19 そして、神話の戦いへ
【書籍版2巻、発売中です!】
本作の書籍版2巻が発売中です!
売れないと2巻で打ち切られてしまうので(重要!)、お気に召した方はぜひお買い上げいただけましたら幸いですm(_ _)m
試し読みや特典情報は下のリンクから公式ページに飛べますので、そちらでご確認くださいませ(*´∀`*)
せっかくコミカライズが決まっても、小説の方が打ち切りなのは悲しいので、なんとか続きを出したいところです。なにとぞ……なにとぞ……!m(_ _)m
天界で、神が戦況を見守っていた。
魔王ヴェルファーやその配下を前に、押し気味に戦闘を進めていた数百の天軍兵器たち。
それが、突如乱入した新たな魔族によって、あえなく敗れ去ったのだ。
「天想機王が敗走し、天想聖王の軍団も破壊された──」
苦々しげにうなる神。
「なんと……! いかに魔王ヴェルファーや魔導師ジュダ、そして魔軍長たちといえど、そこまでの戦闘能力があるとは」
足元にかしずく美しい少年少女──数人の使徒がいっせいにざわめいた。
「いや、どうやら加勢した者がいるようだ」
説明する神。
「かねてから警戒していた、新たな魔族──ヴェルファー以上の脅威かもしれぬ、その魔族だ」
まず捨て駒代わりの勇者たちを放ち、魔族軍の戦力を分析した。
しかる後に、これを殲滅できるだけの戦力を計算し、自信を持って送りこんだ天軍兵器たちだった。
それが、一掃された。
神の見立ては絶対である。
人間たちはこれを『神託』と呼んで、崇める。
その神託級の目論見が、あっさりと覆された。
たった一人の魔族によって──。
神にとって、これ以上の屈辱はない。
「我が見通した運命では、魔族は全滅するはずだった。魔界にできるだけ傷がつかないよう、最小限の被害に抑えて。たとえ、新たな魔族が加わろうと、その結果が覆ることなどあり得ない」
神が告げる。
ただ魔族たちを滅ぼすだけなら、たやすい。
神の全知全能を傾け、跡形もなく葬り去ればよいのだ。
だが、神は魔界そのものも欲していた。
闇に包まれた虚無の大地──。
だが、だからこそ無限の可能性を秘めた場所でもある。
そこを、新たな領土とする。
そして、他の神々から抜きん出た存在として力を溜める。
神はひそかな野心を燃やしていた。
魔界を手に入れるために、何度も何度も因果の流れを──運命の道筋を見た。
因果とは運命──世界を縛る理と言ってもいい。
神や魔王ですら、そのルールからは逃れられず、打ち勝つこともできない。
──にもかかわらず、あの魔族フリードは打ち破った。
「なぜだ──ん、これは……!?」
神はその時、ようやく気付く。
「因果が……ねじ曲がっている? いや、かの者の行動自体が新たな運命と化している──?」
「そんなことが……!?」
使徒たちがいっせいにどよめいた。
因果とは絶対のルールだ。
それに干渉できる存在は、通常ならあり得ない。
そう、あり得るとすれば──。
「ここはやはり」
神は玉座から立ち上がった。
「私が出るしかない」
──何をする気だ、【SF70813】
──魔界に対して必要以上の攻撃を加える気か?
──魔の者に対しても相応の慈悲を。
──我らは無限の愛を持つ存在。
──たとえ魔族が相手でも憎んではならぬ。
「神々か」
同胞たちの声に、神は眉を寄せた。
「ここは私の管轄区域だ。他の神々は引っこんでいてもらおうか」
──汝には強い攻撃性を感じる。
──神としての責務を逸脱するのではないかと心配でならぬ。
「黙っていろ」
神の全身から虹色の輝きが立ち上る。
高めた神気に、同胞たちの気配はおびえたように去っていった。
「神よ、ならば私たちも」
使徒たちがいっせいに立ち上がる。
「うむ。小手調べは終わりとしよう。魔界にできるだけ傷はつけたくないが──かの者が『あの存在』ならば悠長なことを言っておれぬ」
神は厳かに告げた。
「全員、神気を整えておけ。準備が終わり次第、魔界への侵攻を開始する」
それは──。
神の軍と魔王軍との全面戦争を意味していた。
次回から新章になります。また、連続更新はいったんここまでになります。
次の更新時期は他の作品や書籍化作業、コミカライズ関連との兼ね合いになるため、スケジュールを整理し、再開時期のめどが立ち次第、活動報告か、このあとがきに追記する形でお知らせします。
今しばらくお待ちいただけましたら幸いです~!
【19.6.8追記】
次回の更新は6月12~13日あたりを予定しています。6月13日からサーガフォレスト様で4周年フェアが行われ、本作もフェア対象となるため、それに合わせての更新となります(*´∀`*)
2巻の書影です↓
※ ※
「面白かった」「続きが読みたい」と思っていただけましたら、感想やブックマーク、最新話の下部にあるポイント評価を押していただけると励みになります(*´∀`*)
日間総合ランキングでの10ポイントはとても大きいので、ぜひよろしくお願いします~!
※ポイント評価欄は最新話の広告の下にあります。








