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珍味との遭遇

異世界に来てから一ヶ月ぐらいが経過し少しは慣れてきた様子の花春。

先日モニターを頼まれたテントに関してはレポートもまとめ報告に行く事に。

報酬が伏せられていたという事もあり、報酬はなんなのか。

とりあえずは会いに行く事にした。


「お邪魔します」


「よく来てくれましたね、クエストの報告でしょうか」


「うン、これがモニターの感想とかをまとめたレポートね」


道具のモニターを終えたレポートを渡す。


そして錬金術士からの報酬が告げられる。


「では報酬なのですが、報酬はそちらのモニターをしていただいたテントになります」


「へっ?いいの?」


「はい、私は自分のものがありますから」


「それはそうなンだけど…まあくれるって言うならもらうけどさ」


「そちらは改良型のものなので、私が使っているものより品質がいいですよ」


錬金術士が言うには、このテントは改良型だという。

自分は古いタイプのものを持っているので、報酬として受け取って欲しいとのこと。


そういう事ならという事で、それを受け取る事にした。


「では私はまた旅に出るので、どこかで縁があればまたお会いしましょう」


「…行っちゃったね」


「しかし便利なものをいただいてしまいましたね」


「これで宿代は浮くと考えればいい仕事でしたね」


とりあえずまた別のクエストを受けに行く事にした。

ランクは一段階上がってFランクになっていた。


とはいえ高いランクの依頼は今のメンバーでは受けられない。

ただイーリアが現在はEランクなので、そこまではクエストも受けられるという事になる。


「うーン、何かいいクエストとかないかな」


「これなんかはどうですか?」


「魔物の討伐、ただし死体を持ち帰る事、依頼人は貴族のお嬢様…?」


サミヨが見つけた依頼は魔物を討伐し死体を持ち帰るという依頼。

依頼人は貴族のお嬢様と書いてある。


魔物を捕獲するのではなく、討伐しその死体を持ち帰るという事が気になった。

対象となるのはスライムの魔物という注文もついていた。


「これを受けてみようか、ちょっと興味深いし」


「ではこれで決まりですね、発注しましょうか」


「はい、そうしましょう」


「すみませン、これを受けたいンですけど」


「かしこまりました、では確かに受理したので依頼人から詳細を聞いてください」


依頼は受理され花春達は依頼人の貴族のお嬢様とやらに会いに行く。

貴族のお嬢様というが、どんな人なのかは分からない。


失礼などもないように襟は正しておく事に。


「ここかな?凄い豪邸…門番に話せばいいのかな?」


「とりあえず話をしてみましょうか」


「はい、そうしましょう」


「すみませーン、ここのお嬢様からのクエストを受けてきた冒険者なンですが…」


「その証拠となるものは?」


クエストを受けた証拠として渡された証明見せる。

クエストの依頼人から直接受ける際には、その証明となるものが発行される。


門番にそれを見せたら、確かに間違いないとの事で屋敷の中へと通してくれた。


そのままお嬢様のところへと案内してくれた。


「えっと、失礼しまーす…」


「あなた達が今回の依頼を受けてきてくれた冒険者の人達ですか?」


「はい、それで依頼というのは」


「えっと、簡単に説明すると魔物の肉の確保なんです」


「魔物の肉?なんでまた?」


お嬢様曰く魔物を食べられるようにする研究をしているとか。

その中でも異国で珍味として食べられているスライムを手に入れてきて欲しいとのこと。


スライムはコアを破壊すれば倒せるが、その体の粘体までは崩れない。


そのスライムを倒し、スライムの体を構成する粘体の部分を持ち帰って欲しいとのことらしい。


「今回頼みたいのはスライムの肉の確保なんです、肉とは言いますが粘体の部分ですね」


「それは分かりましたが、スライムは強敵ではないですか?」


「はい、ですがこの近辺のスライムはまだ弱いのでEランクあれば倒せると思います」


「ならそれをお受けします、しかしスライムは暗いところに出る魔物ですよね?」


