表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
aラストティア ~荒野の楽園編~  作者: 蒼骨 渉
第三章 グオーレ王国
25/60

11 婚約者選定の儀(前座)

カレンちゃんのチャイナドレス姿いかがだったでしょうか?

遂にグオーレ城に潜入することができた優理とカレンが目にしたものとは・・・・・・。

「どうしてこうなったんだぁぁああああ!!」

 僕は暗くじめじめした床に転がり、両手を後ろで縛られた状態で牢に閉じ込められていた。しかも隣には黄色い髪のチビも同じように捕まっている。

 なるほどこれがラムじいの言っていた黄色い髪の女の子に気をつけろってことだったのか・・・・・・。

 がくっと首を前に垂らしてうなだれる優理。

 どうして僕とチビがこうなってしまったのか、それを今から順を追って話そう。


 予選を突破した五名と推薦者二名を合わせた計七名は広場の奥にある坂道を登って、グオーレ城まで案内された。グオーレ城は赤褐色のレンガ造りの建物で、正面の扉から入るとまず広いロビーが見え、中央と一番奥には上の階へ続く階段がある。きっと奥は寝室かなにかだろう。中央の階段の位置には左右に通路があり、左がキッチンや図書室、右が武器や道具の保管庫へと繋がっているようだ。(案内人が教えてくれた)

 僕達は中央階段を使い、グオーレン王とチャオス王子の待つ王の間へと案内されたのだった。

 王の間に着くともう既にパーティーの準備ができており、豪華な料理が白のテーブルクロスが敷かれた長テーブルの上に揃っていた。きっと腕前のシェフを雇っているのだろう。それにしてもこのセピア世界でこんなにも豪華な料理が出てくるなんて、ヒロキチ村長のところにいた時には思いもしなかった。

「さぁこちらです皆様、グオーレン王がお待ちです」

奥から小太りの大臣のらしき人物がやってきた。早く来いと催促しているのだ。

目の前の料理につい目が行ってしまったが、王座にはグオーレン王とチャオス王子が座って待っていた。流石一国の王、座っているだけでその威厳が覇気で肌身に感じられる。隣にいるチャオス王子はというと、小太り大臣と良い勝負ってところだった。

「グオーレン王、予選を突破しました五名の美しき女性と、推薦者二名をお連れいたしました。みなのもの伏せーえい!!」

 大臣の伏せの合図で全員が膝をついた。慌ててそれに倣う。

「顔を上げよ、楽にして良いぞ」

 芯のある重低音が王の間に響く。

「この度は我が息子チャオスのために集まってもらい感謝する。お主等ならチャオスに相応しい妃となれると私も思うが、くれぐれも気を緩めぬように頼もう。チャオスからも一言、言ってやりなさい」

「はっお父様。僕は将来子供が十人は欲しいと思っている。良い母体となれる者を選ばせて頂くぞ!!」

 鼻息が荒い。権力を持った王子じゃなかったら誰もよってこないに違いない。

「では早速懇親パーティーを始めたいところだがその前に、我がグオーレ王国の強さをしっかりと見せておかねばと思う。大臣、連れて参れ」

「はっ、只今!」

 大臣が颯爽とその場から居なくなる。

 国の強さを見せつけるだと? 軍隊の整列でも疲労するのだろうか? それくらいの事を想像していたが答えは違った。しかも最悪な答えだった。

「ほらっ! 早く歩け! ヨロヨロするな、前を向け!」

 両腕を縛られた状態で大臣に叩かれながら連れてこられたのは、酷くやせ細った身体をした少年だった。空色をした髪はボサボサで伸びきっていて、顔には結構な痣が数カ所ある。きっと普通にしていたらショタ好きな女性をイチコロにすること間違いなしの美少年であろう顔立ちなのに、その表情は死んだ魚のようだった。

「紹介しよう、この子はグオーレ王国に献身して大義を果たしてくれている少年ソラ君だ。もうお気づきかと思うが、彼は水色のティアの所持者(マスター)である! 君たちがこうして安心して暮らしていけるのは、このティアの所持者(マスター)が居るからであり、今その力を持っているのがこのグオーレ王ことグオーレン様だ!!」

 威勢良く叫んだグオーレン王は右手を突き出した。その手には水色の雫型をした宝石、水色のティアが握られていた。

「流石!! グオーレン王!!! 素晴らしいっっ!! 万歳!!!!」

 大臣がそう褒め讃えると周りの兵士も同じように「グオーレン王万歳!」と喝采する。妃候補の女達も黄色い歓声を上げている。

 グオーレン王が紹介する前に、彼の状態を見てなんとなく感じていたがやっぱり彼が、僕らに助けを求めていたティアの所持者(マスター)だったのか。酷い、酷すぎる・・・・・・。目の前の子があんなにも苦しそうな悲しい表情をしているというのに、心配するどころか王の権力の一部としてしか見られていないなんて。ふざけてる、こんなのふざけてる。

