せ付けないとは……。
「ふん、まるで涼風だ」
神がせせら笑った。
やはり奴の周囲は『拒絶』のフィールドに守られていて、通常呪文では歯が立たないか。
ならば――、
「『メガファイア』!」
今度は最上級の火炎呪文だ。
さらに『メガサンダー』や『メガウィンド』など最大級呪文を連打する。
「無駄なのが分からぬか?」
神が俺を見据えた。
火炎も、稲妻も、突風も――すべてが奴に触れる前にかき消えた。
「最上級呪文も完全無効化か……」
すべての呪文が奴まで届かない――。
「次は我からいくぞ」
神が剣を掲げた。
その刀身が黄金の輝きに包まれる。
「ステラ、離れろ」
「フリード様……」
「接近戦だ。お前は後方から援護を」
「……分かりました」
心配そうにしながらも、ステラは後方に下がった。
「『収斂型・虚空の斬撃』!」
それを確認し、俺は魔力剣を生み出した。
手持ちの呪文の中で最強の攻撃力を持つ、魔力エネルギーを具現化させた剣。
右手に魔王剣を、左手に魔力剣を構え、俺は二刀流で迎撃する。
「ふん!」
神が剣を振るった。
襲いかかる剣圧を二本の剣で受ける俺。
「っ……!?」
すさまじい重圧だった。
バシィッ……!
嫌な音を立てて、魔力剣の方が消滅した。
魔王剣の方は無傷だが、両手に重い衝撃が走る。
「どうした? それは貴様の最強呪文ではなかったか?」
神が笑う。
「ちいっ……」
俺は後退した。
先ほど、一度剣を合わせただけで――その衝撃だけで、俺の体のあちこちが裂け、血が噴き出している。
痛みはあったが、そこに意識を向けているゆとりはない。
「……さすがに今までの敵とは違うか」
「今ごろ畏怖したか? 魔王が神に敵うと思うなよ」
さらに一閃。
振るわれた神剣が俺の胸元を切り裂く。
「ぐっ……ううっ……」
即座に治癒呪文を唱え、傷を治した。
が、体力をごっそり削られたような脱力感までは治らない。
さらに神が連続で斬撃を繰り出してきた。
ライルの体から放たれる攻撃は、一撃一撃が速く重い。
「以前より腕を上げたな、ライル……それとも神の力で底上げされたか?」
「我が力を上乗せしているに決まっているだろう! まあ、この少年もそれなりの素質は持っているが」
神がさらに剣を振るう。
四肢を斬り裂かれ、痛みに顔をしかめる俺。
(フリード様)
ふいに、ステラの念話が聞こえた。
(――ステラ!)
(五秒後に左へ!)
ステラからの指示を受け、俺はきっかり五秒後に左へ飛んだ。
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