18 天軍の猛威1
いよいよコミカライズ1巻が1月25日発売です!
時間は少しさかのぼる──。
「派手にやり始めたみたいだね、フリードくんは」
ジュダが空を見上げた。
すさまじいプレッシャーが先ほどから押し寄せてくる。
勇者はもちろん使徒すらも比べ物にならないほど巨大なプレッシャー。
おそらくは『神』だろう。
そして、そんな神を相手に、フリードは真っ向から戦っているようだ。
先ほどから天空に無数の爆光が弾けている。
「いやいや、とんでもないね……」
ジュダが肩をすくめた。
「感心している場合じゃないぞ。俺たちは俺たちの戦いを進めるんだ」
魔王ヴェルファーが言った。
「奴が空で神を引きつけてくれているなら、俺たちは地上を制する」
「了解だよ」
前方を見据える。
数百メートル先に、黒い衣装をまとった勇者の軍団がずらりと展開していた。
さらに上空には四つのシルエットがある。
神直属の配下──四人の使徒だ。
彼らの能力はいずれも魔軍長を凌ぐ。
四人そろった状態ではヴェルファーでも不覚を取る恐れがあった。
「だけど、私がいれば──」
そう、自分とヴェルファーのコンビならば無敵だ。
たとえ相手が神でも、負ける気がしない。
ちらりとヴェルファーを見ると、彼もこちらを見てうなずいた。
お互いに、気持ちは同じだ。
通じ合っている──。
「『天想炸裂弾』!」
使徒たちがいっせいに光弾を撃ってきた。
「『ルーンシールド』」
ジュダが魔力障壁を張り、光弾をすべて受け止めた。
爆風から自軍全体を守るため、限界まで範囲を広げてある。
「くっ……!」
だが、あまりの威力でシールドに無数の亀裂が走った。
「私の『盾』が一撃でここまで……さすがに強いね」
ジュダはふうっと息をついた。
「私と魔軍長たちで連携しよう! 勇者たちは今までとはけた違いに強化されている。決して侮らぬよう!」
背後を振り返って叫ぶ。
普段は飄々としている彼だが、さすがに笑みが消えていた。
それだけ四使徒を強敵と認識しているのだ。
もちろん、前方の黒い勇者たちも手ごわい敵である。
「こっちも戦力を総動員する必要があるな。出し惜しみはなしだ」
ヴェルファーが煉獄魔王剣を構えた。
「いでよ──『闇の王』!」
剣を掲げ、叫ぶ。
ごごごご……ごご……!
空間が割れて、巨大な何かが出現した。
「──切り札投入、だね」
つぶやくジュダ。
全長百メートルを超える、漆黒の竜。
魔導装甲で覆われた、機械的なデザインの巨竜だった。
『闇の王』。
ジュダと魔界最高峰の魔導技術者たちが集まって作り上げた、最強の魔導兵器である。
「魔導兵器か……なら、僕らも」
使徒のひとり、ノワールが微笑む。
「来い──三体の天軍兵器!」
空が割れて三つの巨大なシルエットが下りてきた。
一体は、炎に覆われた赤い獅子。
一体は、風をまとった緑の鳥。
一体は、水に包まれた青い竜。
「『炎の王』『風の王』『水の王』──合体だ」
三体が空中で折り重なり、別の姿へと変わる。
「最強の天軍兵器──『光の王』。魔王を殺し、魔界を制覇するための兵器さ」
ノワールが勝ち誇った。
【大事なお知らせ】
漫画版の1巻がいよいよ1月25日に発売されます。下のリンクから公式ページに飛べますので、よろしくお願いします~!
また、小説版の1~3巻がサーガフォレスト様から発売中です! 4巻以降が出せるかどうかは3巻までの売り上げにかかっているため、ぜひよろしくお願いします~!
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