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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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66話 寝癖がちょっとだけはねてるのはかわいい


 今日の18時投稿間に合わず、さらに18時投稿分は無しになるかもしれないです。

 すみません!


 時間は夕方頃、魔法指南書を読み飽きてレイとアリスの髪の毛で遊んでいたらアリスが起きる。


「おはよう」

「おはようございます」


 アリスは目を擦りながら体を起こす。

 待って寝癖でちょっと外ハネしてる、かわいい。

 アリスは毛布を持ち上げて何かを確認すると毛布を元に戻す。


「何かあるの?」

「いえ、レイお姉ちゃんが手を繋いでいるんですよ」

「そういうことね」


 私の時もそうだったし、繋いで寝るの好きなんだろうね。

 私はアリスの外ハネを触る。


「寝癖ついてますか?」


 アリスが手で髪をとかし始める。


「大丈夫だよ、かわいいから」

「かわいければいいって物じゃないんです」


 アリスが恥ずかしそうにしながら髪をとかし続ける。


「今日も終わりだしいいじゃん」

「いいんですけど、恥ずかしい物は恥ずかしいんです」


 まあ、気持ちは分かるけどね。

 でもかわいいからもったいない。


「どうしましょう。レイお姉ちゃんを起こしていいんですかね?」


 レイは未だに気持ちよさそうに寝ている。


「どうしようかな…」


 もう少し寝かせてもいいけど、アリスが動けないんだよね。


「綺麗なお顔ですね」

「そうだね」


 寝ていても、レイの顔はとても綺麗に整っている。

 本当にお姫様みたいだね。


「アリスも寝顔かわいかったよ」

「本当ですか?大丈夫でしたか?」

「大丈夫だよ」

「それならよかったです」


 アリスは安心したみたい。


「ひとまずゆっくり手を離して、ゆっくりベッドから降りてみて」

「分かりました」


 アリスが手を離して、ベッドから降りようとしたらレイが目を覚ます。


「アリス〜?」


 レイが寝起きの小さな声でアリスを呼ぶ。

 これ、手を離すと起きるのかな?


「レイお姉ちゃん、寝ててもいいですよ」

「いや、起きてもらった方がいいかな」

「あれ?ミオちゃん帰って来てたの?」

「うん、おはよう」

「おはよ〜」


 レイがのんびりした声で答える。

 レイは寝癖がついていないね。


「それで、起きた方がいい理由って〜?」

「隠し扉見つけたよ」

「え?本当?」

「あったんですか?」


 というか2人は隠し扉探してたんだよね?

 何で気持ちよさそうに寝てるの。


「あったよ。どこにあるか商業者ギルドの人に聞いてきたから」

「じゃあ行こ〜」


 そういうとレイが起き上がる。

 レイが鎧を着ておらず、アイテムボックスから鎧を取り出すとベッドの上で着始める。

 アリスはベッドから降りて服を整えると、レイも降りて後ろを向いたりして服が巻かれてないかを確認している。


「よし、それじゃあ行くよ」

「はい」

「は〜い」


 私は2人を連れて隠し扉がある部屋に向かう。


「私達もここ探したよ〜?」

「そうですね」

「探し方が甘いね」


 私は暖炉の裏にある魔法陣を探す。


「え〜、そんなところ探さないよ」

「そこに仕掛けがあったんですね」


 私が魔法陣に手を触れると暖炉の横の壁が凹み始める。


「え、すご〜い!」

「どうなってるんですか?」


 どうなってるんだろう。

 魔法陣を介してるから魔法の部類だとは思うんだけど、魔法指南書にそれらしい記述はなかった。

 土魔法で動かしてるのか、それとも物を動かす魔法を使っているのか。

 それともカラクリで歯車とか作ってるのかな?

 でもそれの動力源も結局魔法だよね。


 レイとアリスが奥を見ると、2人は息を呑んだ。


「これ大丈夫何ですか?」

「怖いね〜」


 私も覗くが、やっぱり階段の先は真っ暗だ。


「それじゃあアリスが1番前ね」

「えぇ!?何でなんですか?ミオお姉ちゃんが行ってくださいよ!」

「嫌だよ。レイ行ってみて」

「何で私?ミオちゃん1番年上だよね?」

「今それ関係ないから」

「ありますよ!ミオお姉ちゃんのかっこいいところがみたいです!」

「私も見たいな〜」


 うっ…

 かっこいいところね。

 なるほどね、そう来るか。


「分かったよ、私が行くよ」

「良かった…」


 アリスがホッとしたように呟く。


「それじゃあ行くよ」

「いや、ちょっとだけ心の準備をしたいです」

「よし、アリスちゃん行くよ〜」

「待ってください!怖いです!」


 レイがアリスの背中を押す。

 私はアリスの手を握ると、もう片方の手で足元がギリギリ見えるぐらいの光量の光の球体を作る。


「ミオお姉ちゃん、もうちょっとだけ明るくしてもらえませんか?」

「雰囲気だから」

「今は雰囲気なんていいんですよ!」


 私は気にせずにどんどんと階段を降りていく。

 しばらくして鉄の扉が現れる。


「これ本当に大丈夫何ですか?」

「どうだろうね〜」

「何かいるかな?」

「怖いこと言わないでくださいよ…」


 私は扉に耳を当てる。

 中からは何も聞こえない。


「何か聞こえますか…?」

「なんだろう、何かを引きずる音みたいなのがする」


 さらっと嘘をつく。


「…絶対まずいです、早く上がりましょう」


 アリスが小声で話しかけてくる。

 2人の不安そうな顔がかわいい。

 守ってあげたくなる。


 私は扉に手をかける。


「ミオお姉ちゃん!何やってるんですか!?」


 アリスが小声で叫ぶ。


「ミオちゃん、開けたらダメだよ。誰かがいるなら商業者ギルドの人に報告しないと…」


 レイは真剣に私を諭す。

 レイの反応が正しいね。

 ただ嘘なんだけど。

 私は2人を無視して扉を開ける。

 アリスが逃げようと階段を上がろうとするが私は手を離さない。


「何やってるんですか!逃げましょう!」

「流石に逃げよう?」


 私は地下室の中を見る。

 中は真っ暗で何も見えない。

 私は部屋の中の壁沿いに手を置いて魔法陣を探す。

 そうすると部屋の中が光に照らされる。

 地下室には何もなく、殺風景な木を柱にした石の広い部屋だ。


「音がしたのは嘘だよ。部屋の中には誰もいない」

「…はぁ」


 アリスが安心したようにため息をつく。


「ミオちゃん、驚かさないでよ」

「ごめんね」

「ミオお姉ちゃん、いたずらもほどほどにしてください」


 アリスが私に怒ってくる。


「2人ともかわいいくてつい」

「だとしても酷いです!人を怖がらせて反応を楽しむなんて趣味が悪いですよ!」

「ごめんねアリス」


 これは言い返せない。


「嫌いにならないで」

「嫌いにはなりませんから、こういうことはやめてくださいね?」

「うん」


 流石に申し訳ない気持ちになった。


「反省しましたか?」

「反省した」

「そうですか」


 そういうとアリスが私を抱きしめてくれる。


「仲直りです」

「うん、仲直り」

「私も〜」


 レイがアリスの後ろからさらに抱きつく。



 アリスちゃんは反省したミオちゃんを見て仲直りのハグをしましたが、レイちゃんはただハグがしたいだけなのでした。

 

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