表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/214

シグチス騒動は日付が変わっても終わりませんっす。

12・27修正しました。

12・30修正しました。

転移魔法で任侠ギルドシグチス支部に入ると雰囲気が様変わりしてる。

ビルドゴーレムが改築スキルで内装を一新したので建物の中は色遣いを一新してあって暗いイメージが消されている。

マティアスに聞いたが地下闘技場は残すそうだ。

マナガルムやガスたちと話し合って決めたんだそうだが・・・ただ、戦うのは奴隷ではない。

闘士は年間契約する形にして賞金を争うスタイルで行くんだそうだ。

タイトルマッチやトーナメント制も利用して賭け事をして任侠ギルドの金を生み出すのはマヅゲーラで管理・運営してきたノウハウがあるので、ガスが連れてきてくれたベテラン職員に教えてもらう事まで決まってるらしい。

自由参加のトーナメントとかを『新人トーナメント』として開催することで安定的な儲けにできるみたい。

それと一緒に夜に働く女性も募集していって、ローションマッサージ店も近日中に開店すると教えてもらう。


まぁそんなことは置いといて今はこれから襲撃する入国管理事務所の方だ。


管理官たちは今日は誰が何名出勤して誰が休みでとかの情報があまりないので、今から少数精鋭で入国管理事務所を襲撃して中にいる職員の情報を俺がゲットしてから、街中に点在する管理官の自宅などを俺が次々に襲撃。

全幹部を奴隷化して聖騎士団に引き渡す事と決まった・・・という全部が俺のアイデア。

先行監視班は忍が行って情報収集、襲撃班は俺と徒影5体でおこなって、マティアス率いる闘士10名は管理官など内部の人間をフルボッコにして教会まで運ぶ班だ。

今回の治療はシグチス教会にいる司祭が行って教会の儲けにすることも決めた。

入国管理事務所は全部で5つありこの1ヵ所の事務所だけが闇奴隷販売から金を貰ってるのが判明してる事務所で、他の事務所は後から来るであろう国軍と警備隊にまかしておく。


俺は襲撃が終わっても忙しいからな。

襲撃する入国管理事務所に金を払ってる商会で闇奴隷などを取り扱ってる会社は全部今夜中に襲撃をする予定でいるが複数あるとキツイかな。

犯罪奴隷が溢れかえることになるがと心配していたのだが、この犯罪商会の人間達はシグチス教会に連れて行くとアマテラスが神の奇跡を使ってシーパラ教会にまで転送してくれるようだ。

複数の殺人を犯してる様なヤツラは皆殺しでもいいし。

俺が作成して渡す全部の資料や証拠は教会で管理して司祭と真偽官で捜査した後に国軍に引き渡されるという事がアマテラスとの話し合いで決定したので俺は資料を作って聖騎士団に渡して終わりだな。


どう考えても・・・今夜は眠れなくなりそうだなぁ。

それでも明日の朝日はミー念願の朝日だからな、張り切ってサッサと終らせますかね。


マティアスから連絡を受けてから教えてもらった入国管理事務所の場所に先行して情報収集をさせていた忍から念輪連絡が入り、今現在入国管理事務所で働いている人間は7人。

管理責任者が1人と幹部が1人と1名の事務スタッフがいる。

3名の奴隷が実際に事務業務をさせられていて残りの1名は性奴隷だ。

まさかとは思って再度確認させたが、職場の入国管理事務所の中に性奴隷を持ち込んでいるとは思ってもみなかった。

俺の中に怒りが沸々と湧きあがってくる。

街中に放ってある徒影5体を待機させて入国管理事務所の近くに転移魔法で移動する。

事務所の中に封印結界を張ってから中にいる7人をスリープ魔法で眠らせて完了。

幹部と管理責任者の知識を俺の脳内に情報複製魔法でコピーするとヘルプさんが一瞬で整理。

残りの職員10名の自宅に忍を先行させ情報収集をしておく。

俺はヘルプさんに従いこの2名が係わったすべての犯罪の証拠物と一緒にレポートをアイテムボックス内で作成して・・・アイテムボックス内でヘルプさんが一瞬でレポートと但し書きまで紙に印刷してくれるから・・・ゴッデスのアップデートでヘルプさんの機能が大幅に上がってるな。

