次の街へ行こう
異世界に来てから少しの日数が経過した。
花春も多少はレベルが上がり、お金も貯まってきた様子。
それで最初の村である程度の装備は整えた。
そして次の街を目指して歩いていると。
「次の街までもう少しかな、それにしても最初の街の近くだけに青魔法持ちはいないのか」
そんな次の街に向かって歩いていると、見た事のないモンスターに遭遇する。
とりあえずサーチをかけてからたかってみる事に。
「お、こいつ青魔法持ってる、いざラーニングしてやるからかかってこいッ!」
新たな土地の近くで出会った青魔法持ちのモンスター。
とりあえずラーニングするために、アピールをしてみる事に。
「へいへーい!かかってこーい!」
そうしているとモンスターが特殊な攻撃を仕掛けてくる。
どうやら青魔法のようだ、見ればラーニング出来るという事のようで。
「はい、キター!はじめての青魔法のゴブリンヒットのラーニング完了!」
「さーて、それじゃあとは倒してしまおうかな」
そのままモンスターを倒す、新しい土地のモンスターでも割と楽に倒せる様子。
とりあえずドロップ品を回収し、次の街へと向かう事に。
「ここが隣街かぁ、村に比べれば規模は大きいのかな」
とりあえず街の中を一通り見て回った後、ドロップアイテムを換金する。
持ち物はそんなに多くは持てないので、持てる数を増やせるアイテムとかを探す事に。
「お、これ魔法のカバンってやつか、仕組みは分からないけど、たくさン入るやつ」
「えっと、金額は…5000カルド、冒険者の必需品って書いてあるね」
「財布の中身は…4000カルドか、これならそンなかからないかな」
「ちょっと稼いでくるから待っててね!」
そのままモンスターを狩りに行く。
ついでに新しい装備を買うためのお金も一緒に稼ぐ事にした。
それから一時間程度戦い、ドロップ品を換金してそのまま魔法のカバンと新しい装備を買う。
「魔法のカバンと新しい武器と防具!やっと短剣は卒業して、サーベル買ったぞー!」
「刀が買えるのはまだ先になりそうかな、とりあえず冒険者クランを覗きに行こう」
そのままこの街にある冒険者クランの支部に行く。
道具屋などは支部にもあるが、図書館などは本部のみの施設とのこと。
「えっと、依頼は…討伐の他にもいろいろあるね、あと国策クエスト?」
「すみませン、この赤い紙の国策クエストってなンですか?」
「はい、国策クエストとは国からの依頼ですね、報酬が美味しい代わりに少し難しいものです」
「あと達成した人は国からの信頼を得られるというメリットもありますね」
赤い紙のクエストは国策クエストという国からの直接の依頼らしい。
報酬が美味しい代わりに、難易度は少し高めとのこと。
ちなみに国策クエストは冒険者ランクによる制限がない。
低ランクでも受けられるが、おすすめはしないとの事のようだ。
「あとこのクリエイトスキル?っていうの何?バトルスキルとは違うスキルポイントのやつ」
「クリエイトスキルはアイテムを自作する事が出来るスキルになりますよ」
「つまりスキルのレベルを上げれば、自分で道具を作ったり出来るって事か」
クリエイトスキル、要するにアイテムを自作するスキルだ。
なお一部のクリエイトにはタレントと呼ばれる、特殊な才能のようなものが必要らしい。
「クリエイトスキルにはタレントが必要なものもあります、確認はここで出来ますよ」
「なら確認させてくれない、何があるのかな」
「かしこまりました、少々お待ちを」
とりあえずクリエイトスキルに必要なタレントを確認してもらう事に。
「えっと、花春様のタレントはオリジナリティと味覚と繊細な手先、精霊の祝福ですね」
「つまり料理や細工や魔法が得意って事かな」
「はい、そういう事になります」
花春のタレントから得意なクリエイトは料理や細工などになる。
精霊の祝福というのは魔法関係の素質を持つ人は必ず持つタレントらしい。
