5 勇者たち、最終強化
またまた時間が空いてしまった……(汗
ちょっとずつ進めていきます……亀ペースでごめんよ(´・ω・`)
「ふううっ……!」
ルドミラは大きく息を吐き出した。
ごおおおおおおっ……!
全身から神気が吹き上がるようだ。
今までの比では、ない。
そしてそれは、彼女と同じく天使の修行を受けている四天聖剣のフィオーレやシオンも同じことだった。
第二次魔界侵攻のときよりも、さらに――ルドミラたちは力を付けた。
すべては、来たるべき最後の戦いのために。
すべては――魔王軍を討ち、地上に平和をもたらすために。
「よくここまで鍛え上げましたね……」
天使ルージュが感心したように言った。
「三人とも本当によくがんばりました。今や、あなたたちの力はかつての魔王たちをもしのぐでしょう」
「かつての魔王、か」
ルドミラはため息をつく。
「では『現在の』魔王と比べてどうですか?」
「それは――」
ルージュが口ごもった。
「……現魔王フリードに関しては分かりません。歴代の魔王を超える魔力や戦闘能力を備えていますから。こればかりは、実際に戦ってみないと――」
「ですね。あたしは二度、魔王と戦い、二度とも完敗しています。だけど――三度目はない」
ルドミラが拳を握り締める。
「今度こそ勝ちます。そして魔軍を滅ぼします。彼らに苦しめられる人間が二度と現れないよう。彼らに傷つけられる人間が二度と現れないよう――」
「そうですわ、ルドミラさん。魔族を滅ぼす――思いは私も同じです」
「そうだね。地上の愛と正義のために」
フィオーレとシオンがルドミラの左右でうなずく。
「準備は整ったようだな――」
頭上から声が響いた。
全身が畏怖の感情で震えだす。
「あ……ああ……」
ルドミラは乾いた声で小さくうめいた。
うめくことしかできない。
「ま、まさか、あなたは――あなた様は――」
答えを聞かなくても分かる。
この声は、神の声。
神の意思が直接自分の脳内に響いている――。
「いよいよ、邪悪なる魔王との決戦のときが来た。悠久の戦いに今こそ決着をつける。お前たちにはそのための力となってもらうぞ」
「はっ」
三人の勇者は声をそろえて深々と礼をした。
「最終決戦……」
ルドミラがつぶやく。
この戦いに勝利すれば――世界に平和が訪れるのだろうか。
かつて、魔族によって故郷の村を滅ぼされた自分のような存在が、二度と現れなくなるのだろうか。
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