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第13章 切り開く未来

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13 決死の防衛戦

「へえ、思った以上にやるね。私の防御術と遜色がない」


 ジュダが微笑んだ。


「さすがは九尾の狐の眷属だ」

「防御の後は――当然、反撃だ」


 俺は両手を掲げた。


「メガファイア!」


 左右から同時に最大級の火炎呪文を放つ。

 さらにそれを空中で融合させた。


「うん、完璧だね」


 そばでジュダがうなずく。

 この日のためにジュダとマンツーマンで訓練してきた、俺の新しい呪文。


「合体魔法──『双焔灼天弾導破(バーストメギド)』!」


 赤から黒へと変色した巨大な火球が、数十体の『光の王』をまとめて爆破した。


 過去の世界でヴェルファーとジュダが使っていた合体魔法。

 それを俺は一人二役で再現したのだ。


 メガファイアを同時に二発撃つ魔力がなければ、この術は使えない。


 ヴェルファーの魔力でさえ、これは無理だとジュダが言っていたが……俺の魔力はそれを超えている。


 後は二つの呪文を融合させる技術をジュダに学び、土壇場で完成させた、というわけだった。


「よし、いけるぞ――」

「フリードくんには今の術を軸に、『光の王』を掃討してもらうのがよさそうだね」


 と、ジュダ。


「ああ、行ってくる。ジュダは俺が討ちもらした敵の対応を頼む。オリヴィエはいったん降下して、自軍の負傷者に備えてくれ」

「了解だよ」

「承知いたしましたぁ!」




 そして、こちらの反撃が始まった。


「合体魔法──『双焔灼天弾導破(バーストメギド)』!」


 俺はメガファイア二発を融合させた超級の呪文で、量産型『光の王』を次々に撃墜していく。


「次から次に出てくるな……」


 以前の第二次勇者侵攻戦でこいつらが出てきていたら、魔界は危なかっただろう。


 神が温存していたのか、あるいは――。


「俺が過去に行ったことで、未来の歴史にも変化が生じた……!?」


 おそらく、こっちが答えだろう。


 過去の世界で俺は神と対峙した。

 神は未来の自分が俺を倒すと言っていた。


 そのために備えていたんだ。

 この最終決戦で最大の戦力を注ぎこむべく。


「ただし――俺だって過去に行く前の俺じゃない」


 過去の世界で目にして、今では俺自身の術として会得した新技がある。


 この『双焔灼天弾導破(バーストメギド)』でまずは薙ぎ払えるだけ薙ぎ払う。


 そして、さらにあの切り札も――。


「残りの欠片は天軍が持っているはず。それを手に入れれば――」

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