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愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第14章 新たな神話へ

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5 反撃の輝き

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」




 魔軍のあちこちから歓声が上がった。


「力が湧いてくる!」

「す、すごい、失われていた力が――」

「魔王様が呪いを解いてくださったんだ!」

「さすがは魔王様!」

「さすまお!」

「さすまお、さすまお!」


 ……いや、いちおう戦闘中だし『さすまお』はやめよう。


 ともあれ、魔族にかけられた呪いは無事に解除できたようだ。


 さあ、反撃開始といこうか。


「全軍で『光の王』たちを総攻撃だ。今のお前たちなら勝てる!」


 俺は全軍を鼓舞した。


 そして、俺自身も魔力を高める。


 ごおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!


 体中から炎のような魔力のオーラが立ちのぼった。

 そのオーラが、たちまち成層圏まで到達する。


「こ、これは……!?」


 予想をはるかに超えた魔力の勢いに、俺は驚いた。


 いや、勢いだけじゃない。


 体内に意識を向ければ、はっきりと分かる。


 俺の魔力が――今までの比じゃない!


「力が、どんどんあふれてくる――!」


 どうやら、俺自身も『神による弱体化』を受けていたらしい。


 今までは『歴代魔王で最強の魔力』を振るっていたし、正面からの戦いではほとんど押されたことさえなかった。


 だから気づきにくかった。


 だが、考えてみれば分かることだ。

 外見は人間のときとほぼ変わらないが、魔王として生まれ変わったとき、俺の肉体は魔族のそれに変化した。


 当然、俺の体も『神による弱体化』を受けていたんだ。


 そして、それが今、解き放たれた。


 はっきりと感じる。


 俺の魔力が今までの数倍……いや、数十倍、いや――。


「数百倍にも膨れ上がっている……!」


 俺は右手を突き出した。


「ふん、呪いを解いたか」


 ライルの姿をした『神』が口の端。


「まあ、いかに力を高めようとも魔族ごときが我を討つことなどできん――」

「どこまでも俺を――魔族(おれたち)を見下すんだな」

「魔族を指して『俺たち』とは。自身を人ではなく、完全に魔族と認識しているわけか」


 神が告げる。


 ライルの瞳が、俺を見据える。


「……そうだ。今の俺は魔族の王」


 その台詞を、俺は胸を張って告げた。


 勇者だった俺だけど、今は自分を『魔王』として認識している。


 魔族たちの、王。


 彼らを導き、彼らを守る存在。


 それが俺だ。


 そう在りたい――。


 それが俺の願いだ。


魔族(なかま)とともに戦い、彼らを守る――それが俺の戦いのすべてだ」

「人の身でありながら、そこまで堕ちたか。まあ、どうでもよいか。人など、我にはただの手駒だからな」


 神が告げる。


「むしろ、よくぞそこまで力をつけたと言うべきかもしれんな……さあ、貴様の力を取りこんでやろう、魔王よ」

「何……?」

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