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愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第12章 運命の果て

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20 天軍の猛威3

気が付けば、随分と間が空いてしまいました……すみませんm(_ _)m

続きもぼちぼち書き進めていますので、気長にお待ちいただけましたら幸いです。

「メガファイア!」

「『拒絶の盾』!」


 ジュダが放った最上級火炎呪文は、使徒たちの生み出したエネルギーの障壁に弾かれる。


「名前からして神の防御術と同質のものかな? なかなか厄介だ……」


 単純に防御力が高いだけなら、それを上回る火力で破壊することができる。


 だが神の『拒絶』は違う。

 おそらくは『発生した事象そのもの』を跳ね返す能力だ。


「存在そのものに干渉し、運命を決定づける能力……というところかな」


 それこそ運命を捻じ曲げるような力でもない限り、『拒絶』を貫くことはできまい。


「さて、どう攻略するか……」


 考える。


 あの防御はいつでもすぐに出せるものではないはずだ。

 もしそうなら、上空でフリードと戦ったときに彼の攻撃をすべて『拒絶』で防いでいたはずだ。


 だが、実際にはフリードの攻撃を彼らは迎撃していた。


「発動にタイムラグがあるのか、消耗が激しいタイプか、あるいは特定条件でのみ発動か……いずれにせよ、その隙をつくしかないね」

「何か策を練っているのか?」

「無駄ですよ!」


 四人の使徒たちから強烈な神気が立ちのぼる。


「まとめて砕け散りなさい!」


 使徒たちがいっせい右手を突き出す。


「『天想烈壊聖燐弾(ヘブンズストリーム)』!」


 放たれた四つの光弾が空中で融合し、より巨大な光弾となった。

 灰色に淀んだ光弾だ。


「こいつはまずい……! 下がってろ、ジュダ!」


 ヴェルファーが前に出て、魔王剣を掲げた。

 光弾を真っ向から受け止める。




 ぴしりっ……!




 刀身に大きな亀裂が走った。


「何……!?」

「ヴェルファー!」


 ジュダは横合いから魔力弾を放った。

 使徒たちの光弾の威力を──そのベクトルをずらし、ヴェルファーを援護するために。


 ばしゅっ……!


 だがジュダが全魔力を込めて撃った魔力弾ですら、使徒たちの攻撃に触れただけで消滅してしまう。


「この威力は──」


 使徒だけのものではない。

 おそらくは神から授かった『力』をも上乗せした一撃。


「まずい、魔王剣が──」


 ヴェルファーがうなった。


 次の瞬間、彼の持つ剣が砕ける。

 刀身は折れこそしないものの、あちこちが刃こぼれし、いくつもの破片となって宙を舞った。


「くくく、魔王剣が砕けたな! これで魔族を守護する宝具は効力を失う──」


 使徒たちが勝ち誇ったように叫んだ。


「お、おのれ……!」


 無念の声を上げるヴェルファー。


 砕け散った数個の破片は、流星のように光る尾を引きながら、世界各地に散っていく──。

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