後は隷属の首輪を解除して奴隷を解放。


こんなもんかな。


転送魔法でマティアスと元闘士の選抜チームを呼び寄せる。

初めての転送魔法で驚いてるが今夜は時間がないのでヘルプさんがアイテムボックス内で作成したレポートなどをマティアスに渡し、後からアマテラスの神託を受けてやってくる聖騎士団に渡す様に頼んでおいた。

俺は入国管理職員の自宅を次々と襲撃するために次の現場に急行した。

マティアスたちは聖騎士団が来るまでの時間に3人の職員を瀕死までフルボッコにする時間だ。

彼らは戦闘のプロだったんだから手加減もできるだろうがやり過ぎないように注意はしておく。


そうやって合計13人の職員の自宅にまで押しかけて全ての犯罪の証拠を揃えて聖騎士団に提出した。

職員全員がフルボッコで治療はされるだろうが多分、死刑になるだろう。

しでかした罪が多すぎて数え役満みたいなもんだろう。

救出した奴隷は男女問わずに50人以上いる。

働かされていた奴隷も全員が不法奴隷だったので救出した。

聖騎士団は入国管理事務所の職員13人に治療を施して治療費を計上させる。

コイツラ全員は総額100億G以上の現金と不動産も同じぐらいの資産を持ってるので国に全て没収される事になり、奴隷だった人達へのケアや賠償金に当てられる事となりそうだ。


職員13人はシーパラ教会に送られて証拠物と一緒にとりあえず捜査はされるけど死刑は確定してるだろうし・・・捜査よりも先に刑が執行されそう。

保護した奴隷たちも同じようにシーパラ教会の保護施設に送られて治療を施される事となった。

後はアマテラスと教会の仕事だな。


俺は闇奴隷販売をしている大元の商会を潰す事にする。

商会の名前は『ミクステリア商会』表向きは輸入代行業を営んでいて海外とのパイプを多く持ってる。

が・・・儲けのほとんどは奴隷売買や闇奴隷の輸出入で得ているようだ。

シーパラ・ヨークル・エクステンドにも支店を持ってる巨大な商会らしくて、ここシグチスの本社には300人以上の職員が働いていて幹部は44人。

副代表を務めていて四天王と呼ばれる人間が4人と代表1名で全員だな。

幹部以上の49人は全員がエクステリア商会の本部ビルの中に部屋を貰って住んでいるようだ。

俺が情報をコピーした入国管理官は全員ここのビルのパーティーに毎月招待されているので、ある程度の情報は俺の中にある。


この捜査には任侠ギルドは関係がないし関与しない。


任侠ギルドの連中は他の奴隷闘士を使う地下闘技場に襲撃をかけるようだ。

マティアスが仲間にできると読んでる奴隷闘士がいるところらしい。

この場所も取り上げて任侠ギルドの所有物にするという事なので襲撃後に俺がオーナーをエクストラヒールボッタクリすることが決定している。

こちらの地下闘技場襲撃に徒影を10体同行させ、俺のミクステリア商会襲撃に徒影10体をすでにミクステリア商会本部高層ビル周辺に待機している。

忍は10体ずつ先行して内部に入り込んで情報収集をさせてある。

アマテラスに連絡を取るとミクステリア商会襲撃に露草桜も同行するようだ。

証拠物が多すぎるし幹部は全員ここの本部ビルに住んでるからここに全員を封印するらしい。

教会が保護すべき奴隷を最優先で救出して、犯罪者は逃げられないように封印しとけば問題ないだろうという事だった。

明後日の5月13日の夕方4時ごろにレオーン・ゲッペンスキーが国軍たちを引き連れえて乗り込んできて引き渡されるまで、代表を含む幹部49人はアマテラスによって光の牢獄に封印される事となる。

