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愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第12章 運命の果て

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9 魔と天と人の死闘2

 合体魔法『超焔灼天爆導破(イクシードメギド)』。


 最強の火炎呪文であるメガファイアを複数の術者が同時に放ち、融合させ、その威力を倍加させる究極の火炎魔法。

 しかもそれを放ったのは俺とジュダ、ヴェルファーという魔界の歴史上でも五指に入るであろう魔力の持ち主たちだ。


 白い火球は使徒の光弾と激突し、


 轟っ!


 一瞬で吹き散らし、そのまま使徒たちに炸裂した。


「ぐっ……うああああああああああああああっ……!?」


 四人の悲鳴が響く。

 連鎖的な爆発が、空一面を真っ赤に染め上げる。


「はあ、はあ、はあ……」


 やがて爆炎が晴れると、四人の使途はいずれも衣がほとんど吹き飛び、血と火傷にまみれていた。

 全員、半死半生といった様子だ。


「はっ、いくら使徒といっても、俺たち三人の術を食らうのはキツかったか?」


 ヴェルファーが吠える。


「おのれ……邪悪な者どもの力がここまでとは……」


 言いながら、四人の体が閃光を発した。

 たちまち、体の傷も衣も完全に元通りになる。


 回復系の神術か。


「……彼ですね」


 赤い衣の少女が俺を見た。


「ヴェルファーとジュダの魔力は分析済み……ですが、彼だけはデータがほとんどありません」

「ヴェルファーとジュダをさらに上回る魔力……なるほど、これが『運命超越者(フェイトブレイカー)』の力……」


 つぶやいたのは黒い衣の少年だ。


「こちらもすべてをぶつける必要がありますね」


 碧の衣の少年が言った。


「ならば──来たれ、勇者たちよ!」


 白い衣の少女が朗々と叫ぶ。


 同時に、天空の亀裂からふたたび光が降り注いだ。


 そこから降り立ったのは、数万単位の勇者たち。

 大地を埋め尽くすかのような大軍勢だ。


 全員が剣や槍、斧といった黒い奇蹟兵装を持ち、身にまとうのは黒い法衣。

 さらに、


 煌──!


 天の亀裂から虹色の光が降り注ぎ、彼ら全員を包みこんだ。


「あれは!?」


 見覚えのある現象だった。


「そうか、第二次勇者侵攻戦のときの……!」


 リアヴェルトが魔王城の地下から奪い去り、自らそれをまとって戦った──『神の力』。

 今、黒い勇者たちを包んでいる虹の光は、それによく似ていた。


「まさか──」


 いやな予感がした。


 もし、彼ら全員がリアヴェルト並の能力を持っていたとしたら……!?

 そんな奴らが数万単位で攻めてきたら、いくらヴェルファーたちでもひとたまりもないだろう。

 魔王軍は壊滅し、魔界も一巻の終わりだ。


「……フリード様」


 ステラが俺の袖をギュッとつかんでいた。

 きっと、俺と同じ想像をしていたんだろう。


「大丈夫だ、ステラ」


 俺は彼女の手を握った。

 暖かくて、柔らかくて、細い手だ。


「俺がいる。必ずお前を──みんなを守ってみせる」

「私も、全力を尽くします。勝利のために」


 ステラは身をかがめ、俺の手の甲に口づけした。


「あなたの、ために」

「ああ、勝つぞ」


 と、


「総力戦というわけか。ならば!」


 ヴェルファーが背後を振り仰いだ。


「我が片腕たる魔軍長たちよ! そして我が刃たる兵たちよ! 魔族の強さと矜持を今こそ見せつけよ!」


 手にした煉獄魔王剣(ラーディス)を振りかざす。


 おおおおおおおおおおおおおおおっ!


 地鳴りのような雄叫びがこだました。

 魔軍長や兵たちの士気が一気に最高潮に達したようだ。


「……ちょっと芝居がかってないか?」

「ふふふ、魔王っぽくてよかったよ、ヴェルファー」

「いや、俺はそもそも魔王だし……大体、今の台詞はお前が原案だろう」

「まあ、魔軍長も兵もやる気になってるんだからいいじゃないか」


 微笑みつつも、ジュダの目が笑っていないことに気づいた。


 ここからが、本番だ。


 最初のぶつかり合いでは、俺たちが使徒を圧倒したが、これから始まる総力戦こそが本当の戦い──。

 真の死闘は、これから始まる。


 俺はその予感で全身を震わせた。

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挿絵(By みてみん)




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