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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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68話 新生活の朝


 第2章です。



 私は気がつくと廃棄場にいた。

 いつも通り偽神の元へ向かう。


「どうだ、楽しんでいるか?」

「楽しいよ。やることもひとまず終わったから、これから何をしようか悩ましいよ」

「そうか。それなら良かった」

「1つ気になることがあるんだけど、いい?」

「いいぞ」


 本当にこれは気になっている。


「この世界で死んだらどうなるの?」

「この世界の君が死ぬだけで、現実世界に戻る」


 死ぬんだね。


「生き返ることは?」

「出来なくはない。だがそれは私がどうにか出来ることではない」


 死んだら私達でどうにかして生き返れってこと?


「もう1回アカウントにログインすればいいの?」

「いや、この世界で死んでからログインしても普通にログインされる。この世界の君が死んでる状態ではこの世界に来れない」


 どうにかして生き返るしかないんだね。

 それなら真っ先に思い付くのは蘇生魔法だよね。

 ただ蘇生魔法は難しい。

 私とレイは1度も出来たことはないし、ゲーム内で蘇生魔法を使えるプレイヤーは片手で数えられる程しかいなかった。

 まとめると死ななければいいんだね。

 そう考えると1番に覚えるのは強化魔法だね。


「ミオ、1つだけ忘れてることはないか?」

「え?何かあったっけ…」


 何だろう。

 やり残しがあるのかな…


「…『スキル確認』をしろ」

「あ、忘れてた」

「以上だ。これからもこの世界、十分に満喫してくれ」


 いつも通り世界が暗転する。

 そのまま意識も吸い込まれて行くのであった。




 目が覚めると見慣れない天井が見える。

 それはそのはず、この家に来て最初の朝。


 私達がこの家に引っ越してから、アリスの荷物を荷ほどきしてアリスの部屋のレイアウトを終わらせると、屋台で昼ご飯を済ませて商業者ギルドのローラから紹介された家具屋に行き、私とアリスとレイが必要な家具やインテリアを買い揃えた。

 帰りに食材を買い、家に帰った私達はアリスの手料理を食べ、お風呂に入り、疲れた体を休めるべくさっさと寝る準備をしてから、レイの部屋に集まって3人仲良く長いお喋りしながら同じベッドに就寝した。


 いや、よく寝れたよね。

 全員小柄とはいえ、3人で寝れるとは思わなかった。

 どれだけ大きいのこのベッド。


 私が起き上がるとレイとアリスの寝顔が見える。

 2人とも綺麗でかわいらしい寝顔をしている。

 こういう光景を見ると写真を撮りたくなるけど、そもそも撮るものがない。


 私の片手はレイにしっかり握られており、私がベッドから降りると起こしてしまう事になる。


 まぁ、もう1回寝てもいいよね。

 そう思い私は二度寝をするためにもう1度横になる。


 何か忘れてる気がする。

 何だったっけ?


 …思い出した。

 私は頭の中で「スキル確認」と唱える。

 すると目の前にスキル画面が現れる。

 何か増えてるね。

 えっと、「異世界言語」「アイテムボックス」「鑑定」「マップ」「転移」の5つ。

 後の2つが新しいね。




「マップ」

 周りの地形を見渡せるスキル。使用者が移動することでマップは更新されていく。


「転移」

 ステルス発信器に転移できるスキル。任意の生物や物体を転移可能。ただし大きさや重さに制限あり。(ステルス発信器はアイテムボックスに収納されている)




 え、ただの便利スキルじゃん。

 私は頭の中で「スキル マップ」と唱える。

 するとマップが表示される。


 マップには付近の住宅街が書いてあり、アリスの家もあるのが分かる。

 行ったことがないマップの端側は黒く塗り潰されている。

 さらにコンパスもある。


 便利すぎる…

 いや、ゲームでは当たり前だったんだけど。


 それでもう1つの方のスキル、どうやって使うんだろう。

 そもそもステルス発信器をどうやって出すの。

 ひとまずアイテムボックスからステルス発信器を取り出す。

 ステルス発信器は鉄で出来ており、小さな三脚型の機械って感じだ。

 高さは30cmぐらいで、床に置くと自立する。


 これでスキルを使えば転移出来るのかな?


 私は頭の中で「スキル 転移」と唱える。

 するとマップ画面が表示される。

 これはこの世界の全体マップで、マップのほとんど全てが真っ黒に塗りつぶされている。

 しかし少しだけマップが更新されているところがあり、そこにステルス発信器のマークが表示されている。

 私はステルス発信器を触ると、視界が青白くなり思わず目を閉じるが、すぐに元通りになる。

 気づくといつの間にかベッドから降りており、部屋のステルス信号機の横に立っていた。


「ミオちゃ〜ん?」


 そういうとレイが起き上がる。

 それにつられてアリスも目を覚ます。


「ごめん、起こしちゃった?」

「う〜ん、大丈夫だよ〜」

「おはようございます」

「おはよう」

「おはよ〜」


 レイが起き上がると、ベッドから降りる。

 そのまま私の方に歩いてくるけど、ステルス発信器に気付いてないみたい。


「レイ、足元危ないよ」

「足元?」


 レイが下を向く。


「何が危ないの?」

「あれ?その機械だけど」

「どれ〜?」


 レイが足元を探すけど、目の前にあるステルス発信器には気付かない。

 ステルスってそういうこと?


「何もないじゃ〜ん」


 レイは歩き出すとステルス発信器を蹴る。


「いたっ」


 ステルス発信器は私の元まで転がってくる。


「レイお姉ちゃん、どうかしましたか?」

「何かにぶつかった〜。ミオちゃん何かした?」

「したと言えばしたかな?」


 私はステルス発信器を拾い上げる。

 これ、他の人には見えないんだ。


「も〜、痛いのはなしだよ〜」

「ごめん、わざとじゃないんだ」

「じゃあ今回は許してあげる〜」


 そう言うとレイが私に抱きついてくる。

 アリスもベッドから降りる。


「それじゃあご飯にしよっか」

「は〜い」

「分かりました」


 私達は一緒に1階に降りていく。



 冒険するための便利なスキルが増えました。

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