「待て、優理! 今動いても彼は助からない!」

 怒りに任せて突撃しようとした僕の腕をカレンがグッと抑えて、周りに聞こえないようにそう言った。

「だけど! こんなの許されるわけ・・・・・・」

 同じく周りに聞けないように小声でカレンに反論しようとしたが、優理は思いとどまる。

 カレンは必死でその気持ちを抑えようと左手で自らの太ももをギュッと引っ張って居たのだ。想いは同じ、だけど今は我慢する時なんだ、というカレンの強い意志を感じて僕もその場は我慢した。

 王の手の合図で歓声が止まる。

「まぁ今はちょっと体調が優れないみたいだから戻ってもらうとしよう。大臣頼んだぞ。そして君たちは今見たものは他言禁止だ。ティアの所持者(マスター)が本当に居たという事実だけ

持ち帰ってくれたまえ」

 全員がその場で頷き、大臣はソラを連れて行った。

その姿を目で追いながら、「絶対に助けてあげるから待っててくれ」と心で伝える。すると、

「うん、待ってるよ・・・・・・」

 どこからともなくそう聞こえた気がした。

 周りを見渡すが誰かが声をかけてきたわけではな様子だ。

「なぁカレン、今何か聞こえなかった?」

「え? 何も聞こえて無いけど」

 どうやらカレンには聞こえて無いらしい。気のせいかと思った時、

「まって・・・・・るよ・・・・・・・」

 また聞こえた! これはもしかしてソラの心の声?

 もう一度ソラの方を見るが彼はうつむいたまま階段を降りていってしまった。

「カレン、絶対に助けような」

「もちろんだ」

 二人の瞳の奥は熱く燃えていた。

「ではそろそろ懇親パーティーに移るとしようか、席に着いてくれ」

 長いテーブルの上座にチャオス王子が座り、そこから時計回りにカレン・レオーネ・優理・爺さん(推薦者)・ホワイトキャッツデビル・チキータ・マミーの順で座った。席はあらかじめ決められており、チャオス王子の左にカレン、右にマミーが近くで配置されるようになっていた。予選の発表順がそのままお気に入りの順番なのだろう。つまりカレンは一番気に入られている。

 従者がそれぞれのグラスに飲み物を注いでくれるのだが、これはワインか? 明らかに濃いワイン色をしている。応募は十四歳以上のはずだからお酒はアウトはなず。

 ゆっくりとグラスに鼻を近づけて嗅いでいるとチャオスの声が飛んできた。

「安心してくれたまえ、これはワインでは無くグレープジュースだ。ご老人お二人はホンモノでも良いとは思うけどね」

 ご老人二人? あっ、今の僕は大事な孫を推薦したおじいちゃんだった。

「いいえ、アルコールは控えるように言われておりますので」と適当に返しておく。

「では始めようか、グラスを持って。乾杯!」

 グオーレン王は一人別のテーブルに座っており、そこから大きな声でそう叫ぶ。どうせ一人だけお酒でも飲むのだろう。

「ささっさ、さぁどうだい? 美味しいかなカ、カレン殿」

 チャオスはまずカレンに接近し話しかける。

「え、えぇ、とても美味しいですわ・・・・・」

 近い! 近すぎて鼻息が肌に・・・・・・ひぃっ!! なんかちょっと汗臭いし、太りすぎよこの王子。あ~お願いだから早く違うところ行ってーーー。

「そ、そうだろ!? 僕と結婚したらいつでもこれが食べられるんだよぉぉブヒッ。カレン殿のその白い肌が真っ赤なドレスによってより映えて見えるよっ☆」

 案外チャオス王子は積極的なんだなと遠くで感心しながら見ていると、もう無理助けて・・・・・・、と言わんばかりの顔をカレンがこっちに向けてくる。が、頑張ってくれ。

「チャオス王子~、そんなちっぱいな女より私を見てよぉ~~」

 バインバインなマミーがチャオス王子の空いている右側にやってきて、その豊満な胸をチャオスの腕に押しつける。

「ム、ムニョーーーン!!!」

 それは触れた感触なのか、魂の叫びなのかどっちか分からないチャオスの叫びが聞こえた。

 どっちでも良いが釘付けも良いところだまったく。

 カレンはちっぱいと言われて腹が立ったのか、目の前の料理をがむしゃらに口に運んでいた。おー怖い怖い。


主な登場人物

・優理(主人公) 虹色のティアマスター

・カレン 赤色のティアマスター

・イリィ 赤のティアの精霊守護

・ニュートン ハリネズミ

・自然の楽園にいる美少女

・黄色い髪の少女

・マミー(おっぱい)

・グオーレン王

・チャオス王子

・ソラ(水色のティアマスター)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