俺はまたも強制捜査での資料レポート作りと証拠物の確保だけだ。

ヘルプさんに幹部連中の知識をコピーさせれば一瞬で作ってくれるように性能アップ出来たので俺はありがたい。


転移魔法でミクステリア商会の本部ビル前に到着すると露草桜が俺の後についてくる。


「桜さんですか? 俺の持ってる隠者スキルのように神の力で姿を隠してるので・・・俺ですらうっすらとしか見えないですね」

「うふふふふ・・・でも早乙女さんもうっすらとしか見えないですよ。真っ黒の甲殻鎧のおかげでうっすらと黒くにじんで見える程度です」

「あぁ、これは闇属性の甲殻鎧ですからね。光属性の頂点にあるアマテラス様専属の桜さんからは見え難いでしょうね。今の俺は隠者スキルを使ってませんからまだ見えてるのだと思います」

「そうなんですか・・・なるほど、私も長生きしてきましたが知らないことは多いですね」

「それではそろそろまいりましょう!」


俺が両手を上げるとミクステリア商会本部ビルの中にいる全員がスリープ魔法で眠りについた。

代表・四天王・幹部の合計10人ほどは身代わり石でスリープを逃れる事が出来たが、俺が身代わり石が使えなくなる封印を10人に掛けてから連続でスリープ魔法で眠りにつかせた。

桜にもわかるように俺が解説しながら魔法を使ってやる。

桜には勉強になるだろう。

桜は聖母なので封印は使用できないが、るびの型ゴーレムの『コースケ』に封印結界を使いこなしたり壊したりできるようにアップデートを施してあるので複合すると使い勝手が良いですよという説明もする。

桜もまずは『光の牢獄』という光魔法最強の結界で敷地全部を覆い尽くして幹部だけでなく、俺が眠らせた建物内にいる職員にもマーキングしてるようだ。

建物の中に入った全員は出ることはできるが全員がアマテラスの監視下に置かれて捜査されることになるという説明を受ける。

本部ビルの上層5フロアを占拠してる幹部達49人は逃げられないように転送部屋の移動を遮断される。

49人には『魂の光鎖』という魔法で全員が魂にマーキングされて見えない光の鎖に縛られて決められた範囲内でしか移動できなくなるようだ。

光の牢獄も魂の光鎖もアマテラスオリジナルの魔法で俺も知らない魔法だったのでこれは面白い。


お互いが素直に相手の話を聞いて勉強しながらの会話になってる。


しかし、ミクステリア商会本部ビル内を俺が探査魔法で探ると中に捕えられている闇奴隷は売られる前の奴隷が100人以上いて、ここで生活させられていると思われる闇奴隷も100人近くいた。

中には料理スキルを持つ奴隷も1人いたのには驚いた。

桜が神の奇跡を使って奴隷全員の治療をするのを手伝い俺は隷属の首輪を解除して回る。

奴隷は治療を行った後は212人全員がシーパラ教会の保護施設へとアマテラスの転送魔法で送られ、待機していた司祭と司教の手によってケアすることになってる。

その後も桜に教えながら歩き幹部全員の知識を情報複製でコピーして犯罪の証拠物の但し書きを張り付けて回り、全部の捜査用に資料と犯罪経緯などをくまなく調べて回り、作った資料は桜のアイテムボックスに入れられていく。


