表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第13章 切り開く未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

175/193

17 究極の火炎魔法

「『双焔灼天弾導破(バーストメギド)』!」


 俺はメガファイア二発を融合させた火炎魔法の奥義を放った。


 メガファイア単発では、おそらく防げないだろう。

 それを重ね合わせた、この最強火炎魔法でなければ――。


 ごうっ……!


「何っ!?」


 最強火炎魔法すらも撃ち抜き、ルドミラの矢が迫った。


「これほどまでの威力とは――」


 おそらく神気を制御し、貫通力に特化してあるのだろう。


 とはいえ、俺の『双焔灼天弾導破(バーストメギド)』を撃ち抜くとなれば、生半可な神気量ではない。


「人間は成長する――言ったはずよ」

「――そうだな」


 俺は口元に笑みを浮かべた。


 人間とは成長する生き物だ。


 それは今よりも強くなる明日を信じ、未来へと踏み出す意志の力が成し遂げること。


 その力は――『人間』である俺にも宿っている。


 ならば、俺もまた。


 今まで以上に成長し、神をも超える力を得てみせる。




 俺とジュダは魔法を連打しながら、四天聖剣たちの攻撃と渡り合った。


 ルドミラたちは以前とは比べ物にならないほど強くなっている。


 油断はできない。

 ただし、こっちにもジュダという頼もしい味方がいる。


 俺たちの戦いは一進一退だった。


「ふふ、こうしているとヴェルファーとともに戦ったことを思い出すよ」


 ジュダが爽やかな笑みを浮かべた。


「親友を失い、私は半ば抜け殻になっていた……だけど、彼は帰ってきたのかもしれないね。君という新たな友人として――」

「えっ」

「いや、感傷なんて私らしくないね。さあ、続きだよ――フリードくん」


 ジュダが、初めて俺の名を呼んだ。


「――ああ、やれるぞ。俺とお前なら! 新合体魔法――」


 俺たちは魔力を全開にした。


 ぎぎぎぎ……ぎしっ、びきぃ……っ。


 あまりの魔力量に周囲の空間が大きく軋み、歪む。


 空のあちこちに亀裂が走り、衝撃波が走る。


「『魔焔崩天弾導破(ルシファーズメギド)』!」


 俺たちの『メガファイア』を融合させた『バーストメギド』――それを同時に数発撃ち出し、すべてを融合させる


 同時に融合させた『メガファイア』の数は合計で十発を超えているだろう。


 赤から黒、さらに純白へと変化した超特大の火球が突き進んだ。


 かつて過去の魔界で俺とヴェルファー、ジュダが三人がかりで生み出した火炎系の究極魔法――それすらもはるかに上回る究極奥義だ。


 複数の大出力魔法を束ね合わせるには、非常に繊細な魔力コントロールが必要になる。


 その大半は卓越した魔術師であるジュダに頼りつつ、俺自身も今まで以上の魔法技術で、この魔法の完成に貢献した。


 いや、技術というよりはカンに近い。


 この土壇場で――この土壇場だからこそ会得できた力。


 俺自身の、『人間として』成長していく力が、それを成し遂げさせた。


「きゃあっ……!?」


 ルドミラたちの悲鳴が響く。


 彼女たちが束ねた神気を打ち消しながら、俺とジュダの火球が四天聖剣たちを吹っ飛ばした。


「ぐっ……」


 どうやらルドミラたちの神気は大幅に目減りしたようだ。

 さすがに、あれではすぐに回復できないだろう。


 今が、押し込む好機だ!




「『魔焔崩天弾導破(ルシファーズメギド)』!」


 俺たちの攻勢は続く。


 先ほどまでは神気を自由に使いこなし、俺たちを押し込む場面もあったルドミラたちだけど、一気に形勢はひっくり返った。


 魔界で最強の魔力を持つ俺とジュダの連携は、さすがにパワーアップした四天聖剣でも止められないようだ。

 と、


「さすがに手ごわいね……だったら、あたしたちもすべての神気を束ねて、お前を討つ!」


 ルドミラが叫んだ。


 彼女が弓を、フィオーレが剣を、シオンが槍を、それぞれ構える。


 しゅおおおおおおおおおおおっ……。


 三人の奇蹟兵装にまばゆい黄金の光が宿った。


「来る――」


 俺も魔力を高めた。


 隣では同じくジュダが魔力を高めている。


 どうやら、これが最後の勝負になりそうだ。


 技ではなく、戦術でもなく。

 お互いの『力』を限界まで放出しての、純粋な力比べ――。


「俺も同じだ。すべての力を結集し、お前たちを退ける」


 そして、魔界を守る。


 俺の大切な仲間たちを。

 俺の大切な居場所を。


 かつては、俺も『そちら側』だった。

 勇者の一員だった。


 だけど、今はもう違う。


 そして、魔界の側にもかけがえのないものがたくさんある、と知ってしまったんだ。


「だから、譲れない――」


 だから、守る。


 俺が。


 王として――!




 そして、俺たちの一撃はついにルドミラたちを敗走させたのだった。

【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。




▼書籍版1~3巻発売中です!

actefkba5lj1dhgeg8d7ijemih46_cnq_s1_151_p3li.jpg av1c16pwas4o9al660jjczl5gr7r_unu_rz_155_p11c.jpg rk21j0gl354hxs6el9s34yliemj_suu_c6_hs_2wdt.jpg

▼コミック1~4巻発売中です!

6q9g5gbmcmeym0ku9m648qf6eplv_drz_a7_ei_1dst.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