45. あ~~~~~~つまんなーいっ!!
男選別シグナルとして、邪龍の気配を常時展開するという、完全闇堕ちモードで、豚に神代を爆走させているパティちゃん!
「いやはや、さすがはパティちゃんさま。草木でさえ避けて行くとは……。」
「つまんなーい。」
本来、闇堕ちとは正義の主人公グループの誰かが、洗脳などなど、色んな手段で敵になってしまったシチュエーションだ。
つまりパティちゃんは見た目だけのエア闇堕ちだね!
淫紋を通した邪龍の気配による装身。
真白の肌のほとんどを塗り尽くすような黒と、飾りのヴァイオレットピンク。
もう、完全に敵キャラだ。
「やっぱり、これ止めた方が集まってくるよね?」
「しかし、それでは弱き者どもしか、集まらないであろう。」
「それはヤダ!」
「やはり、どこかの町で情報を……失礼。」
御者台に座り、豚を鞭打つベッキーがノックをしたのだ。
ロッちんは、小さな窓を開けて、ベキ子と話をしている。
パティちゃんは、この上なくヒマでヒマで仕方なかった。
「パティちゃんさま。」
「なに?」
「近くに、村があるようで、今日はそこで泊まるか、先へ進むか、どちらがよかろう。」
「じゃあ――そうだ。」
ムクリと、パティちゃんは起き上がる。
ニヤリと、わるーい表情だけど、何するの?
「もてなして、貰おっか。」
「ほう。」
「このボクを、楽しませてもらったら良いじゃん!」
「なるほど。」
「というわけで、とりあえず制圧しよっか!」
*** ***
そんなわけで、パティちゃんは存在しないはずの権力を、声の大きさだけで罷り通して、もてなしを要求したんだ。そして、パティちゃんは村の広場みたいなところで、思い付くままにイベントを開催し始めたんだ!
ザックリいうと、村娘を並べて、ひとりひとり前にだしては、その娘のことが好きな男を呼び出して告白させる、というイベントだ。
だけど、途中でパティちゃんが軽く誘惑してくるんだ。
そこで、誘惑に負けた男はボコボコにされちゃうんだ。
しかも、誰にも告白されなかった村娘は、性女が美味しく食べちゃうとか言うものだから大変だ!
口答えした村長の娘さんは、すでに頂かれちゃったぞ。
そのことでさえ、邪龍チラ見せで黙らせるとか、完全に悪じゃないですか!
ひどく理不尽なイベントだね!
でも。
そういうわけで、村の男は勇気を示すしかないのだ!
「おっ、おれっ! その……シャーミィのこと、、、前から、」
「アレク……っ。」
そんなアレクとシャーミィの間にパティちゃんが割り込んで訊く。
「ボクの身体、ひと晩たっっっぷり堪能したくない?」
直球ストレートの誘惑。
もう何度も目にした罠。
それでも、男とは度し難い生き物で、莫迦は、どうしたって気が緩んでパティちゃんの言葉に劣情を、催してしまう、
「おれは、シャーミィを抱きたい!」
「えっ///」
「「おおー。」」
と、こういう幸せなカップルが出来上がる場合もある。
パティちゃん残念!
カップルには、一対のパティちゃん印を付けて祝福してあげるのだ!
効果は、対になった相手との相性マシマシで、感度も数倍になる上に、いくつかの行為で体力減少率低下という、ステキな贈り物なんだ。
「けっ。……次。」
そんなこと言わないの。
「ミミ! 俺は――」
「うっふーん♡」
その視線がパティちゃんに向いてるの、わかってるんだぞ。
「豚、やれ。」
「ふごっ。」
「――ミミの゛ッ。…………。」
一撃で気絶させられた青年は、ベッキーの下へ届けられる。
そう、ボコボコにされて、しかも立派な雄として生まれ変わるための速修コースを受けてもらうのだ!
オッスオッス!
「……次。」
ねえパティちゃん。情報収集の目的は、どうしたんだい?
まあ、その辺は、どういうわけか拝まれているロッちんが、裏でやっているんだけどね。
~to be continued~





