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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第5章 アンクイン
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537話 冒険者ランク特殊適性検査


「たのも〜!」


 王都の冒険者ギルドに入るなり、すぐ変なことするんですから!

 変に目立つから試合する事になるんですよ!


「シーですよレイお姉ちゃん。皆さんに見られてるじゃないですか」

「注目を浴びるのも今更であろう。早く要件を済ませに行くぞ」

「行きますよレイお姉ちゃん」

「ミオちゃんみたいだねぇ〜」

「もう!」


 そうやってすぐ撫でて!

 子供扱いもいいですけれど、お姉ちゃんなんだからしっかりして欲しいです。


 ミオお姉ちゃんは……

 ちゃんと来てますね。

 いつもは前を歩いて道に迷うミオお姉ちゃんが、こう静かについてくるっていうのは、ちょっと変ですね。


 それにカミラお姉ちゃんが1番前っていうのも、もっと変な感じです。

 絶対に後ろを歩くカミラお姉ちゃんが前で、喋らないミオお姉ちゃんが後ろだと、本当について来てるのか不安になりますね。


「ミオお姉ちゃん、こっちですよ」

「?」


 はぐれたら大変ですからね、しっかりと手を握ってあげないとですね。


 カミラお姉ちゃんが受付さんとお話しして、しばらくしたら別の受付さんに奥の方へと案内されました。

 ここは他の冒険者さんも行き来していて、職員の人だけが入れる場所という訳では無さそうです。

 長い廊下を抜けて、試合できそうなぐらいすごく広い部屋に出ました。


 部屋の中には、的が置いてあったり、薪のような物が立てられていたら、障害物がぐるっと一周に置かれていたり、何をする場所なんでしょう?

 見たことないものばっかりで……


「こちらでは適性検査を行って頂きます。MaSの皆様かの確認を致しますので、個人カードの方をこちらに。また、こちらの魔法陣での本人確認の方をお願いします」


 えっと、個人カードはここに……


「毎回毎回カウンターといい、何もかも絶妙に高いのが腹立たしいな」

「カミラちゃんちっちゃいもんね〜」

「20センチの差でこうも見下げられるとはな。成人の男を基準に冒険者ギルドは建てられていると考えれば、お主も不便被っている側だぞ」

「え〜、感じたことないよ〜?」


 お2人って正反対の雰囲気で、見てて不安になりますね。

 でもちゃんとお話ししてますし、仲は悪くないですよね?

 大丈夫ですよね?


 お2人が終わって、ミオお姉ちゃんに教えてあげないとですね。


「ミオお姉ちゃん?」


 って、何も言わなくても個人カードを持ってますね。

 先にやったお2人の真似をして、本人確認も順調にやってらっしゃいます。

 手を繋いでミオお姉ちゃんを待ってるのって、私の方が分からなくてミオお姉ちゃんのを見てるみたいじゃないですか!

 ちょっと恥ずかしい……


 ミオお姉ちゃんの後に個人カードを置いて、魔法陣の上に手を置いて、確認出来たみたいです。


「ミオさん、アリスさんですね。お二方は一緒になさりますか?」

「……?」

「あの、ミオさん?」

「えっと!ミオお姉ちゃん、お耳が聞こえなくてですね」

「そうでしたか、申し訳ありません!それではアリスさんがミオさんの介助をしていらっしゃるのですね」

「か、かい?えっと、多分そうです!」


 お手伝いしているとか、そんな意味ですよね?

 あってるはずです、大丈夫。


「でしたら、カミラさんとレイさん、ミオさんとカミラで別れてやりましょうか」

「任せて良いかアリス」

「はい、任せてください!」

「ミオちゃん頭いいからね〜、音無しでもやること分かると思うから、そんなに気にしなくてもいいと思うよ〜」

「何も聞こえないんですよ?」

「うん、やることも体力テストっぽいからね〜。案外すっとやると思うよ〜」


 体力テストってなんでしょう?

 獣人族の大陸ではそういうのがあるのでしょうか?


「それではミオさんとアリスさんはこちらに」

「ミオお姉ちゃん、行きますよ」


 もちろん声は聞こえませんから、軽く手を引っ張って教えてあげます。

 そうすれば、ミオお姉ちゃんは引っ張られた方に向かって、私の歩幅に合わせて歩いてくれます。

 ちょっと不便でも、大変という感じではないですね。


 職員さんの後ろをついていき、見たことない魔導具の前で止まるように言われました。

 記録代と似ていますが、魔法陣の左側に小さな魔石が沢山ついています。


「魔力の測定を行なっていきます。こちらの魔法陣に手を置いてください」


 魔力の測定、そういうのがあるんですね。

 ちょっと手を握ってると測定とか大変かもしれないので。


「ごめんなさい、手を離しますね」


 何を言ってるかは分からないはずですけれど、ミオお姉ちゃんはニッコリと笑って、予想できたみたいにスッと手を離しました。

 口の動きで少しは分かってそうですね。


「こちらでは得意とする属性を測ったり、他にも魔力の変換効率、魔力量、魔力生成量なども測ります。重要な指標なので、もし『魔力を意図的に流せる場合』は、魔法陣に手を乗せるだけではなく、魔法陣に魔力を流してください」


 まず、魔法陣に手をつきます。


 これっていうのはつまり、魔法陣に魔力を流せばいいんですよね?

 ミオお姉ちゃんから教わった、魔力の流れと使い方。

 その通りに、魔法陣へ向かって魔力を流していきます。

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― 新着の感想 ―
[一言] アリスさんもミオさん達の影響でかなりいい結果出しそうな気がする。 お姉さん越えも夢ではないかな?
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