14 VS最終決戦型勇者1
――ぞくり。
ふいに、天軍の最奥から巨大な気配が膨れ上がるのを感じた。
この俺でさえ、思わず寒気を覚えるほどの強大な『神気』。
「まさか――」
覚えがある。
この気をまとった者たちと、俺は以前に戦っている。
だが、そのときとは『神気』の量がけた違いに上がっていた。
信じられないほど膨大な威圧感が吹き付けてくる。
まるで魔王クラスと相対しているかのような、そんな感覚。
次の瞬間、『光の王』たちが左右に分かれた。
ぽっかりと開いたその道から、三つの影が進み出る。
空中を悠然と進む、その者たちは――。
「そこまでよ、魔王!」
「弟の仇はどこ……?」
「今度こそ俺たちが勝たせてもらう!」
凛とした声とともに、三人の男女が俺の前までやって来た。
「ひ、ひいい……」
「な、なんだ、こいつら……」
「とんでもない神気……!」
眼下では魔族の軍勢がざわめいていた。
魔王軍の誰も彼女たちを攻撃しようとしない。
完全に威圧されていて、攻撃することさえできない。
もっとも――仮に攻撃しようとしても、俺は制止しただろう。
「兵たちとは力の差がありすぎる……!」
ぎりっと奥歯を噛みしめる。
三人は、いずれも黒い装束をまとった勇者だった。
『風』のルドミラ。
『炎』のフィオーレ。
『水』のシオン。
「四天聖剣か――」
といっても、死んだリアヴェルトの代わりはいないようだ。
最高位の勇者である三人が空中にたたずみ、それぞれの武器――奇蹟兵装を構えている。
――来る!
俺は即座に身構えた。
奴らの闘志と敵意は最初から最大限に高まっているのを感じる。
すぐに全力の攻撃が来る――!
「射抜け!」
「貫け!」
「斬り裂け!」
次の瞬間、ルドミラの矢が、フィオーレのレイピアが、シオンの槍が――。
三方向から攻撃が飛んできた。
当然、俺はすでに備えを終えている。
「『ルシファーズシールド』×10」
風、炎、水の三つの属性攻撃を、俺は魔力障壁を何重にも張ることで防いでみせた。
ぎっ……!
ぎぎぎぃぃっ……!
障壁が、大きく軋む。
爆発と同時に、障壁の表面に無数の亀裂が走っていく。
「これだけの数の防御魔法を使っても、衝撃を殺しきれないか――」
思った以上にパワーアップを果たしているらしい。
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