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第13章 切り開く未来

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12 VS量産型


 るいいいいいいいいいいいいいいおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううううううううううううんっ。


 空から声が響いた。


 声というよりは無限に重なり合った反響音というべきか。


 その声だけで全身の毛穴が開き、ぬるい汗が噴き出してくる。


 この異常なまでのプレッシャーは――神だ。


 それも以前に太古の世界で会ったときよりも、威圧感が格段に上がっている気がする。

 年月を経て、さらにその力が増大しているのか……?


「推察通り――これらは『光の王』の量産型」


 神の声が告げた。


「さあ、魔界全土を制圧するとしよう」


 じゃきん。

 じゃきん。

 じゃきん。

 じゃきじゃきじゃきじゃきじゃきじゃき……いいいいいいいん。


『光の王』たちがいっせいに剣を掲げた。


「一体残らず滅びよ。一片残さず滅せよ」


 奴らが同時に剣を振り下ろした。


 しゅごぉっ!


 そこからほとばしる閃光の雨。

 あれらすべてが神気による光線なんだろう。


「俺が防御する! サポートを頼むぞ、ジュダ、オリヴィエ!」

「しょーがないなぁ」

「は、はい、全力を尽くしますぅ!」


 俺は最大魔力で『ルシファーズシールド』を張った。


 同時に『ホーミングレイ』を連打し、防御と迎撃の両面で奴らの『光の雨』を防ぎ、あるいは撃ち落としていく。


 だが、数が多い。

 多すぎる――。


「『ルシファーズシールド』」


 ジュダが時間差で防御呪文を唱えた。


「あ、『ホーミングアレンジ』付きだよ」

「何……?」


 見れば、ジュダが生み出した防御結界は細かな破片に分かれ、『光の雨』の一発一発を追いかけて防いでいく。


「自動追尾型の防御結界――?」

「そ。私のオリジナル呪文だよ」


 微笑むジュダ。


「君の魔力コントロールでは、まだこれは難しいかな」

「……そうだな」


 さすがはジュダだ。


 魔力量なら俺の方が上だが、細かなコントロール技術では、まだ全然かなわない。


「オリヴィエくん、残りは頼むよ」


 と、ジュダがオリヴィエに呼びかけた。


「あ、あたしにできるでしょうか……」

「大丈夫だ。オリヴィエの魔力は強い。自分を信じて、すべてを出し切れ」

「……!」

「お前を信じる」


 俺の言葉に息を飲むオリヴィエ。


「は、はいっ!」


 オリヴィエの九本の尻尾が逆立ち、その先端からそれぞれ赤い光球が飛んだ。


 ヴ……ヴヴヴヴヴヴヴヴヴッ……!


 光球はさらに空中で無数に分裂。


 ジュダの『自動追尾型ルシファーズシールド』さながらに、『光の雨』の残弾を追いかけ、防ぎきった。

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