21 砕けた魔王剣
俺は神と対峙しながら、眼下の戦いを監視していた。
魔王軍は押されていたが、俺も神から離れるわけにはいかなかった。
こいつを俺が抑えておかないと、眼下の魔軍は神の攻撃で一気に薙ぎ払われる危険があるからだ。
魔界ならともかく、人間界においては神の攻撃を防ぐ術はほとんどないだろう。
ゆえに──俺はここで神を釘付けにしておく必要があった。
地上の戦いをヴェルファーやジュダたちに任せながら。
「あれは……!?」
そのとき、地上で閃光が弾けた。
四人の使徒が放った巨大光弾をヴェルファーが魔王剣で受けとけ、剣の刀身が砕けたのだ。
刀身が完全に折れたわけではないが、いくつかの破片が世界各地に散っていく。
「──そうか。魔王剣が壊れたのは、このときだ」
俺はハッとなり、ステラに通信した。
彼女に『あること』を指示しておく。
「なんだ、企みごとか?」
神が俺を見た。
「魔王の剣である『煉獄魔王剣』。すべての魔族を守護するその宝剣が砕けた今、我が力ですべての魔族を弱体化させることが可能だ」
神が朗々と告げた。
「弱体化だと……!?」
「さすれば、人間の力だけでも魔族を討てるようになるだろう。いずれは、な」
と、神。
「我には他の神々との戦いが待っている。真の絶対者となるために。ゆえに、魔族ごときとの戦いに、そこまでの力を割くわけにはいかぬ」
こいつ、何をする気だ――。
神から感じる威圧がさらに巨大に膨れ上がっていく。
どこまでも。
どこまでも――。
「さあ、終わりのときだ――【すべての魔族はその力を減じ、弱き者へとなり下がれ】!」
神の言葉が世界に広がり、覆い尽くした……。
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