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愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第12章 運命の果て

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15 降臨せし者

コミカライズ第3話(前半)、明日更新予定です。下の方にあるリンクから漫画のページに飛べますので、ぜひどうぞ~!


【10.9追記】

コミカライズ3話は10月23日公開予定に延期されたようです……申し訳ありませんm(_ _)m


「使徒たちには、まだ我が手駒として働いてもらわねばならん。お前たちに殺させるには惜しい」


 神が言った。


「我が直接出向けば、他の神に付け入る隙を与えることになろう。だが、それも致し方なし──お前のようなイレギュラーの排除を優先するとしよう」

 神が俺を見据える。

「イレギュラーだと?」

「因果律の外に在る者。因果律を超える力を振るう者。すなわち──運命を超越し、運命を改変する可能性を持つ者。それがお前だ、『運命を超越せし者(フェイトブレイカー)』」

「フェイト……ブレイカー?」

「それ以上のことを知る必要はない」


 神が傲然と言い放つ。


「魔王をはじめとする魔族軍を壊滅させ、魔界へ侵攻するとしよう。天界、人間界、魔界──すべての世界を我が支配下に置く」

「侵略者が……!」


 地上からヴェルファーがうめいた。


「無礼者め。【神罰にて肉も魂も打ち据える】」


 神が呪言のようなものを唱える。


 直後、辺り一面が閃光に包まれた。

 神が放った数千数万条の稲妻──。


「ぐっ、がぁぁぁ……っ」


 それらの稲妻に全身を打ち据えられ、苦鳴を上げるヴェルファー。

 いくら『始まりの魔王』でもこれだけの数の雷撃を一度に食らっては──。


「ヴェルファー!」


 ジュダが横合いから最上級雷撃魔法(メガサンダー)を放ち、かろうじて神の雷を跳ね返した。


「ほう、なかなかの魔力だ」


 神がわずかに笑ったようだ。


「だが、神の敵にはなり得ぬ」


 今度は数万単位の火球が降り注ぐ。


「くっ……!」


 ヴェルファーとジュダはそれぞれ防御魔法を発動するものの、火球のすさまじい物量の前に押し切られ、吹き飛ばされた。

 強い──。


「そら、とどめだ」

「やめろ! お前の相手は俺だ!」


 俺は神に向かって叫んだ。


「『メテオブレード』!」


 炎の剣を百本近く生み出し、矢のように放つ。


「無駄だ。【神を傷つけることは、何者にも(あた)わぬ】」


 静かに呪言を告げる神。


 その周囲に、虹色に輝く魔法陣のようなものが数百単位で出現した。

 俺が放った炎の剣は、それらに当たったとたん、


 バシュッ……。


 あっさりと霧散してしまう。


「これは──」


 単なる防御じゃない。

 そう、リアヴェルトがまとっていた『拒絶』の神気と同じ技だ。


 いや、むしろ──。


「これが我が力。何者であろうと、我が『拒絶結界』を貫くことはできん」


 神が静かに告げた。


 これこそが『拒絶』のオリジナル。

 そして、真の形ということか。


 さすがに、これまでの相手とは違う──。

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