表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
89/545

85話 誰でも簡単!空を飛ぶ方法!


 南門を抜けてフェンリルの森とは反対側の草原に向かう。

 レイナさんに障壁魔法を教えた場所だね。


 道からも離れて人から見られる心配はないはず。

 強いて言えば門番が見ようと思えば見えるかな。

 あと道行く人も見れるかな。


「じゃあこの辺でいいかな?」

「そうですね」

「は〜い」

「え、座るんですか?」

「うん、座ってね〜」


 レイがアリスを座らせる。


「まずは〜、飛行魔法をするためにはまず強い集中力が必要になるから、アリスちゃんには瞑想をしてもらいま〜す」

「瞑想ですか?」


 これって催眠術なんだよね?

 何をするんだろう。


「瞑想をすれば〜、簡単に空を飛べるようになるよ〜」

「分かりました」

「私もしておく?」

「ミオちゃんはしなくていいかな〜」


 なら私は見守っておこう。


「それじゃあ目を瞑って〜」

「はい」


 アリスは目を瞑る。


「あ、集中出来なくなっちゃうから返事もしなくていいよ〜。ただ私が言ったことをするだけでいいからね〜」


 レイがそう言うと、アリスは返事をしなくなる。


「よ〜し、それじゃあまずはリラックスをしよ〜。大きく息を吸って〜」


 アリスが大きく息を吸う。


「吐いて〜」


 アリスが息を吐く。


「吸って〜、吐いて〜、吸って〜、吐いて〜」


 レイがそれを数回繰り返すと、アリスは指示通りに深呼吸をする。


「もう言わなくなるけど、そのまま深呼吸は続けてね〜。そうすれば空を飛べるようになるからね〜」


 アリスはレイの指示をなしに深呼吸を続ける。


「次に体の力を抜いていくよ〜、まずは両方の手の指から力を抜いて〜」


 外からアリスを見て大した変化は感じない。


「次は手の力を抜いて〜、次は腕の力を抜いて〜」


 催眠術ってこんな感じだったっけ?

 テレビで見たことはあるけど、あまりよく覚えてない。


「どうかな〜、腕が少しずっしり重くなってきてるかな?それはリラックス出来てるってことだから安心してね〜」


 アリス、無防備だなぁ。


「次は肩の力を抜いて〜。そこから体に広がっていくように力を抜いていってね〜。最初に胸の力を抜くと思うんだけど〜、ちょっと実感しづらいから力を抜くイメージだけでも大丈夫だよ〜」


 レイの喋り方がのんびりしてるせいで眠くなってくる。


「次にお腹の力を抜いて〜。大分、体の力も抜けてきたんじゃないかな〜?リラックス出来てると簡単に空を飛ぶことが出来るからね〜」


 なんか胡散臭い。

 催眠術って本当に必要なのかな?


「次は太もも、ふくらはぎ、足先って順番で力を抜いてってね〜。ゆっくりで大丈夫だよ〜」


 暇だなぁ…


「よ〜し、体中の力が抜けて、体がどんよりしてきたかな〜?それで大丈夫だからね〜。もっと深〜くリラックスしてね〜」


 アリスの息は落ち着き、寝息を立ててるみたい。

 何か伝えたいのか、レイに手招きをされる。

 耳を貸すとレイが小声で話しかけてくる。


「アリスちゃんに魔法の箒を見せるから〜、これに乗って空を飛んでくれる?」


 そう言うと箒をアイテムボックスから取り出すと、そのうちの2つが勝手に浮かび上がる。

 魔女が乗るタイプの箒だ。


「ミオちゃんは自分で飛んでね」

「分かった」


 私は箒を1つ取って魔力を流して空中に浮かび上がるイメージをする。

 すると簡単に箒は浮かび上がる。


「じゃあよろしくね〜」

「うん」


 私は空を飛べばいいだけだからね。


「それじゃあアリスちゃん、リラックスはしたままで、ゆっくり目を開けてね〜」


 アリスは目を開けると、ゆっくり顔をあげる。

 アリスの顔はどこかおぼろげで、半分寝てる感じだ。


「今どんな感じ〜?」

「なんか、ぼんやりですね…」

「おっけ〜、大丈夫そうだね〜」

「はい…」


 アリスから精気を感じない。

 大丈夫かな?


「そのぼんやりしたまま、話半分で頭を寝かせながら聞いてね〜」

「うん…」


 アリスがとろとろでかわいい。


「これが魔法の箒で、この箒は使う人の魔力を使って浮かぶよ〜。箒と一緒に浮かぶイメージをすれば、もっと飛びやすくなるからね〜」

「…はい…」

「じゃあ飛び方を見せるから、座ったまま見ててね〜」


 レイが私に目配せしてくる。

 私は自分で浮かばせた箒に跨ぐように乗る。

 箒と一緒に自分も浮かぶイメージをする。

 私は2mぐらい高度を上げる。

 レイは箒に横に乗って私と同じぐらいまで飛ぶ。


「こんな感じで簡単に出来るからね〜」

「はい…」


 すごい適当言ってない?

 レイが高度を下げたから私も下げる。

 地面に降りると、レイがアリスに話しかける。


「アリスちゃんもこの箒を上手に使えれば、すぐに空を飛べるよ〜」

「分かりました…」

「それじゃあアリスちゃん、一旦目を瞑ってね」


 するとアリスが目を瞑る。


「アリスちゃん、私が3回カウントダウンするから、それと一緒にもう1度目を開けてね。いくよ?3、アリスちゃんはカウントが下がるにつれて意識がはっきりしてくるよ〜。ぼんやりした感覚も薄れていって、元気でかわいい、いつものアリスちゃんに戻るよ〜」


 眠そうなアリスもかわいいよ。


「2、アリスちゃんのイメージは研ぎ澄まされて、魔法の箒を使えば簡単に空を飛べるよ〜」


 それで飛べるなら私としても抑えることがなくてありがたい。


「1、次のカウントをしたらアリスちゃんの意識はしっかり戻って、考えがスッキリして前向きになれるよ〜。はい、0〜、目を開けてね」


 アリスが目を開ける。

 さっきはあんまり目が開いてなかったけど、今はしっかりと目が開いてる。


「アリスちゃん、今どんな気分?」

「落ち着いてて、いつもよりも少し調子がいい気がします」


 本当?

 それだけで調子良くなるの?

 私もやってもらおうかな。


「よ〜し完璧だね。アリスちゃん、今から飛行魔法を教えるよ。すぐ飛べるようになるからね」


 もう飛べる口振りだったけど、今から教えるんだね。



 エッチな催眠術ではなく、アリスちゃんは飛行魔法が出来ると前向きに考えるようにさせて、箒を使えば簡単に空を飛べるという擦り込みを入れる催眠術です。

 レイがポジティブ思考なのは自己催眠をしてるからって考えると、少し暗い一面があって面白いですね。

 自己催眠してるか作者は知らないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