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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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80話 水魔法のお手本


 誤字報告、ありがとうございます!

 作者は小説を書いておきながら字を読むのがかなり苦手で、読み返しもほとんどせずに投稿してしまうので本当に助かります!




 私は2人を人目につかない木陰に移動させる。


「どうしたの〜?ちゅーしたくなっちゃった?」

「そうなんですか?」

「違うから」


 どうしてそうなるの。

 アイテムボックスからステルス発信器を取り出し、置きながら私は話す。


「今からレッドビーを倒しに行くよ」

「もしかして戻るの?嫌だよ〜めんどくさ〜い」


 レイが駄々をこねるけど、心配する必要はないよ。

 ただこれ、どうやって連れていくのかな?

 普通に一緒に転移するイメージすればいいのかな?

 そういえば、とある戦闘民族が瞬間移動する時は体を触れてたっけ?

 それに倣ったとしても、結局は体を触れた人も転移出来るってイメージになるのかな。


「ちょっと手繋いで」


 私はレイに手を出す。


「これでいい〜?」

「それとレイとアリスも2人で手を繋いで」

「分かりました」

「は〜い」


 2人が手を繋いだのを確認すると、私は脳内で「スキル 転移」と唱える。

 するとマップ画面が表示されるので、花畑にあるステルス発信器のマークを触れる。

 突如として視界が青白くなる。


「まぶし!」

「わっ!」


 レイとアリスはそれに驚くが、気付いた時には私達は別の木の下にいた。

 一瞬、失敗したかもと錯覚したけど、周りを見てみるとさっきとは違う花が咲いている。


「…?あれ〜?」

「どうかした?」


 レイは首を傾げている。


「なんか、さっきと違いますね」

「そうだね。ここはお花畑の奥だからね」

「どういうことですか?」


 アリスも状況を理解出来てないみたいだ。


「瞬間移動したんだよ。正しいか分からないけど、転移魔法って言えばいいのかな?」

「そんなの使えたの?言ってよ〜」


 レイが安心したように言う。

 歩かなくて良かったね。


「…ミオお姉ちゃんって、もしかして神官様なんですか?」


 アリスが恐る恐る聞いてくる。

 神官って何だろう。

 ゲームにジョブの細かい分類がなかったせいで、そういう分かりにくいジョブって全く分からないんだよね。


「いや、魔法剣士だよ」

「本当ですか?」

「本当だよ」

「…ミオお姉ちゃんとレイお姉ちゃんって本当に不思議ですよね」

「あれ〜、私もなの?」


 規格外って意味では、レイも不思議な人に入るね。

 確かに私達は不思議だろうけど、異世界転移してきたなんて言えないからね。

 言えたとしても結局は不思議だし。


「それじゃあレッドビーの討伐をしよっか」

「そういえばそうでした…」

「本当に倒せるの〜?」

「いけるいける」

「ね〜、雑じゃ〜ん」


 私はレイをあしらいながらレッドビーの姿を探す。

 傭兵団もいなくなってそれなりの時間が経つし、いると思うんだけど…

 あ、見つけた。

 レッドビーがいて当たり前かのように数匹飛んでいる。

 キラービーはいなそうかな?


「あっちにいるレッドビーを水魔法で討伐してね」

「すごく簡単に言うじゃん!」

「そうです、レッドビーって強いんですよ?」


 確かに2人の言い分は分かる。

 別に私だって簡単に倒せるかも分からないのに、いきなりやれって言われても不安になる気持ちは分かる。


「ならとりあえず、私が手本を見せるね」

「そうだよ〜!まずはミオちゃんがやって〜」

「お願いします」


 水の球縛りでレッドビーを倒せばいいんだよね。

 ナイフはどうしようかな。

 今更だけど、アリスは加護のついた装備は何もないんだよね。

 それを考えるとアンクレットとチョーカーも外した方がいいよね。

 私はその2つを外してレッドビーの元へ向かう。


 レッドビーとの距離は大体10mちょっと、向こうはまだ襲ってくる様子はない。

 私はまず水を出す為に右手に魔力を集中する。

 すると右手以外の体の力が少し抜ける。


 あれ、なんだろうこれ。

 もしかして加護ないと、あまり魔法って使えない?


 私は水の球を作るイメージをして魔力を放つ。

 右手の血の気が引くようなそんな感覚を覚える。

 私は気にせず、その水の球を出来るだけの速さでレッドビーに飛ばす。

 飛ばした時にも魔力を使ったから、やはり体から魔力が無くなったのが分かる。


 恐ろしい速度で放たれた水の球はレッドビーに衝突すると、レッドビーの体を拉がせる。

 潰れたレッドビーはそのまま地面に落ちる。


 いつもなら湧き出るように体を流れる魔力の流れも、今はあまり感じない。

 魔力の消耗を感じる。

 これ、10回も使えるか分からない。


 もしかして素の私ってスペック低い?

 魔力量も魔力消費量も魔力回復量も劣悪なのかな?

 魔力の質は特殊で、レイナさんの杖を使わせて貰った時に変化を感じなかったから魔力の変換効率はいいのかな?


 衝撃の事実に気づきながら、私はチョーカーとアンクレットを付け直して、倒したレッドビーを回収する。

 チョーカーを付けた途端、体から魔力が湧き上がるのを感じる。

 偽神の加護、微妙とか思ってたけど実はかなり助けられてる?


 ひとまず2人の元に戻る。


「手本になった?」

「う〜ん、倒せるのは分かったよ」

「そうですね」


 2人が微妙な反応をする。


「倒せはするから、2人ともやってみて」

「じゃあアリスちゃん、先にやってくるね〜」

「頑張ってください」

「頑張れ」


 レイが私達に手を振りながらレッドビーの元に向かう。

 私達はレイに手を振って見送った。



 アリスちゃんとレイちゃんはミオちゃんがレッドビーを倒すのを見ながら話しました。


「あんな速く飛ばせないよね〜」

「私も出来ないです…」


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