深夜の11時を回って全部の資料作りを終わらせてから、少し休憩。

桜に饅頭を渡して2人で座って雑談しながら番茶をすすり饅頭をパクつく。

まるで桜とデートしてるようだな・・・場所が捜査現場という特殊な状況だけど。

『早乙女さんとのデートは楽しかったです。フフッ、場所は最悪でしたけどね! 私が生まれて初めてのデートでしたので記念ですね』

と言って笑いながら桜は帰っていった・・・俺と同じことを考えていたとはな。

まぁ楽しんでいただけたのなら何よりだ。

桜には幸せになってもらうのが俺の中にある露草つゆくさ康助こうすけの悲願だからな。

俺が手助けできる事はしてあげたい。


これでここの捜査は終了。


手法は強引極まりないが、こうでもしないと今までと同じように逃げられておしまいだからな。

悪党に遠慮はいらないだろう。

ミクステリア商会はこのまま誰も入れずに放置することが決まってる。

俺の封印と違って中にいる人が一度本部ビルの1階へ出たら二度と上に上がれないように封印がされているし、外から中には1階までしか入れない。

さらに1階受付には俺の張り紙がしてあって・・・


ここミクステリア商会は闇奴隷販売などの多数の罪により太陽神アマテラスの管理下に置かれました。

全支部には5月12日の午前9時の出社時間に強制捜査が実施されます。

内部資料を持ち出すことは不可能ですしここに入ってきた時点で貴方達全員がアマテラス様の監視下に置かれます。

情報を漏らそうとしても売ろうとしてもすべての行動はアマテラス様に筒抜けです。

イーデスハリスの世界において貴方達には逃げる場所はありませんので、罪を認めて警備隊に自首をお勧めします。

犯罪を犯してる、もしくは犯罪を幇助ほうじょした罪が貴方達には掛かってますので沙汰があるまで、太陽神アマテラスの名のもとに貴方達には自宅謹慎を命じます。

自宅にある証拠物を隠そうとしたり証拠隠滅を図っても出来ません。

罪が増えるだけなので試したい方は命を懸けて行動してください。


こんな文を書いた張り紙をしておいた。

俺がスリープ魔法で眠らせた職員たちは目の前においてあるこの張り紙を見るだろう。

彼ら職員たちの行動はアマテラスが本当に監視してるので情報を売ろうとした先まで捜査される予定だ。

自宅に帰って証拠物を破棄しようとした職員は光魔法フラッシュの強力版で盲目にさせられる。

何百人もの職員を監視する作業はアマテラスの仕事だ。


俺は徒影から念輪連絡がありマティアス達が先行して襲撃している別の地下闘技場に向かって転移する。

フルボッコで瀕死の重傷を負っているオーナーにエクストラヒールボッタクリをおこない、オーナーの全資産の1.5倍の数字『15億G』を契約書に書いてここの全ての財産を俺が横取り。

ここの敷地も建物もオーナーの持ち物だったので奴隷も全部俺がエクストラヒール代金として正式に奪い取り、任侠ギルドに10億Gで買い取らせる・・・俺のアマテラスからもらった裏金が任侠ギルド経由で回ってくるマネーロンダリングなのでサクサク進む。

任侠ギルドの口座に裏金は全部入れておくことにした。

まだこれから交渉する事なんだが任侠ギルドが公式な組織になったらマネーロンダリングは出来なくなるから前もって任侠ギルドの俺の口座に入れておく。


ここの地下闘技場には闘士が31人いて全員がマティアスのカリスマに影響を受けているので任侠ギルド職員になる事を了承してくれ、新たに仲間が増えることになった。

こちらの31人・マティアスの部下35人の合計66人のうち50人ほどはマヅゲーラの街に1ヶ月ほど研修に行ってもらって任侠ギルドの仕事を覚えてもらう。

任侠ギルドからも講師として何人かは任侠ギルドシグチス支部に手伝いに来る。

10人交代の研修となるが、この研修で全員の適性を調べて仕事を割り振ることになった。

希望者には契約闘士にもなれるのでトーナメントにも参加できる契約をした特別契約職員という形だ。

特別契約職員だとボーナスで『徒影とトレーニングできる』と教えると66人全員が特別契約職員に。

マティアスは任侠ギルドのサブマスターになるのでトーナメントは”自由参加”になる。

これで任侠ギルドシグチス闘技場は2つになったが・・・後から奪い取った方は少し狭いのでこちらは練習場と職員寮にすることになった。

ビルドゴーレムが改築するので俺の仕事は終わり、また早乙女商会シグチス支部執務室へと転移魔法を使って帰還する。


情報収集をしてる忍からの報告を受け続けてるヘルプさんのまとめた情報によると、早乙女商会シグチス支部を監視してる奴がいて、交代で連絡を取ってる人間がいるようだ。

詳しく調べてみると・・・

冒険者ギルドのシーパラ本部にいた幹部職員『ノラギス・サザール』が作った会社『天上天下商会』の下部組織にいて上手く逃げることが出来たヤツラが中心となり作った組織が関与してるようだ。

