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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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58話 ケモ耳姉妹


 私達はお風呂を上がり、タオルでしっかり水気を取って髪も乾かし合うことにした。

 ひとまず私が先にレイの髪を乾かしてあげる。


 何とこの世界、ドライヤーなる魔道具が存在する。

 あって良かったドライヤー。

 しかも魔法で風を起こしてるせいなのか、全くうるさくない。

 現実世界にも欲しい。


 お互いロングヘアだから、乾かすのにそこそこ時間がかかる。

 私は上から下へ髪を乾かしていく。

 自分の髪を乾かすのは面倒くさいけど、人の髪を乾かすのは楽しい。

 自分の髪と他人の髪では違う。

 レイも同じようなこと言ってたね。


「サラサラだね」

「えへへ〜」


 レイの髪は一切のクセがなく、指が引っかかることなく綺麗に髪をとかすことが出来る。


「クセもないし、しっかり手入れもされてるね。小さい頃から髪を大切にするのはいいことだよ」

「は〜い」


 レイが嬉しそうに足をぱたぱた振る。

 鏡越しのレイの笑顔がかわいらしい。

 妹がいたらこんな感じなんだろうね。


「お姉ちゃんがいたら、こんな感じなのかな〜」


 レイが私の心を読んだかのような事を言う。


「レイって1人っ子だっけ?」

「そうだよ〜」


 1人っ子ってどんな感じなのかな?

 お姉ちゃんがいないと甘える相手が親になっちゃうし、それは少し嫌だな。


「そうだ。私達、姉妹ってことにする?」


 私ながら突拍子もないことを言ってる。

 この世界に家族はいない。

 というか私達が誰なのかを説明出来る人はいない。

 ならいっそ、姉妹になってもいいんじゃないかな?


「それいいね!」


 レイが鏡越しで私の事を見る。


「おね〜ちゃ〜ん!」


 レイが鏡越しで読んでくる。

 お姉ちゃん…

 本当にいい響きだね。

 心が安らぐのが分かる。


「レイ」

「おね〜ちゃん!」

「レ〜イ」

「ミオおね〜ちゃん!」


 あはぁ!

 かわいい!

 心臓が辛い…


「お姉ちゃんが出来て嬉しいな〜」

「私も妹が出来て嬉しいよ」


 こんなかわいい妹が出来るとは思わなかった。

 人生、何が起こるか分からないね。


「どう呼ぼっかな〜。ミオお姉ちゃんもいいけど、ミオちゃんもやっぱり捨てがたいな〜」

「好きな方で呼んでいいよ」

「え〜、悩むな〜」


 レイが幸せそうで私も嬉しい。


 レイが贅沢な悩みで悩んでる頃、レイの髪を乾かし終わる。

 少しとかしてあげてから、私はレイと交代する。

 レイが私の髪を乾かしてくれる。


「えへへ、お姉ちゃんの髪乾かしてる〜」


 レイが幸せそうな声を漏らす。

 レイがかわいい。

 1年間、一緒に遊んできた友達だけど、妹になったと思うともっとかわいく感じてくる。


「ミオちゃんってお姉ちゃんいるよね?」

「うん、いるよ」

「こういう事するの?」

「今はそこまでだけど、するよ」


 私がお姉ちゃんにたまにおねだりして乾かしたり乾かして貰ったりしてる。


「えへへ〜、姉妹みたいだね〜」

「姉妹なんだよ」

「そうだね〜」


 レイの口がゆるゆるだ。

 ずっとニコニコしてる。

 かわいい。


「ちゃんと乾かしてる?」

「乾かしてるよ〜」


 レイが嬉しそうに髪を持ち上げる。


「サラサラ〜」

「たのし〜」

「きれ〜い」


 レイは乾かしながら嬉しそうに呟いている。


「はい、しゅ〜りょ〜」


 そういうとレイが乾かすのを止めると、髪をとかしてくれる。

 乾かし残しもない。

 完璧だね。


「レイ、ありがとう」

「うん、ミオちゃん」

「そういえば、私のことはミオちゃんって呼ぶの?」

「そうしよっかな〜。ミオお姉ちゃんもいいけど、やっぱりミオちゃんがしっくりくるもん」


 もんだって。

 かわいい。

 初めて聞いたよ。


 髪を乾かし終わった私達は部屋に戻る。

 私達はソファに座ると、レイが横に座って手を触ってくる。


「明日はどうしよっか」

「う〜ん、そうだ!アリスちゃんと会いたいな〜」


 アリスか。

 レイも多分、私の家に住むだろうし、早いうちに紹介した方がいいよね。


「1つ聞きたいことがあって、家を買ったんだけど、レイも住む?」

「住む!」


 即答だね。


「アリスも一緒に住むから仲良くね」

「アリスちゃんも住むの?えへへ、楽しみだな〜」


 レイは嬉しそうに言う。


「アリスはレイより年下だから、妹が出来るね」

「妹も出来るの!?早くアリスちゃんと会いたいな〜」


 レイがほっぺたに手を当てる。


「どうする?もう寝る?」

「そうする〜」


 そういうとレイは寝る準備を始める。

 私もレイに続いて歯磨きをしたりする。

 レイは寝る準備を先に終わらせてベッドに入る。

 シングルベッドだけど、小柄な私とレイなら全然問題のない大きさだ。

 私は明かりを消すと、ベッドの中に入る。

 いつもなら1人のベッドだけど、今日はレイがいる。


「明日も楽しみだね〜」

「そうだね」

「この世界に来て良かったな〜」


 本当にこの世界に来て良かった。

 こんな楽しいことが待ってる何て思っても見なかった。

 まだまだやりたい事、行ってみたい所、見てみたい物はたくさんある。

 レイが私の手を取るので、優しく握ってあげる。


「おやすみ、レイ」

「おやすみなさい」


 私はレイの温もりを感じながら、穏やかな眠りについた。



 テンションが上がってるレイちゃんがかわいすぎる。

 書いてる間、作者のニコニコが止まらなかった。

 次からは普段の雰囲気に戻ります。


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