20 天軍の猛威3
気が付けば、随分と間が空いてしまいました……すみませんm(_ _)m
続きもぼちぼち書き進めていますので、気長にお待ちいただけましたら幸いです。
「メガファイア!」
「『拒絶の盾』!」
ジュダが放った最上級火炎呪文は、使徒たちの生み出したエネルギーの障壁に弾かれる。
「名前からして神の防御術と同質のものかな? なかなか厄介だ……」
単純に防御力が高いだけなら、それを上回る火力で破壊することができる。
だが神の『拒絶』は違う。
おそらくは『発生した事象そのもの』を跳ね返す能力だ。
「存在そのものに干渉し、運命を決定づける能力……というところかな」
それこそ運命を捻じ曲げるような力でもない限り、『拒絶』を貫くことはできまい。
「さて、どう攻略するか……」
考える。
あの防御はいつでもすぐに出せるものではないはずだ。
もしそうなら、上空でフリードと戦ったときに彼の攻撃をすべて『拒絶』で防いでいたはずだ。
だが、実際にはフリードの攻撃を彼らは迎撃していた。
「発動にタイムラグがあるのか、消耗が激しいタイプか、あるいは特定条件でのみ発動か……いずれにせよ、その隙をつくしかないね」
「何か策を練っているのか?」
「無駄ですよ!」
四人の使徒たちから強烈な神気が立ちのぼる。
「まとめて砕け散りなさい!」
使徒たちがいっせい右手を突き出す。
「『天想烈壊聖燐弾』!」
放たれた四つの光弾が空中で融合し、より巨大な光弾となった。
灰色に淀んだ光弾だ。
「こいつはまずい……! 下がってろ、ジュダ!」
ヴェルファーが前に出て、魔王剣を掲げた。
光弾を真っ向から受け止める。
ぴしりっ……!
刀身に大きな亀裂が走った。
「何……!?」
「ヴェルファー!」
ジュダは横合いから魔力弾を放った。
使徒たちの光弾の威力を──そのベクトルをずらし、ヴェルファーを援護するために。
ばしゅっ……!
だがジュダが全魔力を込めて撃った魔力弾ですら、使徒たちの攻撃に触れただけで消滅してしまう。
「この威力は──」
使徒だけのものではない。
おそらくは神から授かった『力』をも上乗せした一撃。
「まずい、魔王剣が──」
ヴェルファーがうなった。
次の瞬間、彼の持つ剣が砕ける。
刀身は折れこそしないものの、あちこちが刃こぼれし、いくつもの破片となって宙を舞った。
「くくく、魔王剣が砕けたな! これで魔族を守護する宝具は効力を失う──」
使徒たちが勝ち誇ったように叫んだ。
「お、おのれ……!」
無念の声を上げるヴェルファー。
砕け散った数個の破片は、流星のように光る尾を引きながら、世界各地に散っていく──。
『実家から「無能だ」と追放された俺は、実は史上最強の魔法スキル【オーバースペック】を持っていた。「本当の天才は兄たちじゃなく、俺だったのか……」実家が没落していくのを横目に、俺は強くなって成り上がる。』という新作を投稿しています。
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