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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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83.5話 もう1人の冒険者


 いや、本当にすみません!

 投稿忘れてました。


 朝ご飯を食べ終わった私とレイとアリスは冒険者ギルドに向かう。


「アリスちゃんって冒険者じゃないけど、大丈夫なのかな〜?」

「どうなんだろう、さすがに受け付けてはくれると思うけど」


 報酬とかどうなるのかな。


「場合によっては冒険者になるのもいいと思うな〜」

「うーん、アリスはどう?もう冒険者になる?」

「確か1年以内にFランクにならないといけないんですよね」


 それなんだよね。

 レッドビーを倒したから、あと27回Gランクの依頼をこなせばいいんだけど、それが出来るかどうか。

 アリスの戦い方を見るに毎回、生死を分ける戦いを繰り広げることになる。

 それをあと1年間に27回。

 出来るのかな…


「もし空を飛べれば〜、簡単に魔物も倒せるんじゃない?」

「それはそうだね」


 安全圏から魔法を打ったり弓を射っていれば勝てる。

 ゲームではそれを出来ないようにするために飛行禁止の試合が多くあった。


「でも、飛行魔法を使えるかなんて分からないですよ」

「そこでアリスちゃんにいいお知らせがあるよ!」

「はい、なんですか?」


 レイが自信満々に話し続ける。


「私達の大陸からちょ〜っとだけ持ってきたものがあるんだけど、その中のある道具を使えば簡単に空を飛べるようになるよ!」

「え、そうなんですか!?」


 アリスが目を開いて話に食いつく。

 あれ、なんか上手くいきそう。


「どういう道具何ですか?もしかして魔導具ですか?」

「それはまだ秘密だよ〜。冒険者ギルドの用事が終わったら教えてあげるからね〜」

「今教えてくれてもいいじゃないですか」


 アリスがねだるように言う。

 焦らされてかわいそう。

 そんなアリスがかわいい。


「期待しててね〜」


 レイが意地悪く笑う。


「ミオお姉ちゃんはどんなものか知ってるんですか?」

「うん、知ってるよ」

「ミオちゃん、教えちゃダメだよ〜」

「だってさ」

「えー…」


 ごめんねアリス。

 これもアリスのためなんだよ。

 多分、この焦らしも催眠術に必要なのかもしれないから。

 私はかわいいアリスを抱きしめる気持ちを抑えて歩き続ける。




 冒険者ギルドに到着した私達は、解体受付のブルーノにお願いしてレッドビーの解体をお願いする。


「それにしても、本当にアリスがレッドビーを討伐したのか?」


 ブルーノはアリスが倒したことを信じられないみたい。


「本当だよ。すごくかっこよかったんだよ」

「ね〜!」

「そんなことないですよ」


 アリスが照れながら言う。


「何年も冒険者をやってる奴らですらレッドビーを倒せない奴なんているのに、流石はリアの妹と言ったところだな」


 何年も冒険者やってるのにレッドビー倒せないって、普段何やってる人なの。

 ブルーノからそれぞれ魔石を受け取って、正面受付のアンネの元に行く。


「ミオさんとレイさんと、えっとアリスさんですね」

「おはよう」

「おはよ〜」

「おはようございます」


 アンネが礼儀よくお辞儀する。


「はい、おはようございます。今日はどうなさいましたか?」

「今日はレッドビーを倒したから、それの報告だよ」


 私がレッドビーの魔石と個人カードを受付に置く。


「はい、それでは登録しますね」


 アンネは魔導板を弄って個人カードに記録していく。


「あと26回Fランクの依頼をこなせばEランクです」

「うん、ありがとう」


 私はアンネから個人カードと報酬を受け取る。


「次は私〜」


 レイがアンネに魔石と個人カードを渡す。


「かしこまりました」


 アンネはレイの討伐の記録をする。


「レイさんはあと49回Fランクの依頼をこなせばEランクです」

「は〜い」


 レイもアイテムボックスに個人カードと報酬をしまう。


「それじゃあアリスもレッドビーを倒したからお願いしたいんだけど、どうすればいい?」

「アリスさんも倒したんですか?」

「はい」


 アリスが両手でアンネに魔石を差し出す。


「え、本当にアリスさんが倒したんですか?」

「本当だよ」

「ね〜」

「はい、一応私が倒しました」

「す、すごいですね…」


 アンネが愕然としている。

 その気持ちは分かる。

 こんなに小さくてかわいい女の子が、大きな赤い蜂を倒したなんて信じられない。


「アリスって冒険者じゃないと思うんだけど、そのあたりの処理ってどうなるの?」

「そうですね… 個人カードに記録は残りますけど、冒険者ではないのでランクに影響などはないですね。報酬はもちろん出ますので安心してください」

「報告する前に冒険者になったら、ランクに影響する?」

「はい、その場合はGランク依頼3回分の処理がされます」


 となるともったいないと感じてしまう。

 アリスがどう思うかだよね。


「どうするアリス?」

「どうしましょう」


 アリスはどうしていいか分からず戸惑っている。


「なってもいいと思うけどな〜」

「1年以内にランクを上げられるかだよね」

「確認なんだけど〜、私とミオちゃんのパーティに入って私達が手伝ってもランクは上がるの?」

「上がりますよ。アリスさんも戦闘に参加したとお2人が証言すれば依頼は達成した扱いに出来ます」


 あれ、それってどうなの。

 弱い人でも無理やりランク上げ出来るよね。


「それやってもいいの?」

「大丈夫ですよ。ただ、実力に見合わないランクになっても特にいいことはないので注意してください」


 そんなことはないと思うけど、冒険者ギルドの受付が言うならそうなのかな。


「アリス、最悪私達が手伝ってあげるけど、どうする?」

「…い、いえ」


 アリスは決心をつけて言う。


「私、ミオお姉ちゃんとレイお姉ちゃんの力を借りずに、1年以内にFランクになります」

「お〜!言うね〜!」

「アリスがそう言うなら」

「かしこまりました。それでは冒険者の登録も行いますので、個人カードをお願いします」

「分かりました」


 そう言うとアリスはアンネに個人カードを渡した。


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