71話 第2回 ミオ先生による魔法授業(第3編)
今日も18時投稿は出来ません。
作者の新生活も始るので色々とやる事があって…
とりあえず私達は椅子に座り、水を飲んで落ち着いた。
「よし、授業の続きをしよっか」
レイはしっかり聞く体制に入るけど、アリスはどこか上の空のような、いやもう、ごめんね。
アリスはまだ10歳だし、急に2人にキスしようって言われて、言われるがまましたらそれは放心状態になるよね。
調子乗っちゃったなぁ…
「アリス、大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です」
「大丈夫だよ〜アリスちゃん、時期に慣れるよ〜」
「時期にですか…?」
アリスが固唾を飲む。
まあ、1回断らなかったら、次もあるよね。
それはアリスも運命として受け入れて、頑張ってね。
「それじゃあ授業に戻るよ。今、2人は自力で魔力を動かせる?」
そう言うとアリスとレイは自分の手に視線を向ける。
「私は出来るよ〜」
「上手く出来ないです」
アリスは手を開いたり閉じたりしている。
やっぱりアリスは魔力を使うことに慣れてないんだろうね。
私はアリスの手を取って恋人繋ぎをする。
するとアリスが顔を少し赤くして顔を背ける。
「嫌だったよね?」
「そんなことはないです。ただちょっと思い出して恥ずかしいだけです」
アリスが完全に意識してる。
かわいい。
虐めたくなっちゃうけど、アリスが魔法を覚えるのが今の目的だからね。
私はアリスに魔力を流す。
「うっ」
アリスがそう言って身を少しよじる。
赤面しながら何でそんなことするの?
ちょっと魔力を多く流そうと思ったら、レイが私の尻尾を触ってくる。
「ミオちゃん、尻尾が元気だね〜」
私の尻尾はこれでもかというぐらい揺れていた。
急いで尻尾を抑えて心を落ち着かせる。
そろそろこの尻尾の制御の特訓を始めた方がいいかもしれない。
「ミオお姉ちゃん、そろそろ、大丈夫ですっ」
「あぁ、ごめんね」
私は急いで魔力を止めて手を離す。
「どう?」
「やっぱり変な感じです」
「その感覚を忘れないように、体中に魔力を巡らせながら聞いてね」
「わ、分かりました」
アリスはそう言うと少し体を縮こませ、気持ち悪さを耐えているのか体を震わせる。
アリス、頑張って。
「光魔法の次は水魔法を教えるよ」
「は〜い」
「お、お願いします」
「まず、水魔法は文字通り水を使う魔法だよ。必要だったらこれを読んでね」
私は魔法指南書を2人の元に置く。
するとアリスはアイテムボックスから魔法指南書を取り出す。
それを見てレイが私の魔法指南書を手元に持っていく。
「水魔法で出来ることは水を操る、水を出す、凍らせるが主だよ。戦闘向きな魔法ではないと思ってたんだけど、指南書を読む限りでは結構使えるっぽいんだよね」
「何か心配になる言い回しをするね〜」
「大丈夫、最初は技を教えたりはしないから。ひとまずは水を操ることを覚えてもらうよ」
光魔法で放つこと自体は覚えたから、今度は操ることを覚えるのがいいよね。
操ることで言えば火魔法も土魔法も使えるけど、火魔法は危険なのと、土魔法は操ることをゴーレム魔術と言い、最高難易度の土魔法にあたるらしい。
ゴーレム魔術、最高難易度だった。
「水を操るんですか?リアお姉ちゃんは難しいって言ってましたけど」
「リアお姉ちゃんって?アリスのお姉ちゃん?」
「そうですよ」
そういえばレイってCランクパーティに会ってないのか。
「難しくはあるんだけど、それに関しては気にしないで。操って水の球を飛ばしたりしないから。私が前にやったみたいに水魔法で掃除出来るぐらいでいいよ」
「それも難しいと思います」
「そうなの?」
「ミオちゃん大丈夫〜?」
「レイには教えないよ?」
「うそごめ〜ん、教えて〜」
レイが私に抱きついてくる。
頭をポンポンと叩いて話を続ける。
「難しいのかもしれないけど、魔力をしっかり使うことが出来るから、もしかしたら案外簡単かもしれないよ」
「ならいいんですけど」
「ほんとに〜?大丈夫?」
「大丈夫だから、戻って」
「は〜い」
そう言うとレイはアリスの横に座る。
私はコップの中に水を出す。
「それじゃあこの水をこんな風に」
そう言って私は水を浮かせる。
「やってみて」
「せんせ〜!コツを教えてくださ〜い」
「素直に水を浮かせるイメージをするのもいいけど、水の流れを上向きにして実質的に浮かせるのもありみたいだよ」
「ミオちゃんは水の流れを使って浮かせれるの〜?」
「どうだろう」
私は水を浮かせるイメージをやめ、球の中が上向きに流れるように動かし続ける。
いや、これ難しい。
浮かせるよりも細かく動かすイメージが必要になる。
使い続ければ簡単になるんだろうけど。
ただこの水魔法、水流を使った技が多い。
これは私も慣れなきゃいけないね。
「もう流れてるの?」
「うん、流れてるよ。水に指を入れてみて」
そう言うとレイが水の球に指を入れる。
「お〜、本当に動いてる〜」
「私も触っていいですか」
「いいよ」
アリスも水の球に指を入れる。
「動いてないように見えて、中ではいっぱい動いています。すごいです」
そう言うとアリスが手を抜く。
「ひとまず、浮かせるのも水の流れを作るのもどっちでもいいよ。ただ一応、水魔法は水の流れを使った魔法が多いから、それだけは覚えておいてね」
「それじゃあ水の流れで覚えようかな〜」
「どっちの方が簡単ですか?」
「私としては浮かせる方かな」
「それなら私は浮かせるやり方にします」
「ならアリスちゃん、どっちが先に浮かせれるか勝負しよ〜」
「分かりました、先に浮かせることが出来た方が勝ちですよ」
「魔力を上手く使ってやるのも忘れないでね」
「は〜い」
「頑張ります」
そう言うと2人は水魔法の練習を始めた。
レイが来てから急に百合百合しくなってきた事に、今回を書きながら気付きました。
百合でも恋愛なしの百合が好きなので、仲良し3人組だと思って作者は眺めてます。
でも、もしかしたら誰か恋をしてたりするのかも。
もしかしたら3人で付き合ってるかも。
そう考えるのも趣深くて好きです。




