3 縁に従い、師匠と弟子はふたたび対峙する
「いくぞ、ライル・ライアード。我らが力でもって魔王を討つ」
厳かな声が響いた。
ライルのすぐ側から。
いや、少し違う。
ライルと重なり合うようにして、その声はどこからか響いたのだ。
「お前は……誰だ……!?」
「『メガファイア』!」
ジュダがいきなり最上級の火炎魔法を放った。
不意打ちかつ問答無用の一撃だ。
ばぢぃっ!
ライルの前面でその火炎がすべてはじけ散る。
いや――消滅する。
「今のは――!」
俺とジュダが同時に叫んだ。
単なる防御魔法や術式じゃない。
魔法自体が『消滅』してしまった。
この現象を俺は以前にも見たことがある。
神の力による『拒絶』――。
「まさか、ライル――お前は……!」
「『断罪』」
ライルが静かに告げた。
「がっ!?」
見えない拳に殴り飛ばされたかのように、ジュダが吹き飛ばされる。
「が……はっ……」
たった一撃で、あのジュダが動けなくなった。
「おい、ジュダ――」
「彼から、目を逸らさないで……っ」
倒れたままジュダがうめいた。
「私のことはいい。彼から一瞬でも集中を逸らせば――殺される」
「っ……!」
俺は慌ててライルと向き直った。
「神よ、僕の元に降臨せよ――」
ライルが静かに告げた。
天空から黄金の光が降り注ぎ、ライルを直撃する。
そして――。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ。
空間が雄たけびを上げるように鳴動した。
大気が激しく震えている。
いや、大気だけじゃない。
この世界そのものが、震えている。
地上に顕現した神の圧におびえるかのように。
「ようやく向き合うときが来たな、魔王フリード」
ライルが俺を見据えた。
否、こいつはライルじゃない――。
姿かたちこそ俺の愛弟子そのものだが、雰囲気も声もまったく違う。
今、ライルの人格に宿っているのは――。
「神そのもの……なのか……!?」
俺の、最後の敵だ。
【読んでくださった方へのお願い】
面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!
評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!
評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある
☆☆☆☆☆をポチっと押すことで
★★★★★になり評価されます!
未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!