「ここの近辺だとこの屋敷から東にある廃墟に出るそうですよ」


スライムが出るのはここから東にある廃墟らしい。

ちなみにスライムは物理耐性が極めて高く、魔法以外はロクにダメージにならない。


幸いこちらにはマジックユーザーのイーリアがいるので、弱いスライムならなんとかなりそうだ。


「東にある廃墟ね、なら行ってみるよ」


「はい、数は大体スライムを10体分ぐらいでお願いします」


「分かった、それじゃ行ってくるね」


対象となるのはスライムの粘体の部分を10体分。

レベルも少しは上がり、イーリアが複数の属性を使えるようになっているのでそれに頼る事に。


花春もいくつかの攻撃魔法はラーニングしているようではある。


「ここがその廃墟みたいだね」


「廃墟とは言いますが、無人になり放置された貴族の屋敷みたいですね」


「こんな立派な建物を放置出来るなんて、貴族の財力を感じさせますね」


「とりあえずスライムを探してみようか」


まずは対象となるスライムを探す事に。

スライムは音で分かるという事もあり、聞き耳を立ててみる。


するとそのスライムを発見する。


「スライム発見!」


「弱い個体でも攻撃が強いのと物理攻撃が効かないので、イーリア頼みですね」


「任せてください、その代わりしっかり守ってくださいね」


イーリアを守りつつスライムの攻撃を受け止めていく。

体当たりなどはともかく、粘液飛ばしの攻撃は極めて厄介なのがスライムだ。


そのまま順当にスライムを狩り続け、言われた通りの10体分のスライムを確保する。


それを屋敷に持ち帰りお嬢様に見せる事に。


「とりあえず持ち帰ったよ、一応言われた通り10体分ね」


「早くて助かります、これが噂に聞くスライムですか、確かに新鮮で美味しそうですね」


「本当にスライムを食べるのですか?」


「もちろんです、早速調理してみるので少しお待ちを」


「貴族のお嬢様なのに料理なんかもするんですね」


お嬢様がスライムを持ってキッチンへ行き、しばらくして料理を持って戻ってきた。

そこにはあのスライムとは思えない料理がズラリだった。


とりあえず一緒に試食してみる事になった。


「美味しい~!これがスライム…魔物食研究をしててもレア食材と言われるスライムの味!」


「確かに美味しい…スライムってなンというか、肉の脂身みたいな味がするね」


「はい!ですがこれは弱い方のスライム、強いスライムはもっと美味しいはず!」


「お嬢様、目がキラキラしてますね」


「魔物食の研究をしているとは聞いたものの、スライムはレア食材なんですね」


お嬢様は魔物食の研究をしているという。

獣や鳥は散々食べてきたが、スライムはレア食材なのだという。


そんなレア食材、とはいえ弱いスライムではまだ味はそこまでという感じの様子。


強いスライムはもっと美味しいのだという事なのだろうか。


「ありがとうございます!また魔物食の可能性を一つ知れました!」


「うン、力になれたのなら何よりなンだけど」


「あ、それと報酬をお渡ししますね、お金、10万カルドとスライム料理のレシピです」


「10万、そンなにもらっていいの?」


「はい、貴族からしたら10万は端金なのもありますし」


貴族からしたら10万は端金。

まあその通りではあるので、一応素直に受け取る事に。


それとお嬢様が考案したスライム料理のレシピもいただいた。


今後スライムと戦った時にスライの肉を手に入れられたら食べてみてねという事なのか。


「さて、それじゃまた別のクエストを受けに行こうか」


「次の街に今のはもう少ししてからでいいですしね」


「何か面白いクエストがあるといいですが」


錬金術士から報酬でもらったテントがあるので、その日の夜はそれで寝る事に。

またそのテントは比較的安全な場所を探して設営する事とした。


テントを設営するのなら場所は選ぶべきという事である。


スライム料理は思っているより美味しかったようで、異世界の広さを知った様子。

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