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短編の歴史

海老天

作者: 猫乃つづり
掲載日:2017/12/30

ちょっと、今、食べたいものをテーマにして書いてみました。

あぁ腹へった……海老天食べたい……じゅるっとよだれをたらしがちになってしまいそうになりますね


俺は昔から通ってる居酒屋の主人にいつものものを注文する


「おっちゃん!いつもので」

「あいよ!いつものだねわかったよ」


俺は平日だが残業がない限り仕事帰りにはここにいつも一人で立ち寄っている。

日本の普通では人を誘って飲む習慣があるのだが近年、減少しつつあり、今じゃ失われつつある。

だが、俺にとっては全く関係ないことである。

なにしろ、俺は一人が好きだからである。

一人とは寂しいという奴もおるだろうが、俺はそんな気がしないわけで何しろ一人の時間とは自己と自身に対して問いかける内外的、外在的な時間を送ることを指しているのである。

そして、何よりもこの居酒屋の雰囲気を一人でそして、カウンター越しで楽しむのも案外嫌ではない。

後方では自分と同じ仕事帰りのサラリーマン達が愚痴をだしたりしたり、カウンター席では一人酒を楽しんでいたりと皆思い思いに楽しんでいるのも悪くはない。

居酒屋とはそういうところである、どこかのレストランの格式張ったことはせず気楽にいける何といいことなのだろうかと俺は会社帰りに上司につれられてきて、それから意を決して一人楽しんだことによる発見に俺は少しの砂糖を加えながらお冷やを口にして落ち着かせる。

さぁ、もうそろそろ来るぞ……

俺は海老天の揚げる音を聞くと次第に胃がくすぐられるような感覚で心も踊らしていた。

まだかなあーまだかなあー四十代前半のおっさんながらこんな童心じみたことを心の言葉で口にする。


「あいよ海老天いっちょ上がり|」



俺の前に差し出される海老天1つ

ここの店の看板メニューの1つでもあり、俺のお気に入りのものでもあり、そして、俺にとっての……



居酒屋で楽しむための開始の号砲であるのだ!


「はい、生ビールね!」

「あっどうも」


俺は軽く会釈をして生ビールのジョッキを居酒屋の主人から直接頂く

通常ビールなど運ぶ際には奥さんが運んでくるのが一般なのだが、俺の場合は席が近く、長年通いなれてるため、主人がピールを次いで渡すのだった。

忘れていた忘れていた、焦ってはならない俺は生ビールをおいて早速手を合わせると


「いただきます」


命の恵みに感謝して、それは生産者に対して、そして生きる糧を与えてくれた生命に対しての感謝を込めて頂くことにした。

口に頬張る


サクリ


中は衣で覆われており、まるで天使のベールに覆われたような感じで俺の胃袋を包み込んでいく……

だが、今日は海老だけでなく何かもプラスされている、海老の両サイドに挟まれているのが衣だけではないしゃきしゃきとした何かを……

そして、生ビールを飲んで楽しむ。

うん、これは何かといつもの海老天ではないものに俺は主人の方を見る

主人の方を見るとそこには満足そうな笑みを浮かべてこういった。


「中に入ってるの?なんだと思う?」


俺は断面を見てみると、驚くことに普通の海老天ではなくアレンジした海老天であったのだ。


「アスパラガス……ですよね?」


俺は慎重になっても仕方ないので思わず思ったことを口にしてみた。

根拠としてはこの口に入れた瞬間に広がるアスパラガス特有の緑のさっぱりしたハーモニーを醸し出していたからだ。


「当たりだ……どうだい?うまかったろう」

「うまかったですね、さっぱりした歯応えで食べることができるから、それでいて海老の本来の甘味と衣の旨み成分を打ち消すことなく表現している」

「へぇーなんかお前さん食レポじみたことも言えるもだねぇー」

「まぁそうでもないですよ……」


店の主人は感心するが、それは当然のことである通いなれた店であるからこそ味も正確に表現できるというものだ。


「まぁたまにはいつものにアレンジを加えるのも悪くはないだろう?悪かったな……黙って試す真似をしちまって」

「いえいえ、全然大丈夫ですよ、というよりバリエーション増えたら楽しみも広がるし俺にとってはよかったですよ」

「じゃあ、これは海老天のタイプを増やしても問題なさそうだな例えばチョコレート海老天……とかな!」

「それはちょっと……」


チョコレート海老天はあうのだろうか奇跡的な確率で合うのかもしれないが少し心配である。

俺が心配そうな顔を察したのか


「冗談だよ!」


とにやにやしながら明るく言う。

一人、自分を見つめるのもいいがこうやって、人と楽しい時間を共有するのも悪くはないとビールを飲みながらそう思ったのであった。


あぁ腹へった……、夜食が食べたくなってきた、よし、お湯で作れるきつねうどん食べよう。

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