15 VS最終決戦型勇者2
「だが――」
俺はまだまだ障壁を生み出せる。
このまま勇者たちの攻撃に押し切られはしない。
とはいえ、奴らもこのまま力押し一辺倒で来るとは限らない。
この攻撃自体が小手調べかもしれない。
油断は禁物だ。
一片の気の緩みが、彼女たち相手には致命傷となる――。
そんな予感がする。
と、
「『メガファイア』!」
「っ……!?」
後方からジュダが巨大な火球を放つ。
ルドミラたちは慌てたように跳び下がった。
「不意打ちか……」
三人がジュダをにらむ。
「魔王くん一人では手こずりそうだからね」
ジュダが笑っていた。
「私も以前よりも魔力が上がっている。君とともに戦うよ」
「だけど、相手だってかなり強く――」
「もっとも古く、もっとも強き魔族――このジュダを信じられないかい?」
彼の笑みが深くなった。
その自信に満ちた笑顔は、まるで――。
「まるで……ヴェルファーみたいだな」
「はは、最後の戦いは、彼のような『心』で戦ってみるよ」
ジュダが告げた。
失った友に、誓うように。
「お前とともに戦えることが誇らしいよ」
「奇遇だね。私もだ」
ジュダが嬉しそうに言った。
「あいつは魔王に次ぐ魔力を持った魔術師タイプね。遠距離からの撃ち合いに持ち込ませないように間合いを詰めましょう」
ルドミラが言った。
「わざわざ狙いを宣言するのか」
「ええ、宣言通りの攻撃を成功させる自信があるからね」
苦笑する俺に、ルドミラは真っ向から言い放った。
その言葉と表情には、確かに自信がみなぎっている。
強くなった――。
ルドミラだけではなく、フィオーレも、シオンも。
それが伝わってくる。
俺たちが最終決戦に向けて準備している間、彼女たちもそれなりの準備をしてきた、ということだろう。
「いくぞ――」
俺たちは異口同音に告げ、戦いの第二幕が始まった。
【読んでくださった方へのお願い】
面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!
評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!
評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある
☆☆☆☆☆をポチっと押すことで
★★★★★になり評価されます!
未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!