まだ敵の動きが見えないのでこのまま監視続行させる。


俺はサイラスの闇属性甲殻鎧を着たままコーヒーを啜る。




時刻は12時を回り転生してから42日目の5月12日となった。


今頃首都シーパラから高速輸送艦隊15隻合計2500名もの先発隊が出発してシグチスに向かっている。

さすがに俺の魔力パワーボートの速度には負けるけど13日の夕方4時には到着できそうという大型高速輸送艦は史上初らしい。

普通はヨットの帆や海流を利用して何とか40ノットを維持できるが天候の兼ね合いがあるので長時間維持する事が出来ないようなので今回は実験もかねての出撃となる。

シーパラからシグチスまでのシーパラ湾は海流が南へと下っているので海流にも乗れるのでどこまでスピードが出せるか・何時間維持できるのかの実験でもあるのだろう。

逆にシーパラ半島寄りは風が南から北へ向く風がありそれに乗って帆を張って進む高速船が多い。

どちらも40ノット以上で速度が維持できるという予想。

俺のハウスボートだともろに影響を受ける海流の流れと風向きだが、魔力パワーボートには何も影響がないので忘れていたな。


などと考えてるとヘルプさんから速報が入る。

先程の早乙女商会シグチス支部を監視してるグループに動きがあり、グループの2人がとある邸宅の1つに入っていき、中にはヤクザな組織がいて早乙女商会襲撃の契約を結んだらしい。

2人が元の場所に帰っていくとヤクザ組織に緊急収集が出て続々と子分たちが集まってきてるようだ。

これは美味しいな・・・こうやってこの元天上天下商会のバカグループを泳がせれば犯罪組織を焙り出す必要もなくなるかも。

ヤクザ組織を壊滅させまくればいいしバカグループは資金が消えていく。

ヤクザ組織の名前もどうでもいいのである程度集まったら徒影と襲撃をする。

やっと暴れられるかも。


30分ほど待機してヤクザが集合した頃を見計らって襲撃をかける。

いつものように厳重な封印結界を張り、音や光さえも逃がさないようにしてから襲撃開始。

コイツらはボスと幹部の持ってる”情報だけ”が残ってればいいので全員・・・コイツラが今まで自分でしてきた事を俺にされるだけ。

敷地の中に正門を飛び越えて入って歩んでいく。

突如現れた全身黒尽くめの俺に門番達が笛を吹き鳴らしながら腰のロングソードやショートソードの柄に手をかけて走り寄ってくる。


「貴様! どこから入ってきた!」

「・・・」

「早く答えないと斬るぞ!」

「うるせぇな・・・人殺し。報いを受けろ」


鑑識の魔眼を開放してる俺には目の前の獣人の犯罪歴まで全て見える。

この門番たちも殺人歴があり殺した相手のカードを利用して生活をしているようだ。

殺人歴がある奴は殺す・・・殺人教唆などの犯罪歴も同様に殺す。

犯罪者でもただの脅迫とか、ゆすり・たかり程度なら半殺し程度にしようと思っていたが、門番ですら殺人歴が山盛りになってる。

ここは非合法の犯罪組織で間違いないだろう。

駆け寄ってきた3人の門番の真ん中の男が腰から抜いたショートソードごと俺の右の手刀が胸を貫く。

手刀を引き抜きざま門番の鎧を掴み右に放り投げ右の門番ごと吹き飛ばした。

超スピードで2人の門番がぶつかって木端微塵となる。

左にいた門番はロングソードを抜いて上から振り下ろしてきたが、俺は左の手甲で受け止めると同時に右のハイキックで門番の首から上の頭部を消滅させた。

門番詰所にいて残っていた門番が異常事態で警報レバーを引き敷地全域にビービーと警報音が鳴り響きはじめる。

警報を鳴らした門番は弓を構えて俺に向かって射ようとしたが撃つ前に地面から生えてきた土槍に脳天まで貫かれて弓を構えたまま死亡した。

俺は死んだのかを確かめもせず建物の前へと向かって歩いていく。


正面玄関が開かれて中からヤクザな連中が様々な格好のヤツラが30人以上出てくる。


「な、なんだこの子供は」

「うるせぇってケダモノ。人間の言葉を話すなよ」

「な・・・」


ボウガンを構えた男が俺にボウガンから矢を射ってきたので飛んできた鋼鉄の矢が俺にあたる瞬間に、俺が掴んで投げ返した矢によって額に穴が開く。

後ろに立っていたヤツラも5人ほど貫き壁に突き刺さってようやく止まる。

1.5mほどもある巨大なタワーシールドを構えたオオカミ獣人の盾職のタンクが2名『ウォ~~~!』という掛け声とともに走ってくるが、俺が地面から生やした土槍で自ら突き刺さって死亡して停止。

