11 押し寄せる威圧
「神は今まで――魔界に攻めこむタイミングを図っていたんだろうね。結界自体は破壊するのは難しくなかっただろう。神の力をもってすれば」
「……その気になれば、神はいつでも結界を壊せた、ということか」
「だろうね」
俺の問いにうなずくジュダ。
「といっても、それなりの代償が必要なはずだよ。リスクがないなら、とっくに結界を壊して天軍をこの世界に雪崩こませている」
「確かに、な」
俺は天を見上げた。
「奴の払う代償とはなんだ?」
「私にも具体的なことは分からないな。ただ――軽くはない代償だろう」
と、ジュダ。
「あるいは自分の存在すら危険にさらすほどの」
「……ジュダ、お前もしかして何か知っているんじゃないのか?」
俺はハッと気づいてジュダを見る。
そのとき、空一面に無数の光点が現れた。
どんっ……!
同時にすさまじいプレッシャーが空から降り注ぐ。
「ひ、ひいっ……」
オリヴィエがその場にうずくまる。
恐怖で立っていられなくなったのだろう。
確かに並の魔族ならその威圧感で聖神崩壊してしまうのではないかというくらいのすさまじさだ。
「――フェリア、聞こえるか」
俺は念話で夢魔姫フェリアに連絡を取った。
彼女は精神魔術に長けている。
上手くいけば俺の心の声を察知してくれる――。
「聞こえまーす」
と、フェリアの声が返ってきた。
「上空からすさまじいプレッシャーを感じる。民たちがおびえないよう、精神防壁を設置してくれ」
「了解です」
敵の威圧感を和らげる精神防壁――これはフェリアの得意分野だ。
とりあえず最低限、民を守る準備をしておいて、
「『アビリティギア』」
俺は五感を増大させる呪文で空を凝視した。
「あれは、まさか――」
ハッとなる。
光点の正体に気づいたのだ。
視力を増幅したことで、その姿がはっきりと見えた。
「ちょっと洒落にならない数だね……」
ジュダがつぶやく。
「ああ、まさかあれ全部が――」
俺は唇をかんでうめいた。
「あれ全部が……『光の王』なのか……!?」
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