表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
67/545

64話 アリスが1人前になったら


 私とアリスとレイは早めのお昼ご飯を食べて冒険者ギルドを出る。


「アリスちゃんって普段何してるの〜?」

「普段はお家の手伝いをしたり、解体をさせてもらったり、本を読んだり、魔法の練習をしたり、広場を散歩したりですかね」


 学校とかないんだね。

 学校がなくて好きに生活出来るのは最高だね。


「学校ってないの〜?」

「学校ですか?王都に学園がありますけど、お金がかかるので私みたいな平民は通えないですよ」

「そうなんだ。学園に通いたいって思う?」

「別に通わなくても生きていくことは出来るので、どっちでもいいですかね。勉強自体はしているので」


 勉強をしてるのは偉い。


「友達と遊んだりしないの?」

「たまに広場に集まって遊んだりしますけど、子供でも働いてる友達が多いのでそこまで頻繁に遊べないですね」


 子供も普通に働けるんだ。

 確かに私と同い年ぐらいのルナも服屋で働いていたし、なんなら私とレイだって冒険者として働いている。

 アリスより小さい子でもたまに屋台のお手伝いをしてるところを見かけることもある。


「アリスは働かなくていいの?」

「私はお父さんが傭兵をやってるのと、お姉ちゃんがたまにお金を送ってくれるので私が働く必要はないんです」


 リアはお金を結構持ってるんだよね。

 ただ傭兵って何をしてるんだろう?

 給料って高いのかな?


「アリスは働かなくても私達が養ってあげるね〜」


 レイがアリスの頭を撫でる。


「ありがとうございます。ただ私も冒険者になりますから、いつかは自分1人でも生活出来るようにしますよ」

「え?」


 レイが固まる。


「アリスっていつかは私達の家を出るんだね」


 そっか、アリスもリアみたいに冒険するんだね。

 1人前になったらアリスとお別れなのか…

 少し寂しい気持ちになる。


「いえ、出るつもりはないです。自分でご飯を食べれるぐらい依頼をこなせるようにするってことですよ。私も同じパーティに入りたいですし」

「そうなの?良かった〜」


 レイが安心したようにアリスを抱きしめる。

 私も一安心だ。

 レイとのお別れは辛いからね。


「それならアリスには強くなって貰わないとね。私達は沢山冒険するつもりだから」

「はい、頑張ります」


 アリスの顔はやる気とかわいさに満ちてる。


「この後どうする?」

「あ、そういえば私は引っ越しの準備出来ましたよ。いつ移動させますか?」


 そういえば私達も明日にはあの宿を出ないといけないから今移動させるのもありかな。


「一応、私とレイは明日からあの家に移動するから、今日移動させるか明日移動させるのどっちがいい?」

「どっちでもいいですけど、明日は忙しくないですか?」

「ずっと暇だね」

「それなら明日でいいと思いますよ」

「分かった」

「ねぇねぇ、そういえば私達が住む家をまだ見たことないんだけど〜、今日見に行ってもいい?」


 確かにレイはまだ見たことないね。


「それじゃあ今から見に行く?」

「行きた〜い!」

「アリスはどうする?」

「私も一緒に行きます」

「やった〜!」


 レイが私とアリスの手を握ってくる。

 私も優しく握り返す。

 そうして3人並んで私達の家に向かう。


 移動中、レイが嬉しそうに大きく手を振るせいもあってか優しい目で行き交う人々に見られた。

 確かに私達は小柄だし、自分で言うのもあれだけど、かわいらしい3人組であるからその目になる気持ちは分かる。

 私だってかわいい女の子3人が手を繋いで仲良く歩いてたら私も穏やかな気持ちでその子達を見るけど。

 けどやっぱり気になるものは気になる。


 私達は新しい家に到着する。


「ここが私達の家だよ」

「これ?大きいね〜」


 玄関の前までくる。

 扉には鍵の魔法陣があるけど、そういえばこれってアリスとレイって開けられるのかな?


「アリス、これってアリスとレイでも扉は開けれる?」

「ミオお姉ちゃんが居住登録をしていなかったら開けれないです」


 それじゃあ明日には居住登録をする必要があるじゃん。


「どこで登録するの?」

「商業者ギルドで出来ると思います」

「なら商業者ギルドに行かなきゃ」

「え〜、その前に家の中見てみたい」


 レイが残念そうに言う。


「そうだね、せっかく来たし家は見ていこっか」

「やった〜」


 レイが嬉しそうに両手を上げる。

 かわいい。

 必然と私とアリスが握っている方の手も上がる。


「やった〜」


 アリスもレイの言葉を繰り返して言う。

 かわいい。

 私は扉の鍵を開けると、レイが手を離して中に入って行く。


「どうして靴を脱いだんですか?」


 アリスはレイが靴を脱いで家に入って行ったことが気になったみたい。

 確かにこの街に靴を脱いで家に入る習慣はない。


「私達の大陸では家に上がる時は靴を脱ぐんだよ」

「そうなんですね」

「だからアリスもこの家に上がる時は靴を脱いでね」

「分かりました」


 そう言うとアリスも靴を玄関で脱ぐと中に入って行く。

 私も後を追いかける。



 早く明日に行きたいけどやる事がまだあった…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