俺が魔法を使ったのを見て突撃できなくなったようだな。

躊躇してるヤクザに向かって俺は歩みを止めない。

直径80cm程の丸型の盾とグラディウスを構えたオーソドックスな剣闘士スタイルの10人が俺を取り囲んできたころで、俺は3階の窓からのぞく幹部7人とボスがいるのを発見。

逃げることも出来なくて表の様子をうかがっていたんだろう。

情報複製でヘルプさんに8人の持ってる知識を送り情報整理を頼む。

取り囲んだ10人の剣闘士の後ろから5人のランサーが槍を振り下ろしてきた。

紫村流侍剣術よりもコイツラの方が統制が取れてるな・・・俺には通じないけど。

槍が当たってるのに全く切れない俺は槍を一本奪い取り右手一本でぐるりと軽く回す。

剣闘士の首が10個跳んだ。

今度は腕を伸ばしてジャンプしながら一周右回りに回転するとランサーの首が5個跳んだ。

周囲には首が飛んだ15人の胴体が血煙を上げている。


俺は槍を掴み直して投げて3人を貫き殺害。

跳んだ槍は柱の一部を削って壁に突き刺さり、壁をも貫いて壁の抜こう側に隠れていたヤツラも2人貫いて停止した。

槍が体を通り抜けて行った全員が当たり前だが絶命してる。

ここにきてヤクザ達に新たな動きが出てきた。

俺に殺される恐怖に耐えきれずにパニックになって『ギャ~~』という悲鳴のような叫び声をあげて向かってきたのだった。

大剣を上から振りかぶって叩きつけてきたので、軽く左にステップしてかわしてから飛び蹴りをして大剣使いの頭部を吹き飛ばす。

着地したところに右からハンマーが横薙ぎに払われるが右手一本で軽く受け止めて、左のストレートで2mを超すトカゲ獣人の胸を貫気き殺害。

トカゲ獣人の手から巨大なハンマーを奪い取って周囲に振り回して周囲に群がってきていた8人ほどを一気に殺す。


俺の真っ黒な闇属性甲殻鎧は全身に返り血を浴びて赤黒く鈍く光ってる。

ここに至って恐怖に負けた奴らは逃げ惑い始めた。

なので周囲に待機していた徒影10体を呼びヤクザ狩りを始める。

ここのヤクザは獣人ばかりだな。

俺は腕を組んでニヤニヤと薄笑いを浮かべて3階の窓を見上げる。

8人が怒鳴ってるのがさすがに窓際にいないので下からは見えないが俺の遠見魔法で見える・・・自慢の子分たちがパニックになって逃げ惑い次々と殺されていってるのだからな。

時折下の様子を覗いた顔が直接見れるが全員が恐怖にひきつっている。

さんざん自分達が他人にやってきたことを仕返しのように俺がやってるだけだ。


『殺人や殺人教唆の犯罪歴がある奴は殺す。していないヤクザは半殺しにして連れてこい』

『幹部7人とボスは生かしたまま俺の前に連れてこい』

『奴隷は全員保護。治療するから全員を連れてきてくれ』


という単純極まりない指令を徒影達にはしてある。

だが誰一人として半殺しで連れてこられる組織の獣人も人間も亜人もいなかった。

隷属の首輪を装備させられた奴隷が12人がいただけだ。

隷属の首輪を解除してから外してボロ服しかまとってなかった体を3点セット魔法で浄化。

体を包むような綺麗な旅人の服を渡して装備させる・・・以前大量に購入した服の素材が余ってるから、個々にサイズを合わせてアイテムボックス内で作るだけなのですぐに出来上がる。

下着もきれいなモノを渡した。

こんな深夜まで働かされていたようでハラ減ってるだろうからおにぎりと豚汁という最強の組み合わせの夜食を食べさせてあげた。


この12人は内勤の下働きをさせられていた人達の様だ。

全員が暗算などの計算系のスキルをもってるのでマヅゲーラの任侠ギルドで保護させてもらって、ギルドでスカウトさせてもらう・・・もちろん”良ければ”という条件付きなので帰りたい人には数か月だけ仕事してもらってから通常の倍の賃金を払って帰すことにするが。