「この国策クエストっていうのを受けたいンだけど、いいかな」
「それは構いませんが、ソロで挑むのはおすすめしませんよ?」
「仲間を探した方がいいのか…あ、そこの和服のオネーサン!」
クランの中にいた、周りから見たら珍しい格好の和服の女性。
刀を二本下げていることから、侍のようだ。
「私か?お前は…その様子だと冒険者としては駆け出しのようだな」
「うン、国策クエストを受けたいから少し力を貸してくれない?」
「…まあ構わん、駆け出しなのなら経験は積ませてやらねばな」
「やった、名前を聞いてもいい?あたしは秋上花春っていうの」
「花山、菊染花山だ」
花山という名前の侍の女性。
とりあえず許諾は得たという事で、改めてクエストの申請をする事に。
「国策クエストの申請承りました、今回はこの街の近くにある遺跡の調査になります」
「遺跡の調査、まだ残ってたって事は誰も受けてなかったって事だよね?」
国策クエストは頻繁には来ないもの。
残っていたという事はまだ誰も受けていないという事か。
「さてっと、よーし!気合い入れていくぞ!」
「待て、装備や回復薬などは持っているか?」
「一応持ってるけど、もっと買った方がいい?」
「そうだな、所持金と相談してくれればいい」
「うーン、ならそのまま行こう」
とりあえずはそのまま向かう事に。
遺跡があるのは街の西にある海岸沿いらしい。
「待て、花春は青魔道士だろう」
「うン、そうだけど」
「それなのに刀を扱えるのか?」
「あー、一応扱えると思う」
「ならばこれを、私のお古ではあるが、今使っている武器よりはずっと強いぞ」
花山のお古だという刀を渡される。
その刀の強さは、この辺りの街で買える武器の何倍もの強さだった。
よければ受け取ってくれないかということ。
「この刀、もらってもいいの?」
「構わん、一応店でも買えるものをクリエイトスキルで強化したものにはなるが」
「ならもらっておくよ、これでしばらくは武器にお金を使わなくて済む、よっしゃ」
「それじゃ遺跡に向かおうかな」
「ああ、何かあれば守ってやる、ただし油断はするなよ」
そのまま遺跡に向かう事に。
花山の格好についてもちょっと聞いてみた。
「そういえば花山ってもしかして東の国の出身みたいな人だったりする?」
「分かるのか?確かにその通りだが」
「やっぱりか、まあなンとなく知ってる程度ではあるけどね」
そこについてはとりあえずそういう事にしておく。
道中のモンスターに青魔法持ちがいたので、それをラーニングしておく。
「青魔道士というのは面白いな、魔物の技能を学習する事が出来るのか」
「うン、この辺りはまだそンな強い青魔法持ちの魔物はいないっぽいけど」
そのまま遺跡へと向かって歩いていく。
道中のモンスターは花山が瞬きする間もなく斬り捨てていく。
「花山、めっちゃ強くない?なンでこんな魔物が弱い地域にいるのさ」
「一応以前はAAランクの冒険者パーティーにいた、今は抜けているがな」
「マジか、そりゃ強いわけだよ」
「花春は薬師の素質も持っているようだが、薬などは自作出来るのか?」
「材料があれば出来ると思う、薬草とか水とか」
薬師が出来る事は薬を作る事や味方の治癒をする事。
ちなみに調合は様々な薬を作る他に、戦闘においては攻撃薬を作ったりも出来るらしい。
「ここがその遺跡かな?国の兵士がいるね」
「あなた達は国策クエストを受けてきた人でしょうか」
「ああ、ここにその証拠もある」
「確かに、では調査をお願いします」
「よっし、行くか」
国策クエストはクエストを達成する他にレポートも書いて提出しなければならない。
なおクエスト中に手に入れたものは、国が要求してくるもの以外は全て自分のものにしていいという。
珍しいものなどが手に入る事もあるようで、報酬と合わせるとお金もたんまり入るとか。
そんなわけで花春と花山の二人で遺跡の調査を始める事となった。




