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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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88話 魔女の家


 どうも、作者です。

 残念ながら熱は下がっていません。

 ただ薬を飲んで余裕は出来てきたので投稿します。

 辛くなってきたら急に休んだりするかもしれないです。

 その時はすみません。


「ここがマリンお姉さんのお家ですか?」

「あっ、はい、そうです」


 山の森の中に入った私達は箒から降りて歩き、しばらくして1つの小屋に辿り着いた。

 小さなウッドハウスでツタが張っており、長い間この場所に建っていることが分かる。


「魔女の家みたいだね〜」

「そ、そうですよね…」


 マリンが少し恥ずかしそうに言う。


「家の中に入ってもいい?」

「え、家の中ですか?あの、入ります?」

「マリンがいいなら」

「見てみた〜い」

「私もマリンお姉さんが何をしてるのか気になります」

「じゃあ、あの、あまり物には触れないようにお願いします」


 私達はそれを了承し、マリンの家の中に入る。

 家はワンルームで、部屋の広さは私やアリス、レイの部屋と同じくらい。

 他にも部屋が1つあるけど、多分トイレとお風呂かな?

 部屋には机や椅子といったような普通の家具があるものの、それよりも山積みにされた本や紙がすごく目立つ。


 埃っぽさはないから掃除はしてるんだろうけど、1人の女の子がこんな部屋で…

 なんてマリンにとっては多分お節介だよね。

 こんなに本が山積みになっていても、こういうのをやる人の大抵はどこにどの本があるか分かるみたいだし。


「マリンちゃんは本が好きなの〜?」

「す、好きと言いますか、私は錬金魔法の研究をしているので、その資料です」

「錬金魔法って?」


 錬金術と同じことなんだろうけど、この世界では魔術ではなくて魔法なのかな?


「はい、えっと、色々な素材を混ぜて、普通には出来ない物を作ったりする魔法ですね」


 うん、やっぱり錬金術だね。

 ただ魔法ってことは、使える人が少なかったりするのかな?

 でもこんなに資料があるってことは、かなり研究はされてはいるんだろうね。


「この大釜はなんですか?」


 アリスの声につられて私もアリスが見ている場所を覗くと、本の山の裏に大釜が隠れていた。


「おっきいね〜。これでねるねるするの〜?」

「ねるねる…?あ、そうですね、この大釜で素材を煮て練るんです」


 ねるねるなんて言ってもこの世界の人には伝わらないよ。

 なんてツッコミは入れないよ。


「これで素材を煮るだけで何か物が出来るんですか?」

「一応、魔力も使いますけど、煮て混ぜるだけです」

「どんな物が出来るんですか?」


 アリス、興味津々だね。


「えっと、例えば簡単なものだと薬とか、魚の餌とか、後は金属とかですかね」


 薬と魚の餌はまだ出来そうだけど、簡単に金属が出来るの?


「薬を作れるんですか?」

「あ、大した物ではないですよ。切り傷用の塗り薬とかです」

「塗り薬でもすごいですよ」

「そ、そうですか?あ、ありがとうございます」


 マリンが少し顔を赤くしながら答える。

 お、かわいい。


「簡単なってことは、もっとすごい物を作れるんですよね?」

「ま、まぁ、一応」

「他にはどんな物が作れるんですか?」


 年下の女の子に目をキラキラさせながら褒められて赤くなってる女の子を堪能していると、レイに小声で話しかけられる。


「ミオちゃん、マリンちゃんのことど〜思う?」

「どうって、かわいいと思う」

「それもそうなんだけど〜違くて、私達と一緒に住めないかな〜って」

「そのことね」


 実は内心、ここに住むよりユスティアで私達の家に住んだ方がいい暮らしは出来ると思っている。

 ユスティアから街の移動だって、私の転移スキルで手伝ってあげれば何も問題ない。


 ただマリンは私と同じで目立つこと好きじゃない気がする。

 認識魔法で姿を隠して生活をしてたみたいだし、それを考えると街の中で暮らすのはハードルが高いと思う。

 しかも魔女の格好をしてる人はいないし、そこそこ目立つはず。


 そしてもう1つ問題があるとすれば、私達は会ってから1日も経っていない。

 そのことを考えると、よくアリスは一緒に暮らせてるなと思う。


「私はいいし、アリスも問題はなさそうだから、マリン次第じゃない?」


 アリスはマリンと錬金魔法で盛り上がっている。


「じゃあ〜、マリンちゃんに聞いてみよ〜?」

「とりあえず、聞いてみよっか」


 かわいい子が増える分には私としては大歓迎なんだけど、流石に期待薄かな。


「マリン、ちょっといい?」

「あ、はい、なんですか?」


 マリンが緩んだ顔を私に見せる。

 素でもかわいいけど、笑ってるとかなりかわいい。


「良かったらでいいんだけど、私達と一緒に住まない?」

「え?あの、はい?え?なんですか?」


 さっきまでの緩んだ顔はなくなり、一気に混乱の色を見せる。

 その気持ちは分かるけどね。


「だから、私達と一緒に住まない?」

「え、皆さん一緒に住んでるんですか?」

「そうだよ〜」

「マリンお姉さんも住むんですか?」

「あれ、嫌だった?」

「いえ、私はいいですよ」


 アリスもやっぱり大丈夫だよね。

 その言葉を聞いてマリンが一瞬ホッとした素振りを見せる。


「あの、皆さんってまだ小さいですよね?えっと、お金とかは、レイさんが持っているんですか?」


 マリンも小さいけど、ご飯とかどうするんだろう。


「私とミオちゃんが持ってるよ〜」

「あ、ミオさんもお金持ちなんですね。えっと、ユスティアに住んでるんですよね?」

「そうだね」

「その、お誘いは嬉しいんですけど、あんまりここから遠いと素材を集めるのが…」


 それは問題ないかな。


「それならミオちゃんが転移魔法を使えるよ〜」

「え、転移魔法を使えるんですか?」

「ユスティアとここを転移するくらいなら出来るよ」

「そ、そうなんですか?なんか、もうすごいとしか…」


 マリンは驚きを隠せないみたい。


「なら、もう住んでもいいかなって思うんですけど」


 住むんだ。

 誘っておいてなんだけど、この世界の人は変に決断力があるよね。


「私の家の荷物の移動をしたいんですけど、どうしますか?」

「空間魔法もあるよ」

「あっ、え、空間魔法もあるんですか?」

「空間魔法なら私も使えるよ〜」

「えっ… ほっ、本当に…? なんか、皆さんすごいですね…」


 もう、一瞬クラっとしたね。


「私は転移魔法も空間魔法も使えないですよ」

「いえ、アリスさんも飛行魔法を使えるじゃないですか。それだけでも本来は充分なんです」


 アリスに諭すようにマリンが言う。

 まあ、私達はスキルだからね、規格外だよね。


 かわいい子とシェアハウスしたくないですか?

 会って1日でも私はしたいです。

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