泣き叫ぶ幹部とボスの8人が連れてこられたのは12人の奴隷を徒影がマヅゲーラの街へと送ってから5分後だった。

ボスらしきタヌキ獣人が俺の顔を見て叫ぶのを俺はニヤニヤしながら返事をする。


「貴様! こんなことをしてどうなるか分かっておるだろうな!」

「なにがどうなるんですか?(ニヤニヤ)」

「我々のバックには誰がついてるのか知ってるのか? この都市シグチスの副長官だぞ?」

「へぇ~、そいつは信じられないなぁ、ウソつくなよぉ(棒読み&ニヤニヤ)」

「フフン、このシグチスで我々ヤクザギルドを舐めるとはな。警備隊にも我々の友人は多いし協力者も大勢いる。そのうち我々の仲間が乗り込んでくるぞ!」

「プークスクス、誰がどうやってくるんだ?」

「それはこうして、大きな物音を・・立てると・・・周囲・・・あれ?」

「俺の封印結界は特別製でなぁ・・・外に音も光も一切が漏れないんだよ」


深夜1時近い時間にこれだけの騒動を巻き起こしてるのに、覗いてる人間も外の大通りを歩く人間も一切がこの敷地の騒動を無視してるのがやっと理解できたようだな。


「まぁせっかくのリクエストだからお前達のお仲間を招待してあげるよ」


俺が右手を上げると警備隊の幹部3人と国軍関係者8人、シグチスの役所に勤める副長官とその派閥のグループ6人を転送魔法でここまで引き寄せた。

合計18人が俺の目の前に現れる。

大騒ぎするヤツラを前に俺が宣言することは1つだけ。


『全員死刑』


「死んで詫びろ・・・ただそれだけだ」

「こんな・・・こんな裁判は認められん!」

「お前たちの許可なんていらんし。そもそも俺はこの街の腐ったヤツラを排除してくれ、生死は問わんという主神ゴッデスからのご神託を受けてきてるんだから」

「な・・・な・・・」

「それに、お前らが殺せと命令して死んだ命がいくつあるんだ?」

「・・・」

「お前らの魂は”煉獄の闇”と呼ばれる異世界に送られて、魂が消滅するまで半永久に殺され続けるんだからここで一回死んだぐらいで気にすんなよ!」


と言ってキラーンと白い歯が輝く爽やかな笑顔で右手でサムズアップする。

俺は殺す前にここにいる全員の知識をコピーしてヘルプさんに送り徒影に指令を下して死刑を断行。

全員のステータスカードの下にそれぞれの罪状をすべて明記した資料を、アイテムボックスから出して置いておく。

・・・こんなもんだな。


コイツラの変死が警備隊でどう扱われるのか知りたいので封印結界を解除すると魔道ランプの明かりを最大にして周囲のどこからでもこの凄惨な現場が見えるようにしておく。

誰かが警備隊に通報してくれるだろう。

忍による監視も続けさせることを決めて徒影を解散させて、俺も早乙女商会シグチス支部の執務室に戻り忍と徒影による情報収集のまとめた結果をヘルプさんに聞く。

早乙女商会シグチス支部は俺がいない間に2回の襲撃を受けてるようだ。

ユーロンドに撃退されて排除させられてるが襲撃者の目的は俺の作ったゴーレムなどの情報だろう。

襲撃者はゴーレム馬車に乗ってきた10人のグループでユーロンドに鋼線で出来たワイヤーを結び持ち帰ろうとして失敗し、刀を抜いたところでユーロンドにフルボッコというのが2回あり、その襲撃者グループとは別にゴーレムを連れ出そうとして撃退されたのが5人いたようだ。


何なんだこの街は・・・チャレンジャーが多いな。

それとヘルプさんからの報告ではそろそろシグチスの街も今夜の異常な状態に気付き始めたようだ。

俺がこの街に降り立ってから聖騎士団と警備隊のゴーレム馬車が引っ切り無しに走り回り犯罪者として逮捕されたり、犯罪者奴隷と借金奴隷が山の様に増えているのが今の現状だからな。


それと全ての騒動の一番蚊帳の外に置かれてるのが・・・警備隊だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