まさかの依頼
「マァサァキィ君っ!!おつかれさまぁっ」
「おうっお疲れ~」
聞いてしまったその声に。
見てしまったその姿に。
触れてしまったその肌に。
迷いを感じた。
別れたくない。
別れたくない。
一緒にいたい。
でも。
別れなきゃ、いけない。
あたしは死んでしまうから。
今日かもしれないし、明日かもしれない。
そんな急に死んじゃったら、きっと彼は戸惑うでしょう。
だから、その前に。
離れなきゃ。
「ねぇマリちゃん?」
「・・・・・え?」
「話があるんだけど、いいかな?」
ミナちゃんに呼び止められた。
「いいよ。」
屋上へと向かう。
「話って?」
「あっごめんね?急に呼び出して」
何て感じの良い人!!!
「ううん」
「マリちゃんに、こんなコト言うのもアレなんだけど・・・・・・・・」
可愛い
「あたし、マサキ君の事が好きなんだぁ」
そう言う彼女は乙女の顔。
「そっそっかぁ」
「だからね?マリちゃんに協力してもらえないかなぁと思ったんだけど」
「えっでも、あたし・・・・・」
「いいのいいの。ちょっとした事でいいんだ」
「あ、あの。あたし・・・・・・」
「告白したいの!!!!!!!!」
「こ、こくはくぅ!?」
そんな事、彼女のあたしに、言いますか!?
もしかしたら、ミナちゃん・・・・。
知らないのかも。
あたしとマサキが付き合ってる事。
「だからマリちゃんに、呼び出してもらいたいの。
ほら、マリちゃん・・・・・・マサキ君と、仲いいでしょ?」
「仲、良いけどそれは・・・・・・・」
「それじゃあ、頼むね?
あっあたし係の仕事が残ってた。
じゃあマリちゃんっばいばい」
「えっば、ばいばい」
あぁぁぁぁ。
とんでもない事を引き受けてしまった。
結局ミナちゃんに、言えなかった。
ど、どうしよう。




